企画編集・制作・発行:風人社
仕様:4分冊 両面2色刷印刷 折りたたみ式
全コース縮尺1万分の1地形図と多くの現地写真で詳細案内
コース・史跡などの解説はマップごとに裏面掲載で、計40ページです。
価格:本体1180円+税(第3集から値段が変更になります)
2018年6月9日発行
ISBN9784938643812 C0326
高宮〜垂井間には、宿場が8つもある。
そして、近江(滋賀)から美濃(岐阜)へと国境を越える。
日本史上の2大「天下分け目の決戦」地(壬申の乱と関ヶ原の戦い)を歩く。
地形、歴史、名物を満喫!
全巻ご予約受付中です。割引有り。お問い合わせください。
本書の目次
No.9 高宮~鳥居本(7.8km)
No.10 鳥居本~醒井(8.8km)
No.11 醒井~今須(8.0km)
No.12 今須~垂井(8.8km)【コラム9】サンライズ出版、合羽屋と謄写版
【コラム10】「東洋一」の醒井養鱒場
【コラム11】壬申の乱と中山道
【コラム12】関ヶ原。このまち、まるごと、古戦場。
第3集関連記事
『ホントに歩く中山道』の価格について
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ホントに歩く中山道 第3集、高宮〜垂井は宿場が多い
垂井のお菓子
ホントに歩く中山道 第3集 関ヶ原古戦場跡のmapBは広くしました
☆第3集のかんたん内容
第3集は、高宮宿(滋賀県彦根市)から美濃路と中山道の追分、垂井宿まで。
江濃国境を越え、滋賀県から岐阜県に入ります。
日本史上、二大天下分け目の決戦の舞台、関ヶ原を通ります。
8つの宿場は以下の通りです。
64宿 高宮(たかみや・彦根市)
宿内に大きな一の鳥居がある多賀大社のお膝元。高宮布の集散地としても賑わいました。
名産:葛籠、高宮上布。
鳥居本に関しては、『ホントに歩く中山道』第2集をご参照ください。
63宿 鳥居本(とりいもと・彦根市)
高宮まで5.9km 番場宿まで4km
名産:さんあか(三つの赤)の赤玉神教丸、鳥居本合羽、鳥居本すいか
高宮の鳥居は、多賀大社でしたが、鳥居本の鳥居は、どこの鳥居でしょう?(第3集にこたえあり)
鳥居本宿の東の摺針(すりはり)峠は、東からの旅人が初めて琵琶湖を見て感動する場所。三条大橋から出発して初めての山道です。急な登り坂ですが、すぐ終わります。峠からの絶景を楽しみましょう。 摺針の名の由来もびっくりです。
鳥居本は、佐和山城の城下町で、彦根にも徒歩30分程で出られます。国道8号線沿いの近江鉄道鳥居本駅の周辺には店はありません。しかし駅前に、滋賀県の老舗出版社「サンライズ出版」があります。サンライズ出版はもと合羽屋「木綿屋」で、中山道に面した商家が今も残ります。江戸時代から人気だった赤玉神教丸(下痢・腹痛・食傷などに効能)の建物は、18-19世紀の建物で重要文化財です。和宮や明治天皇も休憩されました。
62宿 番場(ばんば・米原市)
鳥居元宿まで4km 醒井宿まで3.9km
名産:するはり餅、番場の忠太郎
古代の東山道の時代からの宿でした。江戸時代、彦根藩が開いた琵琶湖の米原湊へ通じる道ができ(深坂道)、賑わいました。多くの荷物が、摺針峠を越えずに番場、米原湊、船運で大津へと運ばれました。
国指定史跡の鎌刃城が南にあります。地元の方が、道や城跡に案内や櫓などを整備されています。城跡からの眺めもなかなかです。
番場は、番場の忠太郎で有名な蓮華寺があります。蓮華寺は、聖徳太子の創建で、元は「法隆寺」と言いました。鎌倉幕府の六波羅探題、北条仲時が反幕勢力に追われて鎌倉へ逃避中、ここで佐々木道誉に進路を断たれ、一行430人あまりが自害しました。勅使門の横に、自害者の血が河のように流れたという「血の川」の標示があります。番場の忠太郎は、長谷川伸さんの戯曲「瞼の母」の主人公です。番場の忠太郎は、長谷川伸の戯曲「瞼の母」の主人公で歌舞伎や新国劇、映画などで大流行しました。番場には土産物を販売する店はありませんが、隣の醒井宿の丁子屋(醒井餅も売っている)では、番場の忠太郎最中を販売しています。忠太郎のトレードマーク「三度笠」の焼き印がおされています。
61宿 醒井(さめがい・米原市)
番場宿まで3.9km 柏原宿まで5.9km
名産:鱒料理、醒井餅、木彫り細工、梅花藻ソフト、醤油
醒井は湧水の町です。宿内に「三水四石という名跡があります。今も古い建物が残り、地蔵川沿いの風情漂う町あるきは人気。特に夏の梅花藻の花の時期は、多くの観光客で賑わい観光バスがたくさんくるそうです。
加茂神社の前の湧水「居醒の清水」は、日本武尊が伊吹山の神の怒りに触れて、氷雨にあたり正気を失った尊が、山から下り、ここの水で体を冷やして「醒めた」泉です。また、醒井は日本で最初の養鱒場ができたところで、宿場から南4キロほどのところに今もあります。鱒フライ、鱒のおつくり、鱒寿司、新鮮な鱒を味わいましょう。
