R246が見え隠れするルート、旧道はなかなか残らず

みなさん、こんにちは。
ようやく秋らしく爽やかな風が心地よい日々となりました。
あの暑かった夏のことは、すっかり忘れてしまうのですから人とはホントに都合の良いいきものです。

では、スケッチ紀行 前回ご案内した6日目の行程その2。
「大難の辻」から先へ進み、目的の「田奈駅」まで行きます。mapにある別途「公園を歩くコース」へは行かないことにしました。公園もよさげなので、体力に自信のある方はぜひ!

*因みに、各スケッチはクリックすると拡大で見られますよ。

*ウォークマップ大山街道/一里榎ー小代官の家跡ー医薬神社ー藤が丘ゴルフ場ー坂のピークー若野ー藤が丘駅ー再勝橋ーつつじヶ丘第二公園-(青葉台駅)ー榎田橋ー日本料理店青柿ー恩田配水池ー田奈町東側交差点ー田奈駅

大山街道 スケッチ紀行15

またまた のぼり・くだりが続く

「大難の辻」を進むと住宅街にはいりますが、この一画のあるお宅。
一瞬見落として通り抜けてしまうので要注意。私たちも振り返って発見!したのが「一里榎」
樹齢は600年以上というので・・・足利義満が死去し足利義量が第五代将軍に就任した頃、つまり室町時代ですね。いやいやこれは逞しい!
中側が空洞になっているのは、明治時代に火災に遭ったためとはいえ樹の生命力とは凄いものです。

大山街道 一里榎木 小代官の家

その先の角は「小代官の家跡」だったのだそうですが、流石にそれらしきものは何もありません。
ただ広い土地があるので、ここかしら?
代官に代わってことを行う小代官かと思えば、本書『ホントに歩く大山街道』には屋号だとのこと。
紛らわしいですが、いずれにしても古くからこの地に住んでいたということですね。

行き止まりを左に曲がりテニスコートの角を右、上り坂をあがっていきます。
すると「医薬神社」(東光寺跡)が見えてきます。*東光寺は柿で有名な王禅寺の末寺です。
天正年間(1573~1592)に創建した医王山薬王院東光寺に境内社として創祀したといいます。
明治初年の神仏分離令の際、寺を廃して「医薬神社」となりました。境内には鐘楼が残っていますから、やはり昔は寺だったということがわかります。

大山街道 医薬神社

祭神は医薬に関わる大国主神と少彦名神。珍しいこの医薬という呼称は、ほかに秋田にひとつあるらしいです。
鳥居からはずっと奥の方に祠があり、双体道祖神や地神等、大師坐像、五輪塔などが祀られています。区画整理の後にこちらに移されたようです。
この中の大師坐像の台石には「左大山道」とあります。

「医薬神社」から目の前の道を渡り緩い坂を進みます。
今回のコースはマップを見ると、ところどころに旧道があるものの、家々が建ったり道が変わってしまったりで、残念ながらなかなか旧道そのものを歩くことができません。
そして今進む一帯は、どう見ても当時は山道だったろうと想像できます。「大難の辻」から段々上がってきた尾根道は、「藤が丘ゴルフ場」の先辺りでついに「坂のピーク」となります。

さて、ピークに来たらあとは下り坂です。
ドンドン下がってどんつきまでいけば、ちょっと休憩 美味しい和菓子が待っています!!

大山街道 尾根

それは、「若野」という和菓子屋。
ちょうど大好きな栗の季節なので、栗を目当てに足早に下っていきます!

大山街道 若野 藤が丘

「美味しい餡つくりは、美味しい和菓子づくりに通ずる」を信条に、厳選した素材、アルカリイオン水を使って餡をつくっているというこだわり。
はい、待っていました!栗のお菓子いろいろがショーケースにはたくさん並んでいます。
みなさんもどうぞお好きなお菓子を旅のお供に!!

いくつか栗のお菓子を買って大満足。コースは「若野」から右の角を行きますが、ここらで腹ごしらえしようとそのまま直進して「藤が丘駅」周辺まで行くことにしました。
ところが、R246にぶつかる手前に 古民家風でいい雰囲気のイタリアンレストランをみつけたのでお腹の空き具合から即決。

大山街道 CinCin

そこが、藤が丘のカジュアルで陽気なイタリアン「Trattoria Cin cin」
Trattoriaとはイタリアの食堂のこと、気軽にどなたでも立ち寄れ楽しくおいしい時間を過ごしてほしいというのがモットーだとのこと。
古民家を改造しただけあって、とても落ち着きもあります。毎日変わる新鮮な魚貝メニューが黒板で案内されているので、さぁて今日は何にしましょう!とウキウキ。
お腹も気持ちもいっぱいに、本当に満足なランチタイムでした。

大山街道に橋が架かる!

