2023年のNHK大河ドラマは「どうする家康」。ドラマで家康はどこにいたか? 出来事の場所は地図上のどこで、どんな地形か? 東海道は家康が定めた五街道の一つ。家康の関連史跡も多くあり、ウォークマップ『ホントに歩く東海道』でその場所を確かめることができます。マップで確認できれば、よりドラマを楽しめ、興味が湧きます。せっかくなのでドラマに沿いながら、マップに出ている範囲ではありますが、参考個所をご紹介していきます。私たちも「あそこがそうだったのか!」と再発見があり、楽しい作業です。マップを持って、ぜひ訪ねてみてください。
第3回「三河平定戦」とかかわりが深いもの
第3回目は苦しい戦いの回でした。3名(於大、亀姫、酒井忠次)の人物に焦点を当てました。ちょっとマニアックですが、意外な繋がりが面白いです。
1.元康(徳川家康)の生母・於大(おだい)
ドラマの第3回目では、元康が生母・於大と再会します。
於大の墓所は、小石川の傳通院(東京都文京区)が有名ですが、千葉県野田市と三重県桑名市にも菩提寺があります。どちらも「光岳寺」という名で、彼女の法号「伝通院光岳蓉誉智光大禅定尼」の「光岳」に由来します。
元康の父から離縁された於大が結婚した久松氏との間に産んだのが、後の松平康元です。初代関宿(せきやど)城主になった時、領内の寺の一つを「光岳寺」と名前を変え、母・於大の菩提寺としました。これが野田の光岳寺で、於大の遺骨は小石川傳通院に葬られましたが、こちらにも「御歯骨」が奉納されているそうです。
その後、康元の孫の康尚が伊勢長島藩に移封され、光岳寺も長島城下に移りましたが、元の寺も関宿藩に残りました。於大の仏が今も祀られています。
松平家を離縁された於大は、我が子である竹千代(家康)を育てることが出来ませんでしたが、於大の実母、竹千代の祖母である源応尼(げんのうに)が駿府(静岡市)に入り、今川義元の許しを得て元服まで竹千代を養育しました。源応尼の墓所は、華陽院(静岡市)にあります。
★光岳寺 別冊佐屋街道Map4 D30
関西本線長島駅・近鉄長島駅近く。周囲には長島城址ほか、一向一揆関連の史跡が多い。
★華陽院 第6集 MapNo.22 B13
「華陽院」は源応尼の法号。源応尼のほか、幼い頃に亡くなった家康の娘市姫や側室お久の方の墓もあり、住職は家康の師でもあった。家康ゆかりの寺であり、参勤交代の大名は必ず参詣したという。
★龍拈寺 第9集 MapNo.36 A15
華陽院の画像を所蔵。
2.家康の長女・亀姫
家康と瀬名(築山殿)の長女・亀姫は、長男・信康の年子の妹で、「桶狭間の戦い」の年(永禄3=1560年)に誕生しました。
亀姫の菩提寺は、岐阜の光国寺です。中山道加納宿にあります。亀姫は加納御前と呼ばれ、ここで生涯を終えました。
★光国寺 中山道 第4集 MapNo.16 A6
文化財として岐阜県指定の絹本著色亀姫像がある。
3.徳川四天王・酒井忠次
「どうする家康」では、何かというと「エビすくい」を踊りたがる面白おじさんですが、家康の義理の叔父にあたり、松平郷譜代といわれる最も古くからの家臣たちの中でも筆頭の存在です。
★吉田城 第9集 MapNo.36 A12
今川義元が三河支配の拠点としていたが、「桶狭間の戦い」後に徳川家康の支配下におかれ、永禄8年(1565)、酒井忠次が城主となる。城の拡張や城下町の整備を行った。
★安久美神戸(あくみかんべ)神明社 第9集 MapNo.36 A18
吉田城の中にあり、酒井忠次らが社殿造営にあたった。
毎年2月に行われる「鬼祭」は平安時代から続く神事で国重要無形文化財。赤鬼が天狗に退治されて撒き散らすタンキリ飴の白い粉がすごい。
★旧見付学校と伝酒井之太鼓 第8集 MapNo.29 C35
現存する日本最古の小学校。三方原合戦の時に酒井忠次が浜松城で打ち鳴らし、家康の窮地を救ったと伝わる「伝酒井之太鼓」が伝わる。明治時代、登校の合図や正午の時報として、打ち鳴らされていた。
今回の特に関連マップ
『ホントに歩く東海道』第6集 江尻~藤枝
『ホントに歩く東海道』第8集 袋井~舞坂
『ホントに歩く東海道』第9集 舞坂~御油(新小田渕)
『ホントに歩く東海道』第10集 御油~岡崎(新安城)
『ホントに歩く中山道』第4集 垂井〜新加納
『ホントに歩く東海道』別冊佐屋街道 熱田~桑名
ホントに歩く東海道について
https://www.fujinsha.co.jp/books/h/t/toukaido/
佐屋街道とは
https://www.fujinsha.co.jp/books/h/t/toukaido/about-sayakaido/
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