総合出版・編集プロダクション「ホントに歩く」東海道・中山道

BCJAの本
留学経験者が語る英国の学問と生活

BCJAの本 留学経験者が語る英国の学問と生活

BCJA(British Council Japan Association) 著

BCJAの本 留学経験者が語る英国の学問と生活発行:風人社
仕様:四六判 並製本240頁
定価:本体1,800円+税
1999年11月1日発行
ISBN9784-938643-16-4 C0022 P1800E
装幀:大野敏

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BCJAとは?

BCJAとは、ブリティッシュ・カウンシルの援助で英国留学した人たちの親睦会。  本書は、その会員有志約60人が、自分の学問・職業、そして留学生活について語る。英国の文化について知りたい人、英国留学希望者には、なぜ英国を選び、何を学んでくるかについての示唆の多い本である。英国祭98参加出版。

本書の目次

駐日英国大使からのメッセージ……サー・デイビッド・ライト 序文 BC駐日代表……マイケル・バレット

はじめに 英国留学志望の若い友人への手紙……河合秀和

1.英文学とイギリス文化・風土

英文学●イギリス文学とイギリス文化……山内久明
中世学●中世学との出会い……高田康成
英文学●中世英文学をオクスフォドに学んで……安東伸介
演劇●バーナード・ショー登場……島村東太郎
詩●ワーズワースとコールリッジの縁の地を訪ねて……青山富士夫
ケルト伝承●美女「デァドラ」との出会い……三宅忠明
スコッチ●スコッチウイスキーの思い出……山下純宏
建築●スコットランドのパイナップル……山田政通
城と教会●中世イングランドの城と教会……山代宏道
庭園●英国庭園の歴史……赤川 裕
登山●山岳文化を介しての日英交流 ……上田五雨

2.英国と諸学問、そして私のしごと

科学技術●最近の科学技術事情……木村 孟
産婦人科学●産婦人科学と途上国援助……我妻 堯
美術史●日本陶磁史を英国で研究……西田宏子
司法福祉学●裁判所での実務修習と社会福祉……山口幸男
比較教育学●戦後教育改革の日英比較……小林哲也
地質学●地球の過去・未来……岡田博有
原子物理学●伝統ある英国の原子衝突研究……高柳和夫
古生物学●アンモナイトと白亜紀の研究……松本達郎
医学と臨床●学と職と 英国の制度……栗本宗治・洋子
解剖学●見えないものを観る……瀬川彰久
麻酔学●英国での麻酔学研修……菅井直介
医学●赤ちゃんはなぜ生まれてくるか……石原 理
デザイン史学●デザイン史学を日本の学問土壌に……中山修一
教育●地域の生活「を・から」学ぶ……荒井正剛
青少年教育●ボーイスカウトの謎……田中治彦
社会学●グローバル・コミュニケーションを考える……小川葉子
言語学●Word Grammarと言語学の楽しみ……菅山謙正
応用言語学●学際的・超領域的「応用言語学」の面白さ……佐藤茂男

3.英国での研究生活

図書館●ボドリアン図書館の思い出……島根国士
薬学実習●薬学生の留学体験記……天ヶ瀬葉子
古代哲学●個人教授で受けた論文指導……金山弥平
言語学●二度目のイギリス……服部範子
薬理学●BCの手厚いもてなし……千葉元丞
美術館●オックスフォード大学の女性パワーの洗礼を受けて……西田宏子
犯罪学●犯罪研究所の賊……守山 正
英文学●留学、それは自己拡大と客観化のチャンス……山田昭廣
社会人留学●あるBCスカラーの自伝……池龍太郎
船旅と寮生活●土曜日午後の指導とお茶……北垣宗治
英語学●古英語に奮闘した日々……三宅 鴻
コレッジ●「自由と規律」と”Mr. Chips”……田中亮三

4.英国での生活風景

子どもと妻と●失敗もおいしい……中村高遠
交流●ケム川の流れは絶えずして……池島大策
船旅●船旅で実感した「公僕」意識……巽 友正
コレッジ●オックスフォードのコレッジ再訪……広本勝也
車●イギリスでは日本車も故障する!!??…… 平 孝臣
ファッション●バーミンガムレポート……平 久美子
ことば●英語と米語の失敗談……齊藤友博
意志表示●イギリス人は「書いたもの」がお好き?……三好正弘
かけひき●姿の見えない日本紳士たち……古川宣明
感謝●三人の恩師……津山直一
趣味●わが音楽と天文への道……木村精二
つき合い●クリフトンハンプテンで子どもたちと……中井貞雄
精神医学●英国留学と私……荒井由美子
友人●忘れえぬ人……豊田昌倫