「Trattoria Cin cin」を出てしばしR246と平行に進み、R246上に架かるアーチ型の「再勝橋」へ。
この橋は、R246を通るときにもよく目に入ります。
竣工は1964年(昭和39)11月26日、東京オリンピックが開催された直ぐ後ですね。アーチタイプの橋は当時としてはとても珍しく、斬新なデザインだったといいます。
もえぎ野からつつじヶ丘への尾根道を切り通して架けられたのですが、その尾根道にサイカチの木があったことから名前がつけられたそうです。

大山街道 再勝橋

まさにその尾根道が大山街道というわけです!
この辺りも、先ほどの「坂のピーク」のように鬱蒼として昼でも暗く、危険なところだったらしいです。それこそ、追い剥ぎでも出たかもしれません。
こんなに住宅が建ち、車もビュンビュンと通るようになったとは!変われば変わるものですねぇ。

「再勝橋」を渡り、つつじヶ丘へと入って来ました。
しらとり台保育園を目印に右へ曲がって下ると「つつじヶ丘第二公園」。結構大きな樹木に囲まれ遊具もいっぱいある公園は、子ども達の元気な声が響いていました。
そのまま行くと、今度はつつじヶ丘第三公園です。この辺りはつつじヶ丘第一公園を中心に放射状に大きなマンションや戸建てなどの住宅がたくさん広がっていて、公園もまたその間にいくつも造られています。迷路とまではいきませんが、初めて来るとちょっと迷いそう!どこを歩いているのかわからなくなってしまいそうだからです。
そこですぐ思い出したことがあります。

私が大好きな絵本作家・杉浦範茂の作品に『やくそく』というのがあります。ある小学校に通う仲良し・あきらくんとこうじくんは、学校から帰ったら公園の木の傍で待ち合わせて遊ぼうと指切りげんまんをしたのですが・・・ここで事件が起こります。
あきらくんは公園の傍に住んでいます。こうじくんも公園の傍に住んでいます。
というわけで、どんなことが起きたか?想像できますでしょうか。興味があったら、ぜひ読んでみてください!

ここから田奈へむかって、またのぼりくだり

つつじヶ丘第三公園を右に折れて、今度はR246をくぐります。今回のルートは何度となくR246を右に左にと行くので、大山街道R246の関係がわかりますね。付かず離れずってわけで、ある関係と似ています。
青葉台交差点を左へ曲がりますが、反対へ行けば「青葉台駅」

そしてまたR246方面へ行き、ぶつかるところで右へ折れると「榎田橋」
片側が暗渠のためあまり橋という印象はなく、単純なガードレールがあるって感じですから見落とさないでくださいね。

大山街道 榎田橋

下を流れる川はしらとり川。後日立ち寄る「神鳥前川神社(しとどまえかわじんじゃ)」に由来すると本書『ホントに歩く大山街道』では解説されていました。
そして大きなカーブを描く坂を下ると、R246がすぐ横に見え日本料理店「青柿」にぶつかります。

大山街道 青柿

この店もR246を走っていると目につくもので、毎回気になっていました。
「藤が丘駅」近くのCincinでたっぷりランチを頂いたので、実際にはこちらへ寄ることなく先へ進みましたが、旬のものを取り入れた日本料理はとてもキレイで美味しそう。
本格的なコース料理、ランチタイムにはお得感のある御膳やお弁当があるようです。
落ち着いた純日本風の家屋がいいですね。いつか入ってみましょう!

店の塀に沿って歩くとR246から1本中へ入った道になります。
ここから更に下っていけば、「田奈駅」までもうすぐ。
本来はまたR246の際へと出て別のスポットがあるのですが、流石に疲れましたから、そこへは次回、「田奈駅」からスタートするときに行くとしましょう。

その前に、この坂を行くと右側に「恩田配水池」が見えてきます。

大山街道  恩田配水池

下から見あげるだけなのでどうなっているのかわかりません。後でGooglemapの航空画像検索で確認すると、池はむき出しになっておらず(まぁ当たり前か!)、広大な面積にみどりも生い茂るといった施設でした。
この先にあるのが「田奈町東側交差点」
先に書いたように、この道は玉川学園からR246へ出る裏道なのでよく通るのですが、車だとわからなかったベンチのある自販機コーナーを発見!水筒のドリンクも少なくなってきた上に足も疲れたところでNiceな休憩ポイントとなりました。
なんでもない所なのですけれど、実にありがたかった!わけで、歩かないと距離も、アップダウンも、こんな普通の日常風景もわからないものです。

束の間の休憩タイムに元気を取り戻して、目指すは「田奈駅」
というところで、今回のご案内は終わりです。さぁ、もう一踏ん張り おうちへ帰るとしましょう!

次回スケッチ紀行は7日目のその1
「田奈駅」を出発して今回寄れなかった所と「神鳥前川神社」を回って、「長津田宿」へと向かいます。
みなさんのご意見・ご感想もお待ちしています。

岡本和泉/Izumi Okamoto

さまざまな「デザイン」を通して、社会や地域、環境、食、観光、ものづくり、文化などをつなぎ 新たな展開をするプロデューサー&クリエイター。 2015年からは”暮らしのデザイン”の一部として、地域に密着し日々の楽しさを広げる 地域独自のイベントや企画、地域活動も手掛け、長年住む世田谷の文化や知的資源、 自然を活かした地域ツーリズムなども多く開催している。
http://www.imincosmos.com https://www.facebook.com/Setayui/

2022年8月、新たに合同会社Produce any Colour TaIZを設立。従来の企画デザインやプロデュース業などに加え、画像技術による画像処理分野に手を広げ、文化財や古い写真の修復・保存、天文写真再現、画像技術開発、講座なども展開する。
https://taiz.jp

【参考図書】
中平龍二郎著『ホントに歩く大山街道』(2007年、風人社)
改訂新版ウォークマップ『ホントに歩く大山街道』(2021年、風人社)
中平龍二郎+編集部著『キャーッ! 大山街道!!』(2011年、風人社)

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ウォークマップ ホントに歩く大山街道
キャーッ! 大山街道!!