総合出版・編集プロダクション「ホントに歩く」東海道・中山道

何のための知識シリーズ4
人間の痛み

山田宗睦ほか共著

発行:風人社
仕様:四六判/上製本/ 322頁
定価:本体2900円+税
1992年1月20日発行
表紙画 青木健真
ISBN9784-938643-05-8 C0347

★日本図書館協会選定図書


痛みを共にする! 痛みの生理・病気・治療の詳述。心の痛みと心の病とは?社会・歴史・文学に見る痛み。人の痛みがわかるとは?
身体・心・社会の三部構成

<第1部>痛みのメカニズムから、痛みとはそもそも「精神的な経験」であるとする国際疼痛学会の定義を受けたペインクリニック治療の現在を招介。末期癌看護の専門家である石垣氏が、疼痛緩和の処方、心を支える手だてと、患者との相互関係の喜びを述べる。「リウマチ」患者の立場から、幼少時からの生活を記録。
<第2部>身体と心の両面からの診療を標榜する「心療内科」の診察室から、その考え方と事例考察を。また、痛みがまさに心の病として固定してしまった「精神病」について回復までの過程を詳細に考寮。
<第3部>「水俣の傷み」に対する医師の「学問的厳密さ」を考え、学問の矛盾と人々の苦悩を最首氏が論述。「北」に生まれた国分一太郎という一人の個人の生き方に、地理的な南北でない、豊かな「南」に生まれた執筆者の原罪感を込めた共感を通 して、個人と仕事について考える。原爆の悲惨を目撃し、その痛みを伝える仕事に生きる教師をTVディレクターの目を通して語る。
「おそらく共感共苦が全人類唯一の法である」(ドストエフスキー)という思想は、文学における本来の場所(トポス)であると松本氏は言う。

本書の目次

序 痛みとは何か……山田宗睦

第一部 身体の痛み

1 痛みの医学……塩谷正弘
はじめに
(1)痛みの医学 「痛み」という病/ペインクリニック科とは/ペインクリニックがなぜ必要か/ 慢性疼痛とは/痛みを伝える神経/痛みの伝わり方/体内のモルヒネ様物質/痛みとこころ/痛みの治療/ ペインクリニックの歴史/神経ブロックとは
(2)いろいろな痛みの疾患/頭痛と顔面痛/三叉神経痛/舌咽神経痛/側頭動脈炎/群発頭痛/腰下肢痛/ 帯状疱疹/癌の痛み/反射性交感神経性萎縮症/おわりに

2 痛みの看護……石垣靖子
(1)がんと痛み トータルペインとしてのがんの痛み/WHOがん疼痛救済プログラム/ がんの痛みのコントロールの現状
(2)がんの痛みから解放 痛みのアセスメントの重要性/痛みのコントロールの方法/ 多職種によるチームアプローチ
(3)がんの痛みのケアの実際?事例をとおして? 家族主義の中での痛みの治療/ 心理・社会的なケアの大切さ
(4)“希望”を支えるケア

3 私の痛みの記録……多田有季恵

第二部 こころの痛み

1 心因性の痛み……中野弘一
はじめに/痛みと心療内科/痛みの心身医学的なとらえ方/医学的検査で原因不明の痛み/痛みと疾病利得/ 疾病利得による痛みと考えられた症例/思春期の痛み/疼痛管理プログラム/おわりに

2 こころの病とこころの痛み……阪本健二・岩井圭司
隠喩としての“痛み”/痛みの属性/“こころの痛み”の条件/“良心の疼き”/“悩み”について/ “こころの病気”とは/“こころの病気”の諸相/神経症の“こころの痛み”/“こころの病”の限局化/ “こころの病”の分散化/“こころの病気”の“根の深さ”/鬱病の状況因と症状/鬱病の回復と“こころの痛み”/ 躁鬱病における“こころの痛み”と生気障害/精神分裂病における“こころの痛み”1,2/治療について

第三部 社会の痛み<連帯する痛み>

1 水俣の痛み……最首悟

2 国分一太郎と私の痛み……宇佐見承

3 「こどもたちのヒロシマ」と私の痛み……佐々木征夫

4 文学は痛みを癒すか……松本健一

著者紹介

山田宗睦(やまだ・むねむつ)1925年生まれ。哲学者。関東学院大学教授。著書『道の思想史』『花の文化史』『昭和の精神史』『海を恋うこころ』『山田宗睦著作集』ほか多数。日本書紀史注 耳 眼 手 足 くび まち

塩谷正弘(しおや・まさひろ)1945年生まれ。関東逓信病院ペインクリニック科部長。医学博士。日本麻酔学会指導医。日本ペインクリニック学会認定医。IASP(国際疼痛研究学会)設立会員。著書『ペインクリニック-神経プロック法』

石垣靖子(いしがき・やすこ)1938年生まれ。東札幌病院副院長・看護部長。ホスピスケア研究会世話人。日本がん看護学会理事。編著『癌患者の症状コントロール』、共著『癌とQuality of Life』『新・看護読本 からだの科学』ほか

多田有季恵(ただ・ゆきえ)1962年生まれ。2歳半で小児リュウマチ発症。病と闘いながら日本女子大学を卒業し、埼玉県行政職に就く。日本リウマチ友の会会員

中野弘一(なかの・こういち)1954年生まれ。東邦大学大森病院心療内科助教授。医学博士。日本心身医学会評議員・指導医。臨床心理士。共著『心身医学入門』『自律神経失調症』

阪本健二(さかもと・けんじ)1928年生まれ。阪本病院院長。阪本精神病理研究所理事長。京都大学、兵庫医科大学講師。日本精神病院協会理事。国際精神分析学会正会員。著書『人間関係の病』、共著『現代精神医学体系』共訳レイン『ひき裂かれた自己』ほか多数

岩井圭司(いわい・けいじ)1961年生まれ。兵庫県立光風病院医師。日本精神神経学会・日本精神病理学会会員。共著『分裂病の精神病理と治療』2・3・4、『中井久夫共著論文集』

最首悟(さいしゅ・さとる)1936年生まれ。東京大学教養学部生物教室助手。不知火海総合学術調査団団長。著書『生あるものは皆この海に染まり』『明日もまた今日のごとく』『出月私記』『環境汚染へのとりくみ』『水俣の改訂から』、共著『水俣の啓示』上・下ほか

宇佐美承(うさみ・しょう)1924年生まれ。記録文学作家。元「朝日ジャーナル」福編集長・朝日新聞社出版局編集員。著書『池袋モンパルナス』『さよなら日本-絵本作家・八島太郎と光子の亡命』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)ほか多数

佐々木征夫(ささき・ゆきお)1939年生まれ。1980年よりドキュメント番組を数多く制作し、民放祭優秀賞ほか受賞 眼

松本健一(まつもと・けんいち)1946年生まれ。評論家。著書『若き北一輝』『ドストエフスキーと日本人』『死語の戯れ』『三島由紀夫亡命伝説』『昭和に死す』『神の罠』『「世界史のゲーム」を日本が超える』『仮説の物語り』、小説『地にかたちなく』ほか多数 原理主義 中里介山 まぼろしの華 足

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