BCJAニューズレター……平 孝臣・関谷 透

ブリティッシュカウンシルについて

(本書序文より)

駐ブリティッシュ・カウンシル駐日代表 マイケル・バレット(翻訳 吉田和子)

本書は、ブリティッシュ・カウンシル・ジャパン・アソシエイション(以下省略してBCJAと記す)の会員の方々が、かつて留学先として学び生活した私の国英国に、今でも変わらぬ親愛の念を持ち続けていることのしるしを書き表した文集です。私にとってこのように優れた皆様との親交を得たことは大変光栄であり、ブリティッシュ・カウンシルの駐日代表として、この著書の為に喜んで序文を寄せる次第です。

ブリティッシュ・カウンシルとは
ブリティッシュ・カウンシルは、諸外国と教育、科学、文化面で英国と国際的なリンクを形成することを目的として一九三四年にロンドンに設立されました。運営資金は主として英国政府より支給されていますが、独立した非営利の文化機関です。
日本に於いては一九五三年に初めて事務所を開設しました。現在、事務所は6都市(札幌・東京・名古屋・京都・大阪・福岡)に、英語学校は4校(東京・大阪・京都・福岡)開設するに至りました。日本での最も重要な活動は、留学の機会を求めている学生に情報を提供し、カウンセリングをおこなうこと、又、日英協力により互いに得るところ多々と確信している方々の為に、日英の大学間、及び、個々の専門家との交流の機会を提供することなどです。

日英間の学術交流と友好の伝統
日本で初めて鉄道を敷いた井上馨を含め?長州の五人傑?は一八六四年にロンドン大学のユニバーシティー・カレッジで学びました。ヘンリー・ダイヤーは、今日の東京大学の基礎となった工科大学を開設しました。又、ジョサイア・コンドルは同大学の建築学部を創設しました。このように明治維新、文明開化以後の急速な発展に多大な貢献をした英国人は数え切れません。郵便制度、新聞雑誌の発行、海運業、海軍の創設等様々な日本の近代技術の普及に貢献いたしました。
現在、およそ一四、〇〇〇人もの日本人学生が英国の大学や専門学校で学んでいます。又、英語学校やその他、語学以外の短期コースで学んでいる日本の学生数は一年に五〇、〇〇〇人を上回ります。明治時代に日本にいた外国人の半数は英国人でしたが、今日では、海外で暮らす日本人の数が二番目に多い国が英国となりました。

BCJAとは
ブリティッシュ・カウンシルの奨学金制度は、日本の最も優れた学術研究者を選考し、英国で専門の学問を学ぶ事を奨励するために一九五二年に始められました。
一九六八年にはスワイアー奨学金制度で第1期の奨学生が渡英し、一九八一年には英国の外務省支給のシューベニング奨学金制度が、又、一九九三年には英国の企業により支給されるニュー・センチュリー奨学金制度が始められました。こうした奨学金の支給数は限られている為に選考試験は大変厳しいものです。ブリティッシュ・カウンシル・ジャパン・アソシエイションは難関を通った元留学生の会で、多くの会員が専門分野で指導者となり、日本の社会に貢献しておられます。

留学について
海外で学ぶ日本人留学生の数は、他の先進国に比べるとまだ少数ですが、確実に増えております。 ご存知のように、留学によるおおきな成果の一つは、世界の通商、国際関係、及び、文化交流の公用語となっている英語が習得できることです。また、留学により国際的に認められた専門家から直接学ぶ機会に恵まれることもあるでしょう。しかし、何といっても、この本を読み進まれるに従っておわかりになるように、留学そのものが、自分の知らない世界を探索し、自分の個性を進展させることに他なりません。外国で生活し、外国の文化に触れた経験の有る人は、自信を持つようになり、新しい環境に適応性ができ、広く柔軟性のある心と考え方を身に付け、自分をより良く表現する事ができるようになると思います。経験するすべての事が必ずしも楽しいことばかりとは限らないでしょうが、それすら興味ふかい思い出として残るでしょう。

