芝浦の地名は、芝浦の海の名残。ここは、明治の初めは海でした。ここのことは、『ホントに歩く東海道』第1集のマップNo.1に書きました。特別なこだわりがあるわけではありませんが、東海道を歩き始めて、地形的に初めて「おやっ」と思った場所でした。
日本橋を出てまっすぐな東海道は、浜松町1丁目の交差点でゆるく左にカーブしたあと、金杉橋を過ぎて、芝四丁目交差点で、今度は「おやっ」と思うほど、右(西南)へ大きく曲がります。じつは、このカーブは、かつての海岸線に沿っているからです。
東へは、「海岸通り」という標識があって国道130号と示されています。明治13年(図・中)と明治42年(図・下)の迅速測図には、この道は、まだありません。ここは、海でした。出来たばかりの鉄道東海道線は、まるで海の中を走るように、海岸線ぎりぎりです。明治42年図には、重箱堀ができています。
この交差点を海岸通りの方へ左折し、JRのガードをくぐると、調査当時は、目の前に囲いがありました。地形図を見ながら、その囲いの向こうをのぞきたいと思いました。すると、しっかりと海の痕跡が見えました。それが、写真の重箱堀です。
こういう寄り道も面白いと思います。
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