大山街道では珍しい!up・downもない ほぼ一直線ルート

みなさん、こんにちは。
最初の開花予報がはずれ、なんだかいつまでも寒いですね。
でもこのくらいで4月に入って咲き出す方がいいかな!

さて、今回は珍しく一直線のシンプル・ルート。
前回の小田急線「鶴間駅」から座間市へと入り、相模鉄道本線「さがみ野駅」までです。

*因みに、各スケッチはクリックすると拡大で見られますよ。

*ウォークマップ大山街道/鶴間駅ー矢倉沢往還碑ー下鶴間桜森線ー矢倉沢往還碑ー泉の森公園ー西鶴寺ー辰街道標柱ー大山街道碑ー東原桜並木ー大塚宿標柱ーさがみ野駅

大山街道スケッチ紀行9日目 マップ

大和市から座間市へ、いざ!

前回街道名で、矢倉沢往還とは・・・というお話しをしましたね。
今回は、その矢倉沢往還大山街道の解説碑がいくつか登場します。

最初は「下鶴間桜森線」、横にはこの道は矢倉沢往還と呼ばれ・・・と記載されています。

大山街道スケッチ紀行9日目 矢倉沢往還碑

その先、歩道橋の下にひっそりとあるのが「矢倉沢往還碑」
先ほどとは違って御影石を使っているのが珍しいですが、全国の「大和」と名のつく市町村で構成する“まほろば連邦”の加盟国である茨城県大和村より産出されている御影石だそうです。

今日のコースはほぼ一直線。アップダウンもなく、歩きやすいと言えばそうなのですがちょっと変化に欠けたルートではあります。
景色もあまり代わり映えしないので、少々飽きてしまうかもしれませんが頑張って行きましょう。
途中森永の工場があり、懐かしい「チョコモナカ ジャンボ」の看板が堂々とありました。

大山街道スケッチ紀行9日目 チョコモナカジャンボ

それを過ぎると「泉の森入口」の看板が見えますので、ここを左に入って「泉の森公園」へ寄っていきましょう。

大山街道スケッチ紀行9日目 泉の森看板

「泉の森公園」は相当広く、引地川の水源地でもあるので豊かな自然と水鳥が多くいます。
面積約42ha、900種に及ぶ植物をはじめ、四季折々の生きものの自然観察と、水・森・花に触れあう“ふれあいの森”など、すぐ傍を車が行き交うR246が通っているとは思えないほどの豊かな憩の場です。

大山街道スケッチ紀行9日目 泉ノ森かけはし

郷土民家園、ふれあいキャンプ場、しらかしの家、水車小屋と緑のかけ橋などの各ポイントも充実しています。ゆったりと時間をかけて訪れてみてください。

さぁ、ではまた元の道へと戻りましょう。
Y字路になった「大和斎場入口」交差点付近に「西鶴寺」が見えてきました。
この右側が大山街道で、少しだけ下りになっています。

大山街道スケッチ紀行9日目 西鶴寺

「西鶴寺」は日蓮宗のお寺、その角には「矢倉沢往還碑」があります。

このまま進むとR246にぶつかるのですが、本書「ホントに歩く大山街道」とそのMAPには大山街道が分断している地点と出ています。
これは、このR246の新道が突っ切ったために、一直線になっている大山街道が分断されてしまったということです。
ここを渡るには、「相模向陽館高校」という交差点まで大きくU字型に迂回しなければなりません。
主要道を通すために古道は犠牲になってしまった!わけですが、普通に信号機を付けて貰えば何ら問題ないのに、ここは遮音壁?のような壁で目の前のR246とは分離されています。
あららぁ〜ですけれど、渡れないものはしかたないので先の交差点まで行くとしましょう。

U字型迂回後、大山街道を進むと変形星形・・・五叉路に出ます。
先ほどのR246を渡って、そのまま直進してもここに出ますけれど、その右側の角に「辰街道標柱」が立っています。
本書「ホントに歩く大山街道」では、この標柱を取り上げていませんが、辰街道をちょっとご案内したいので立ち止まってみてください。
大山街道辰街道の交差するところなので標柱には両方の名前と道の解説も書かれています。

