総合出版・編集プロダクション「ホントに歩く」東海道・中山道

何のための知識シリーズ
足は何のためにあるか

何のための知識シリーズ5
足は何のためにあるか

山田宗睦ほか共著

足は何のためにあるか 表紙画像

発行:風人社
仕様:四六判/上製本/ 290頁
定価:本体2500円+税
1992年12月20日発行
表紙写真 「持国天立像(邪鬼)」(京都・東寺、土門拳撮影)
ISBN9784-938643-07-3 C0010

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人間的な特性は全て足の上に立っている(山田宗睦) 人はなぜ立ち上がったか(岩本光雄) 足はその個体に楽なように歩く(門司順一) 野球スカウトは足を見る(戸部良也) 足踏みは内部の感覚の発見だ(鈴木忠志) 離郷と思郷の近代人の足(松本健一) 物心ついたころ足を手につかっていた(増山ゆかり) 尼崎高校事件とADA(定藤丈弘)

人間的な生き方に足はどんなことを果たしているか。

「足の思想」では、「足こそが、脳=言語の成立をうながしたことを、進化論と漠字の由来をモチーフに考えを巡らせる。
「動物の足」では、進化をテーマに、二手二足類のヒトの足の特徴がよくわかる。ここでは、人類最古の足跡とそこで起こった当時の出来事をイメージする話は大変興味深い。さらに、人はなぜ立ち上がったかという筆者の仮説には迫力がある。
「足の医学」は、人が生まれてから歩くまでの足の発達、足の構造と機能、障害について、やさしく詳述する。
「スポーツ」では、盗塁王の福本豊選手の並外れた足の個性と努力を話題に選手の足作りを紹介。
「足の文法」は、早稲田小劇場創立者である筆者の論文を絶版の好著より転載させていただいた。
「歩く足」では、筆者の著作が、現地を「歩く」ことを基本になされていることがよく伝わる。
「手としての足」では、サリドマイド障害者の「足と生活」を語り、感動的。
自らも車椅子の社会福祉学者である筆者が、基本的人権としての機会平等の思想をADA法を例に語り、翻って日本での場合を尼崎高校事件を例に考察する。


本書の目次

1 足の思想……山田宗睦

2 動物の足・人の足……岩本光雄 動物の足のバラエティ/猿の足、人の足/人はどうして立ち上がったか

3 足の医学……門司順一
はじめに<私にとってのあし・足>
(1)「歩行」のあし 「立つ」そして「歩く」/人における「歩行」の発達/幼児の歩き方は若葉マーク以前の状態/人はその個体にとって「楽なように」歩く/歩行での足の動き/異常歩行と破行
(2)足の機能と構造 「あしは」はなくとも走れる?現在の義足?/ 足の表面解剖と機能解剖/足を動かす筋肉への神経支配/脳からの指令、足の感覚はどのように伝えられるか
(3)「足」のけが・変形・病気 一般的な足のけが/スポーツでのけがの予防/骨折/足の変形/その他の足の病気/足にトラブルを起こす全身性の病気/
(4)あしの障害 あしの切断/両あしの完全マヒ: 対マヒ/脳血管障害によるあしのマヒ:片マヒ/周産期に生じた脳障害によるマヒ:脳性マヒ/その他の障害/おわりに

4 スポーツの足~盗塁王福本豊物語~……戸部良也
スカウトは足(脚)をみる/プロ入りまで/盗塁王の誕生/一流プレーヤーは足から作る

5 足の文法~演劇から見た足~……鈴木忠志
涙ぐましいばかりのモノマネ精神/新劇は足がないからつまらない/地面への親近感を表す動き/地霊のエネルギーをよびだし身につける/足が地についているように見えるために/老化=廊下は足から

6 歩く足、旅する心~穏岐島コンミューンから大菩薩峠まで・私記~……松本健一
地形と地図/穏岐島にて/旅をめぐる回想/方法としての旅

7 手としての足……増山ゆかり
足というもの/足の秘めたる力/サリドマイド/新しい扉/障害を持つこと

8 車椅子の現代社会論~障害児者の機会平等をめぐって~……定藤丈弘
はじめに/米国における障害者の機会平等法/日本における障害者の機会平等?市立尼崎高校事件を中心に?

著者紹介

山田宗睦(やまだ・むねむつ)1925年生まれ。哲学者。関東学院大学教授。著書『道の思想史』『花の文化史』『昭和の精神史』『海を恋うこころ』『山田宗睦著作集』ほか多数。日本書紀史注 耳 眼 手 痛み くび まち

岩本光雄(いわもと・みつお)1930年生まれ。人類学者。京都大学霊長類研究所教授。医学博士。財団法人日本モンキーセンター理事。日本霊長類学会理事。日本人類学会評議員ほか。編著『人類の誕生』、訳書『入門人類の起源』(R・リーキー著)著書『指紋』ほか 手 口 くび

門司順一(もじ・じゅんいち)1949年生まれ。整形外科医。国立療養所西札幌病院医師。日本整形外科学会認定医。日本リハビリテーション医学会専門医。共著『神中整形外科学』『整形外科Mook17』(「先天性内反足」)『図説整形外科診断治療講座19』ほか

戸部良也(とべ・よしなり)1934年生まれ。作家。世界のスポーツの取材に世界各地を歩く。著書『遙かなる甲子園』(正・続)『ハードラックカフェ』『男のマウンド・村田兆治』『甲子園熱血ヒーロー物語』ほか多数 強くて楽しいキューバ 手 くび

鈴木忠志(すずき・ただし)1939年生まれ。演出家。財団法人国際舞台芸術研究所理事長。劇団SCOT主宰。著書『内角の和』『劇的言語』『騙りの地平』『劇的なるものをめぐって』『越境する力』『演劇とは何か』ほか

松本健一(まつもと・けんいち)1946年生まれ。評論家。著書『若き北一輝』『孤島コミューン論』『三島由紀夫亡命伝説』『蓮田善明 日本電設』『我に万古の心あり-幕末半紙小林虎三郎』『秋月悌二郎-老日本の面影』ほか多数 原理主義 中里介山 まぼろしの華 痛み

増山ゆかり(ますやま・ゆかり)1963年生まれ。アジア経済研究所勤務。サリドマイド被害者。サリドマイド福祉センター(財)いしずえ評議委員。北海道立岩見沢養護学校高等部を卒業後、就職で上京。ミスタードーナツ障害者リーダー米国留学研修に参加。

定藤丈弘(さだとう・たけひろ)1942年生まれ。社会福祉学者。大阪府立大学社会福祉学部教授。大阪府社会福祉審議会委員。1976年、交通事故で頸椎損傷、四肢マヒのため車椅子利用。共著『ソーシャル・ワークを考える』『地域福祉講座3』ほか、執筆多数

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