後藤仁敏著
発行:風人社
仕様:四六判 上製本240頁
定価:本体2300円+税
1999年11月1日発行
ISBN9784-938643-17-1 C0047 P2300E
装幀:高麗隆彦
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ヒトは、臓器によって人となる。 世の中すべては脳のなせる業(唯脳論)ではないよ、 という内臓たちのメッセージによって あなたの人生観が変わるかも知れない。 「臓器の自然」を考え直し、 人間そして「私」を見つめ直そう。
著者紹介
後藤仁敏(ごとう・まさとし)
1946年生まれ。愛知県生まれ。
1969年、東京教育大学理学部地質学鉱物学専攻卒業。同大学院修士課程修了。1972年、東京医科歯科大学歯学部口腔解剖学教室助手。1975年、鶴見大学歯学部解剖学教室講師。80年、同教室助教授。口腔解剖学・脊椎動物古生物学専攻。理学修士・歯学博士。 著書に『恐竜の世界をたずねて』『歯の比較解剖学』『新・ヒトの解剖』など50冊余。
本書の目次
- 生活のなかの「唯臓論」
「唯臓論」からみた人の朝/「食」の場としての職場/「性」の場としての家庭/ 内臓こそ生活の原点 - 食いだめ袋=胃袋
胃袋のうずき/胃袋の歴史/胃袋の発生/「家庭の胃袋」/胃袋の叫び - とぐろを巻く腸
腸の原形/腹のなかは欲と糞のかたまり/糞袋=大腸の形成/肛門のなげき - 巨大な栄養の貯蔵庫=肝臓
サザエのつぼ焼/肝-膵の分化/隠された肝臓/「最後の砦」 - 息苦しい肺と呼吸
呼吸のはじまり/エラから肺へ/甚だしい鼻汁/胸郭の発達/ 息づまる人類の呼吸/笑いが救う呼吸と人間関係 - 顔の由来
顔面の発生に刻まれた進化/頭と顔/頭部の筋肉の由来/表情と声の意味 - 太古の海水=血液
血液という名の海水/血球の由来/戦う兵士=白血球/酸素の運搬奴隷=赤血球/ 骨と血液は「血を分けた兄弟」 - 悪循環をくりかえす血管と心臓
血管→動脈→心臓/三つの循環/肺循環の形成/心臓の左右分離/臍呼吸から肺呼吸へ/ 解剖学者のなやみ/血管の悪循環/二つの死に方/未完の『生命形態学』/ ある解剖学者の死/人脳の「なりゆき」/広がる三木成夫の世界 - 排泄の解剖学
肝腎かなめ/ミソもクソもいっしょ/「人間は糞と小便の間から生まれる」/ 大量につくられるオシッコ/魚たちの上陸作戦/尿石の痛み/ 小便袋=膀胱の由来/人体の治水/目には目を、糞には糞を/ 出そうで出ないはおやじの小便/排尿を支配する三つの神経 - 生殖の発生と性の芽ばえ
半人前の生殖器/重要な女性の役割/出産するオス/精子が決める性/「男はつらいよ」/ 生の波│「革命」の連続/女の子か、男の子か/ふたなりの秘密/「人間は二度生まれる」/ 女性ホルモンと母性ホルモン/祝福される第二の誕生日/単純な性=男性/ 祝福されない第二の誕生日 - いじめられる男性の生殖器
睾丸における「新陳代謝」/「おったまげる」精巣/シンボルとしての陰嚢/ 多摩動物園で玉を見る/「試練の道を行くが男の生きる道」/精子を励ます精液/ 迫害される陰茎 - いのちを育む女性の生殖器
「顔面精巣」と「顔面卵巣」/腹底の二つの凹み/卵巣という時限爆弾/出合いの場=卵管/わが故郷=子宮/宇宙リズムと生物/元気と病気/カマキリの性と生/ 人体に残された性周期/母親のなげき - 思秋期を迎えて
人生の秋を知る骨/晴れ晴れとした思秋期=更年期/更年期障害を越えて/ 男性にもある更年期/更年期以後の性 - 性と生殖の歴史
性の起源-無性から有性へ/体外受精から体内受精へ-交接器の形成/卵生から胎生へ-子宮の発達/カモノハシの乳腺/第二の臍の緒/副乳さがし/母性の歴史/哀しき父性 - 人間の歴史-「唯脳論」対「唯臓論」
根源の器官=肛門/こころの芽ばえ=心臓の発達/ あたまの発達=脳の進化/人類の歴史/「唯臓論」から「唯脳論」へ/「唯脳論」の限界/ 「唯脳論」から「唯臓論」へ
参考図書
あとがき
索引