
村上きょうこ 著
発行:風人社
仕様:四六判 上製本136頁
定価:本体1500円+税
カバー画 石井こうこ
2018年11月15日発行
ISBN9784938643843 C0023
品切中
少年・吉田茂が学んだ「耕余塾」を、郷土史家が「愛」をこめて記録した。
少し前のことですが、子供むけに書いた『耕余塾を開いた先生 小笠原東陽物語』を読んだ友人から、「吉田茂元首相が英文のみならず漢語や和語を使った格調高い文章を書くのは、耕余塾で学んだから? 吉田茂の耕余塾時代のことを知りたい」との感想をいただきました。
吉田茂や耕余塾について書かれた本や資料はたくさんあります。力不足を承知で取り組み始めると、やはり大変でした。
調べていくうちに、茂少年の賢さや少し孤独であったことを知り、後年、国政にたずさわり戦後復興に尽力したのは、耕余塾の教育があったからかもしれないと思いました。お読みいただければ幸甚に思います。
(本書「はじめに」より)


耕余塾は、明治5年(1872)、羽鳥村(神奈川県藤沢市)の廃寺「徳昌院」の庫裏を校舎として、儒学者小笠原東陽を招き開設した「読書院」が起源。入塾者が増加し、明治11年に 新校舎を落成し、校名を「耕余塾」と改め、明治30年まで続いた。遠方からの入塾者も多く、吉田茂や自由民権運動家の平野友 輔らを輩出。
著者紹介
村上きょうこ(むらかみ・きょうこ)
1944年 神奈川県生まれ
1996年 玉川大学大学院修士(教育)修了
江の島・藤沢ガイドクラブ会員・横浜詩人会会員・短歌つじどう会会員
著書に『耕余塾を開いた先生 小笠原東陽物語』
詩集『銀杏』 『掌上の一枚貝』『湘南海岸線』
本書の目次
はじめに 1
一 茂の実父母と養父母 11
二 茂の耕余塾入学 25
三 耕余塾開設から閉鎖まで 31
(一)イロハも漢学もの「読書院」 34
(二)変則中学としての「耕余塾」 46
(三)英学を取り入れての「耕余英和学校」 56
(四)高等の普通学科「耕余義塾」 64
(五)閉塾 81
四 耕余義塾生の吉田茂 85
(一)茂の唯一無二の竹馬の友 87
(二)茂の耕余義塾時代の論文 92
(三)豆腐とスイカ 97
(四)恩師 100
五 吉田茂と三觜八郎右衛門家 105
六 耕余塾と神奈川県の中等教育 121
吉田茂年譜より(学事後) 130
耕余塾年表 132
あとがき 134

吉田茂と学舎耕余塾 チラシ