総合出版・編集プロダクション「ホントに歩く」東海道・中山道

何のための知識シリーズ
手は何のためにあるか

何のための知識シリーズ3
手は何のためにあるか

山田宗睦ほか共著

手は何のためにあるか 表紙画像

発行:風人社
仕様:四六判/上製本/ 272頁
定価:本体2300円+税
1990年9月10日発行
表紙写真「大聖堂」(オーギュスト・ロダン、1908年)ロダン美術館蔵
ISBN9784-938643-03-0

★日本図書館協会選定図書
全日本聾唖連盟推薦図書

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手の驚き・手の魅力 手の思想、人間の手の構造、手の進化と動物の手、人間類似型ロボットの手、村田兆治の手、手の表現の美学(手話演劇)、盲聾二重障害者のコミュニケーションの手、手の認識

「手の仕組み」は、「手の外科学会」の整形外科専門医が、手の基本的な構造から詳述する。筆者の専門分野(先天異常)の学問的関心についても触れていただいた。 手の発生過程に関する説明は、特に興味深い。先天性四肢障害については、父母の会の野辺明子さん(『さっちゃんのまほうのて』共著者)の寄稿をいただいた。
「進化」は、京大霊長類研究所の岩本教授が、豊富な図版と味わいある文章で語る。
「スポーツ」は、『遥かなる甲子園』などの著者である戸部良也氏が、マサカリ投法で200勝した村田兆治投手の大手術からの復活物語を語る。片碗のプロ投手アボット投手の「アボット・スイッチ」にも触れた。対照的に、ボールも投げ、じゃんけんもする、人間の手に近いロボットの手には、共味と驚きを覚えると同時に、人間の手が、いかに精巧で神秘的であるかについて、思いを新たにする。
手話対談を翻訳した「手の表現」は、「手ことば」の<文化>を語る。盲聾二重障害の福島さんの「指点字」の発見は、比喩ではないまさに「心の窓」としての手の発見があって、感動する。
「手による認識」は、筑波大学入学試験問題の小論文課題に取り上げられた。


本書の目次

1 手の思想……山田宗睦

2 手の医学……荻野利彦
はじめに
(1)手のしくみ
整形外科医が見る手/手はどんなことができるか/手と腕の関係/ 手の表面=体を包む皮膚の高級な機能/皮膚紋理(指紋と掌紋)と皮膚線/爪/ 知覚受容器/複雑な手の動きを支える骨と関節/手と指を動かす筋と腱/腱鞘/神経/血管
(2)手の障害と治療
指が欠損するとどんな障害が起こるか/手指の欠損の再建術/手指の運動機能の再建術/ 手指の知覚の再建術
(3)手の先天異常について
手はどのようにしてできるか/合指症・多指症・欠指症・短指症

手に障害を持つ子どもと生きる ~先天性四肢障害児父母の会~……野辺明子

3 手の進化……岩本光雄
手と足/ひれ(鰭)から四肢へ/両生類から爬虫類へ/原始的な手の活用

4 投手の手
~村田兆治とアボット投手の手について……戸部良也
投手の手/投手と手/村田投手の右腕/右腕の手術/ジム・アボット投手の手

5 障害を通して考える
■<手話対談>手の表現 ~手話演劇を通して~……米内山明宏・森壮也
寺山修司から受けたショック/手のつくる空間でイメージを伝える/ 日常の手話と演劇手話は違う/感情を表現する手/ことば遊びならぬ「手話あそび」/ 指差しは一つのアイデンティティ/手の美しさから「手ことば」の美しさへ/ 演劇手話は意識的な表現へのエネルギーが必要/「手話の使い手」/   コミュニケーションアーツとしての手
■「手」は心の窓 ~盲聾二重障害者の伝達の手~……福島智
はじめに/「光」と「音」を失って/「指点字」との出会い/心をつなぐ「手」/おわりに
■手による認識……長棟まお
(1)私の手についての座談会/(2)感触は何を見るか

著者紹介

山田宗睦(やまだ・むねむつ)1925年生まれ。哲学。京都大学文学部哲学科卒。関東学院大学教授。著書『現代哲学の設計』『道の思想史』ほか多数。日本書紀史注 耳 眼 痛み  足 口 くび まち

荻野利彦(おぎの・としひこ)1946年生まれ。整形外科。札幌医科大学衛生短期大学部教授。医学博士。日本手の外科学会評議員

野辺明子(のべ・あきこ)先天性四肢障害児父母の会

岩本光雄(いわもと・みつお)1930年生まれ。人類学。京都大学霊長類研究所教授。医学博士。著書『人類の誕生』『指紋』ほか 足 口 くび

戸部良也(とべ・よしなり)1934年生まれ。作家。元九州スポーツ新聞運動部長。著書『長島茂雄物語』『遙かなる甲子園』(正・続)ほか多数 強くて楽しいキューバ 足 くび

前田祐司(まえだ・ゆうじ)1940年生まれ。通産省工業技術院機会技術研究所ロボット工学部主任研究官。日本ロボット学会理事

森壮也(もり・そうや)1962年生まれ。全日本聾唖連盟手話研究所研究員。アジア経済研究所研究員 耳 眼

米内山明宏(よないやま・あきひろ)1952年生まれ。トット基金・日本ろう者劇団代表。松尾演劇特別賞・文化庁芸術祭賞受賞。著書『手話は語る』 口

福島智(ふくしま・さとし)1962年生まれ。都立大学大学院博士課程教育学専攻在学。『ゆびで聴く 盲ろう青年福島智君の記録』に執筆

長棟まお(ながむね・まお)1956年生まれ。随筆家・仏教文学研究者。著書『ナム・ワルザボウズ』(戯曲)

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