『ホントに歩く東海道』第15集が品切れとなって、増刷しなければならなくなりました。東海道シリーズは、別冊を除く全17集の定価が1080円(本体価)です。増刷は、この定価のままだと、発行自体が赤字となってしまいます。もとから、制作取材費などを含めた原価計算があまり合理的ではない厳しいものでした。それで、すでに品切れになっている別冊「佐屋街道」は、現在、増刷保留のままになっています。

 昨今の物価上昇は時代を画するほどで、とりわけ運賃などの流通経費の上昇負担で、商売としてはさらに厳しい状況となっています。書籍は、公正取引委員会の再販売価格維持商品で、自由に値上げはできません。

 東海道第15集は、全集揃いでなければならないので、増刷を避けることはできません。それで、新訂版として、定価を改定して発行することにしました。初版からは地図情報が古くなって現在と違ってきた個所も多く、可能な限り新情報に修正しました。そのうえで、初版当時の情報として当時の写真など、期せずして味のある記録を留めた個所もあります。新訂発行の編集発行作業は、弊社にとってもとても意義深くて楽しい作業でした。

 2刷、3刷での増刷は他の集にはありますが、新訂としての増刷はこの第15集が最初で、続いてのこれからの増刷も同じように新訂発行になります。その最初が第15集だったのは、ラッキーでした。第15集の京都三条大橋は、東海道53次のゴール・スタートの起終点だからです。新シリーズ新刊発行のような気分にもなります。

 それから、作業をしていて、このマップの新たな魅力を見つけました。それは、特にマップNo.60の「大和大路」は、八坂神社、豊国神社、東福寺、伏見稲荷などを通過する京都南部の観光ガイドにもなっています。しかも、バスや自動車などで点を巡るのではなく、歴史街道を歩いて巡るという、街道ウォーカーにぴったりのガイドマップになっているのです。また、街道マニアでなくても、地続きに面で観光地を巡ることができるのは、このマップならではの魅力だろうと気づきました。京都観光ガイド本としても宣伝したい。

 なお、次の第16集のマップNo.64の「奈良街道」では、醍醐寺や伏見城、伏見桃山、伏見宿の詳細地図と解説があります。
 地元京都の人にもぜひ歩いてほしいが、各地からの観光客には、歩く京都の楽しさを味わっていただけたら嬉しく思います。

オンラインショップの第15集新訂版掲載は準備中です。もうしばらくお待ちください。
第15集初版は、現在在庫僅少、ショップからご購入いただけます。(在庫切れ次第絶版)