2023年のNHK大河ドラマは「どうする家康」。ドラマで家康はどこにいたか? 出来事の場所は地図上のどこで、どんな地形か? 東海道は家康が定めた五街道の一つ。家康の関連史跡も多くあり、ウォークマップ『ホントに歩く東海道』でその場所を確かめることができます。マップで確認できれば、よりドラマを楽しめ、興味が湧きます。せっかくなのでドラマに沿いながら、マップに出ている範囲ではありますが、参考個所をご紹介していきます。私たちも「あそこがそうだったのか!」と再発見があり、楽しい作業です。マップを持って、ぜひ訪ねてみてください。

第2回「兎と狼」とかかわりが深いもの

「どうする家康」第2回は、主に二つの場面で構成されています。

幼い竹千代が想定外の成り行きで尾張の織田信秀に捕らわれ、命は助かるものの、信長(とヤンキーグループ?)による恐怖の日々を送らねばならなくなった経緯が、回想という形で描かれました。

その信長との出会いの地は、お伊勢詣りとともに「津島かけねば片詣り」といわれた津島(愛知県津島市)です。

津島神社

そして大高城から岡崎へ向かった元康(家康)が逃げ込んだのが大樹寺です。
大樹寺は、閂(かんぬき)の出番がなかったのは残念でした。(閂〔貫木〕については、「ホントに歩く東海道」第10集Map40のコラム参照)。登誉(とうよ)上人の「厭離穢土欣求浄土(おんりえどごんぐじょうど)」の説話ではなく、家康が自ら覚醒するという描かれ方でした。

大樹寺

そして大樹寺は、徳川四天王のうち3人が出会う場にもなりました。
その一人、本多忠勝は、ほとんどサブ主役。幼い時に父・忠高は、安城城をめぐる織田vs今川・松平の戦いで討死し、それで叔父・忠真(波岡一喜さん)によって養育されました。

以下に、『ホントに歩く東海道』の関連箇所を挙げました。


★津島神社 別冊佐屋街道 MapNo.3 A⑧ 
津島神社門前で売っているお菓子「あかだ」と「くつわ」は、悪病退散を祈願した弘法大師の考案とされるが、恐ろしくかたい。

あかだ・くつわ

★天王川公園・津島湊跡 別冊佐屋街道 MapNo.3 A⑭
詩人ノグチヨネ、尾州毛織物の祖・片岡春吉、癌研究の権威・杉浦兼松の顕彰碑もある。

津島湊

★津島市観光交流センター 別冊佐屋街道 MapNo.3 A⑮
旧津島信用金庫本店の建物にある。

津島市観光交流センター

★徳川家康幽居地の碑 第11集 MapNo.44 A⑤
熱田神宮の参詣者の禊ぎ場「鈴之御前神社」A④の裏。
わずか6歳の松平竹千代が、今川氏へ人質に出される途中に戸田康光により奪われ、尾張の織田信秀(信長の父)のもとへ送られた。熱田の加藤図書助順盛に預けられ、2年間幽居した場所。
しかし、今回の大河ドラマ考証など最新の研究(『青年家康』柴裕之、角川選書)によれば、戸田はこの頃すでに今川に降伏していたことなどから、戸田の関与はなかったのではないかとされる。もともと今川に差し出すはずの竹千代を、結果的に織田にやられた経過はあったが、江戸時代になってからドラマチックな話が作られた(家康本人もそう語っていたともいわれる)と考えられるという。
加藤家は伊勢から熱田に移住し、沿岸部の開発や町の造成に貢献した有力商人。織田信秀から免税などの特権を得て活躍していたので、竹千代の監視・養育係を務めたと思われる(『青年家康』)。

加藤図書屋敷跡 家康幽居地

★コラム40「大樹寺」 第10集 MapNo.40 
徳川家の菩提寺。マップの範囲外だが、バスなどを利用して訪れる価値がある(東岡崎駅より15分、大樹寺バス停下車徒歩10分)。宝物殿の徳川家等身大位牌は圧巻。

★岡崎城(岡崎公園) 第10集 MapNo.40 A⑫
家康生誕地。復元天守閣、三河武士の館家康館、家康の産湯井戸、えな塚など家康だらけ。公園にはさまざまな家康像がある。

岡崎城
ホントに歩く東海道 11集

今回の特に関連マップ
『ホントに歩く東海道』第10集 御油~岡崎(新安城)
『ホントに歩く東海道』第11集 岡崎(新安城)~桑名

ホントに歩く東海道について
https://www.fujinsha.co.jp/books/h/t/toukaido/