何故英国なのか
英国は外国から留学生を受け入れる事に長い経験があります。およそ百程ある大学のほとんどが、海外からの学生の為に特別な施設や予備コース(英国では、英国の大学に入学する前の外国人学生を対象に、英語の勉強や専攻分野の基礎的な勉強ができるところがあり、これを予備コースといいます。一般的には高校を卒業していれば応募できます)を設けています。五〇〇年もの古い伝統を誇る大学から、近年開設されたばかりの専門学校、研究所や英語研修にいたるまで、各種様々な実用的な研修コースを選択する事ができます。英国の大学(高等教育制度)は一校を除き総て国立です。すべての大学における教科課程は他の大学により査定され、学問のレベルの平均が保たれています。各大学の研究や教育内容についても、定期的に査定されます。その結果の優劣は、大学運営資金の獲得額や、入学希望者数に大きく影響をあたえています。
このようにしてレベルの高さを確保していますので、英国で取得出来る各種の資格が世界で高い評判を得ているのです。
英国の大学では一年間で修士号を取得できることも、日本の学生にとって有利な点です。英国はまた極めて治安が良い国です。そして、ユーロ・トンネルが出来たことにより、今日、ヨーロッパの諸国により近くなり、活気に溢れた国際的な中心地となっています。

変貌する英国
一九九六年秋に日本の国立大学の学長のグループが訪英されました。その主な目的は、英国の大学が大学間の競争や、政府からの出資の減額などの重圧に如何に対応してきたかを見ることでした。先生方は、英国の大学が革命的といってもよいくらい変わったことに、たいへん驚かれたようでした。
ずっと前に留学されたBCJA会員の方が、ご自分が学ばれた大学をお訪ねになれば、その外観は変わらなくても、内容が変わったことに気付かれるでしょう。実際、頻繁に訪英しておられる人々は、口々に英国の大学は変わった、とおっしゃっています。おそらく、最も重要な進展の一つとして、大学にある研究室の研究レベルが、国際的あるいは全英的な基準でランクづけされるようになった、ということがあげられるでしょう。今、英国の大学は、あらゆる分野を網羅的に研究するのではなく、その大学が重要だと思う分野に重点を絞りはじめています。教育も研究と同様に重要視され、カリキュラム案、教育法、学生の学習達成度などが評価・査定されています。

英国の教育
本書のなかで執筆者達がお書きになられた英国での生活と学びの経験は、私が申しあげるより何よりも興味深く、有意義であります。わずかですが、私なりに述べさせていただきますと、なにをおいても、日本人学生のほとんどが、英国の教育スタイルが日本とあまりに違うので驚くことを、あげたいと思います。学生は教わるのではなく、自分から学び、分析し、討議し、既存の概念に対して新たな疑問を持つことを期待されています。これには、高い志と、考えをまとめる能力が必要です。鋭い質問をする事は、思考力があると認められ、性格の強靱さと批判する能力を備えているとみとめられます。自己を表現することと、優れた発表能力は高く評価されます。日本の学生には、自分に鞭うたねばならない、厳しい勉学環境ですが、しかし、一方で、学生と先生とが大変親しく打ち解けた関係であることに驚かれることでしょう。
英国が個性と創造力を伸ばす事に力をそそいできた結果は、英国がアメリカに次いでノーベル賞受賞者を多く生み出した事で示されるでしょう。そして、そのアメリカでさえ、ノーベル賞受賞者には英国の大学の出身者が多いのです!

日常生活
学生の生活環境は徐々に改善されています。いまだに古く、ひどい宿舎もありますが、殆どの大学が留学生の為に良い施設を設けるようになりました。大学でのレジャーやスポーツや文化的な催しは多く、日本からの訪問客は郊外の自然環境を楽しんでおられます。「英国は美味しい」と題する本が出版されましたが、相変わらず「食事が美味しくない」ことと、悪天候は、英国の神話のようになっています。実際は、殆どの町に様々な国のレストランがあり、「寿司」は「フィッシュ・アンド・チップス」と同じ位に美味しい食べ物として評判になっています。何よりも、英国人は一般的に日本人にたいして友好的で、日本に興味を抱いている人が多いのです。この本で語られるように、?英国流?に適応する事はた易くはないでしょう。しかし、広く暖かい心で接すれば、どんな経験からでも、必ず有益な何かを得ることができるでしょう。

謝辞
元留学生の皆様は、これから留学される皆様に同じような素晴らしい経験を共にしてもらいたいというお気持ちから、本書に素晴らしい個人的な経験談を寄稿されました。寄稿者の皆様の暖かい努力にたいして感謝の意を表したいと思います。英国留学を目指す若い方々が皆様のご意志を必ず継いでくださることと確信しております。BCJAは日本全国に約850人の並外れた優秀な会員を持つ協会であります。特に委員の皆様の弛まぬ努力により、30年以上も存続し、発展してまいりました。委員で、本書の編集長である瀬川彰久先生のご提案により出版が実現いたしました。この本の礎にはBCJA会員相互の通信紙「ニューズレター」があり、編集委員長兼副会長の平孝臣先生のご尽力で発行しています。又、会長、中村高遠先生のご助言とご協力により本書は英国祭UK98参加著作と認められました。ここに賛辞を呈するものです。

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