辰街道とは、相模原市の橋本から市内の東側・淵野辺、相模が丘、小松原、ひばりが丘を通り、海老名市、綾瀬市、大和市を経て藤沢に至る道です。この広大な相模原台地は平らで、ほとんど坂や橋がないことが特徴で「八里橋なし九里坂なし」といわれているのだそうです。
辰街道の起こりは江戸時代中頃と伝えられ、市の北端から南東(辰巳)の方角へ向かうことに由来するようです。

大山街道スケッチ紀行9日目 辰街道

辰街道を歩くと、北北西から南南東への傾きで土地割りもされているようですから、やはり道は歴史と人の暮らしが直結しているわけですね。

大山街道に戻りますが、ここからも一本道のまっすぐな街道が続きます。
「さがみ野二丁目」の交差点まで来ると、ここにも「大山街道碑」があり、この間の大山街道は座間市と海老名市の市境線にもなっています。

もう少し行くと「東原桜並木」と交わりますが、残念ながらさくらの季節ではなかったので、今回はそのままスルー。
「さがみ野駅入口」交差点を左へ行くと今回の終点「さがみ野駅」(相模鉄道本線)に着きます。

この交差点に大塚宿の解説がある標柱がありました。
大塚宿はさがみ野商店街の大塚本町交差点辺りにあったそうで、いろいろな店に旅籠、木賃宿などがたくさんあり賑わっていたそうです(次回のコースで通ります)。

さぁ、今回はいつもに比べると平坦な一本道でしたので、疲労度も少ない・・・ですが、やっぱりお腹は空きます。
電車に乗る前に「さがみ野駅」近く、「東原桜並木」方面においしそうなパンの香りに惹かれて行ってみました。
みつけたのが「oji pan オジパン」
なんだか面白い名前ですが、とにかく良い匂いにキュンとなったわけで、ドアを開けてみました。

大山街道スケッチ紀行9日目 オジパン

こじんまりとした店内ですが、魅力的なパンがいっぱい並んでいて・・・いやぁどれにしようかな! シンプルに美味しい、毎日食べても飽きない、老若男女に親しんで貰えるパン屋をめざしているとのことです。粉からパンをつくり、ゆっくり発酵させて口溶けのよいパン、手のかかる下ごしらえもすべて自店での手づくりです。どうぞ、お試しください。

と、美味しいパン屋さんをご紹介したところで今回は終わり。
次回は、「お銀さまの道」を通ってお銀さまの墓へ回りながら「海老名駅」まで行きます。

次回スケッチ紀行は10日目。
「さがみ野駅」から「海老名駅」へ向かいます。お楽しみに!
みなさんのご意見・ご感想もお待ちしています。

岡本和泉/Izumi Okamoto

さまざまな「デザイン」を通して、社会や地域、環境、食、観光、ものづくり、文化などをつなぎ 新たな展開をするプロデューサー&クリエイター。 2015年からは”暮らしのデザイン”の一部として、地域に密着し日々の楽しさを広げる 地域独自のイベントや企画、地域活動も手掛け、長年住む世田谷の文化や知的資源、 自然を活かした地域ツーリズムなども多く開催している。
http://www.imincosmos.com https://www.facebook.com/Setayui/

2022年8月、新たに合同会社Produce any Colour TaIZを設立。従来の企画デザインやプロデュース業などに加え、画像技術による画像処理分野に手を広げ、文化財や古い写真の修復・保存、天文写真再現、画像技術開発、講座なども展開する。
https://taiz.jp

【参考図書】
中平龍二郎著『ホントに歩く大山街道』(2007年、風人社)
改訂新版ウォークマップ『ホントに歩く大山街道』(2021年、風人社)
中平龍二郎+編集部著『キャーッ! 大山街道!!』(2011年、風人社)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: ooyamacv-108x150.jpg
ウォークマップ ホントに歩く大山街道
キャーッ! 大山街道!!