(こ)記
須原宿は中山道の宿場で、江戸から39番目にあたります。
西から来ると、曲尺手を曲がった瞬間に広い通りが開け、正面に中央アルプスの山が聳え、おおっという感じになります。
須原宿は、江戸時代初めの中山道制定時には木曽川岸の低地にありましたが、18世紀初めの土砂崩れで宿場が現在地の高台に移転となりました。
木曽氏の支配のもと、戦国時代から栄えた町でしたが、宿場の移転の際、
・道幅を広くする、
・道の真ん中に宿場用水を設ける、
・家々の間に排水溝を整備、
・裏山から湧水を引いて七か所に井戸(水場)を設ける
・宿場の入口に枡形(曲尺手)を設ける
・宿場は緩やかな「く」の字型に折れ曲げさせる
など、他の宿場のいいとこ取りをした宿場づくりを行い、中山道69次の中で最新の宿場となりました。
今も、湧水の井戸から水が湧き、須原は「水舟の里」と呼ばれています。
個人的には、「本陣」という(本陣家ではない)食堂がおすすめです。
国道沿いで営業されていて、ある意味、江戸初期の中山道に近い場所です。
店内に池もある大きなお店で、昔は結婚式も行っていたそうです。多賀大社の御分霊を祀り、神主さんを呼んで式を挙げていたそうです。
須原宿も含めた『ホントに歩く中山道』第8集が2020年3月13日に発行予定です。