醒井宿と柏原宿の間には、古の東山道を感じさせる林の中の道を通ります。杉の植林の山で、春は花粉が激しいのでご注意を。
60宿 柏原(かしわばら・米原市)
醒井宿まで5.9km 今須宿まで3.9km
名産:もぐさ
柏原といえば艾(もぐさ)。日本一大きな福助さんがいる亀屋佐京は現在も営業しています。伊吹山は昔から艾の自生地でした。百名山の伊吹山は、頂上にお花畑が広がり人気があります。
最澄開基の古刹「成菩提院」は、信長や秀吉、家康が、また関ヶ原の戦い直前に小早川秀秋も滞在しました。今は落ち着きのある静かなお寺です。
東西に長く延びる宿場には古い建物が残り、趣があります。宿の西口に、復元された柏原一里塚があります。
JR東海道線柏原駅は、醒ヶ井駅もそうですが、夕方になると無人駅になります。駅の前には自販機はありますが、宿場内には商店が2軒、国道沿いにローソンがあります。柏原宿歴史館に併設された喫茶「柏」では軽食が食べられます。名産の艾をイメージした「やいとうどん」(やいと=もぐさ)をぜひ召し上がってみて下さい。
59宿 今須(います・不破郡関ヶ原町)
柏原宿まで5.9km 関ヶ原宿まで3.9km
名産:昔は合羽。鳥居本と同じで峠越えを控えてのことでしょう(今はない)。
今須は、近江を出て、美濃の最西端の国境の町です。今もドブのような細い溝が両国の間にあります。ここは「寝物語の里」といい、国境の溝を挟んで建っていた旅籠では、その壁越しに寝ながらに会話ができることから、その名があります。
宿の西側に「車返しの坂」というのがあります。南北朝時代の公卿、二条良基は月明かりが洩れるほど荒れ関守の家があるとの評判を聞き、牛車でわざわざ見に来ました。しかし、この坂のところで、屋根が修繕されたという、関守としては至極当然の行動に対し「葺きかえて月こそもらぬ板庇とく住みあらせ不破の関守」という腹いせのような歌を詠んでいます。
今須峠は難所で雪が深く、冬期は旅人が苦労しました。ちなみに、国道沿いに復元された今須の一里塚の前は、チェーン着脱所です。
今須宿から東へ向かえば、不破の関を越えて関ヶ原宿です。
58宿 関ヶ原(せきがはら・不破郡関ヶ原町)
今須宿まで3.9km 垂井宿まで5.5km
名産:そば、古戦場、不破の関
関ヶ原の名前を知らない人はほとんどいないでしょう。関ヶ原の戦いは、日本史上最も有名な戦いですが、どんな戦い?と問われるとどうでしょう? せっかく関ヶ原に来たのですから、一日かけて、古戦場をめぐってみるのもよい機会です。(関ヶ原自体には、なかなか来るチャンスがないと思います。新幹線で関ヶ原トンネルは通過するのにね)。史跡の説明板や案内も充実していて、分かり易いです。
関ヶ原は積雪量が多いことで有名です。町役場には、雪かき用のショベルカーがあります。
合戦で有名な関ヶ原は交通の要衝で、北国街道、伊勢街道と日本海と太平洋を結ぶ道が通る場所でした。宿場の西側には、日本の三関の一つ、「不破の関」が設けられました(他の二つは鈴鹿、愛発)。今は跡地に資料館がある他、関守の末裔の三輪家の方が今も住んでいます。庭には、多くの句碑や歌碑があり、芭蕉「秋風や 藪も畠も 不破の関」の句碑もあります。また、関所が設けられた契機となった壬申の乱の史跡も関ヶ原にはたくさんあります。関所跡地に(今は畑)、大海人皇子の兜掛石と沓脱石というのもあります。
57宿 垂井(たるい・不破郡垂井町)
関ヶ原宿まで5.5km 赤坂宿まで5.3km 美濃路大垣宿まで10.5km
名産:鯉のぼり、美濃紙(紙屋は室町時代に消滅)。今ははちみつ、玉ねぎ、お茶。
垂井も醒井と同じく水の町です。宿場南の玉泉寺の湧き水、「垂井の泉」が垂井の名前の由来になっています。
美濃紙発祥の地で、紙屋塚というのがあります。宿内の大きな鳥居は、美濃国一宮「南宮大社」の鳥居です。南宮大社は鉄の神様「金山彦命」が祭神です。南の山や付近にも毛利が布陣するなど、関ヶ原の古戦場でもあるのですが、関ヶ原に比して古戦場としての影は薄い感じです。
「大垣と関ヶ原の間」と我が町を卑下する町の人の声をちらほら聞きましたが、美濃路と中山道の追分がある交通の要衝で、また古代は国府があり美濃国の中心で、大変重要な地域でした。今、垂井駅の前には地元のヒーロー、竹中半兵衛の像があります。
相川には、5月の子どもの日の前、「相川鯉のぼり一斉遊泳」が行われ、たくさんの鯉のぼりが泳ぎます。相川は、江戸時代は水量が多く、人足渡しでした。
相川を渡った先で美濃路と中山道が分かれます。追分には大きな道標がありました。今は資料館も併設されているタルイピアセンターに道標のレプリカがあります(美濃路沿い)
垂井から名古屋は、JR東海道線で約50分、垂井から米原までは、JR東海道線で約30分です。