昨夜遅くに帰宅すると、戸部良也さんの訃報が届いていました。 衆議院議員選挙で民主党の大敗北結果が報道され始めていました。
風人社の何のための知識シリーズ『手は何のためにあるか』(1990年発行)の編集で、どんなジャンルからのアプローチを試みようかと模索していたとき、偶然立ち寄った図書館で、村田兆治著『右腕の傷あと』(マガジンハウス)の本を手にしました。
村田投手は1982年、右肘故障で再起不能と言われていましたが、当時はまだ日本では認められていなかった肘の外科手術をアメリカのジョーブ博士に托し、無事成功して、1984年に奇跡の投手復活をしました。
特に村田選手のファンでもなく、プロ野球それ自体の熱烈なファンでもなかった私が、なぜか村田投手の復活試合のテレビ中継を見ていて、多分当時気弱になっていたのでしょうか、一球一球の投球と、そのアナウンサーの感傷的解説に涙ボロボロしてしまったのでした。
そんなこともあって、村田投手の本の文章一節が、これこそ『手は何のためにあるか』のテーマにぴったりだったと思ったのですが、もちろん同じ内容を村田投手にお願いすることなどは不可能です。 そこで、その文章の引用転載を発行元のマガジンハウスにお願いしたのでした。
そしたら、新刊だったこともあって、転載許可は無理だけれども、じつはこの本にはスポーツ作家が協力しているので、その人を紹介してくれるという、とてもご親切なご提案をいただきました。それが、弊社が戸部さんとお付き合いさせていただいたきっかけになりました。
当時、戸部さんはすでに『遙かなる甲子園』というベストセラー本のある著名なスポーツ作家でしたので、緊張して原稿依頼を差し上げたのを思い出します。村田投手については、その後、戸部良也著『村田兆治 男のマウンド』が出版されています。
その後、戸部さんとは、弊社続刊の『足は何のためにあるか』を始め、他社版元の『燦めいた男たち』(ニュートンプレス)、『熱将 星野仙一』(KTC中央出版) という本の、企画・責任編集をさせていただきました。
『強くて楽しいキューバ』は、弊社が版元になりました。その出版記念に戸部さんと編集部で、珍しいキューバ料理店でテキーラで乾杯したことを思い出します。
いつもいっぱいの企画書を抱えておられましたが、今年、かねてから念願のスコアラーの本『ID野球の父~プロ野球に革命を起こした「尾張メモ」再発見』(ベースボールマガジン社)を出されて、本当に良かったと喜びました。
腎臓透析で週何回も病院通いをされていましたが、お電話でお話するといつも元気いっぱいのメリハリのあるお声に元気づけられました。つい先日も、『強くて楽しいキューバ』の著者購入のお電話があったばっかりでした。
今夜、お通夜に行きます。その前に少し思い出をメモしました。
2012年12月17日 (Mon)FC2ブログ 風人社OHの編集手帳からの転載
【戸部良也さんと弊社の関連書籍】
何のための知識シリーズ3『手は何のためにあるか』
何のための知識シリーズ5『足は何のためにあるか』
『強くて楽しいキューバ カストロの国の体験記』



