世田谷区池尻2丁目23番地(田園都市線池尻大橋近く)

 中平さんから、<池尻の旧道>近くの庚申堂には狛犬の代わりに赤いちゃんちゃんこを着た猿の石像があるので、時間があったら是非見に行ってほしいとの情報をいただきました。

池尻庚申堂のおさるさん

池尻庚申堂のおさるさん

 「池尻方向から旧道に300mほど入りますと、道路の左側に池尻網野レジデンスというマンションがありますので、そこを左折してください。100mほど入った右側にあります。住所は世田谷区池尻2丁目23番地です。必要でしたら世田谷区の住宅地図をお送りいたします」とのご丁寧なメールまでいただいたのが4月16日でした。
 いろいろあって5月5日(土)にやっと猿の像がある池尻庚申堂に行くことができました。

 池尻大橋駅で下車、「東京栄養食料専門学校」の看板がある入り口から旧道に入ります。網野レヂデンスも確認し左折、住宅街に鳥居が見え発見したことに感動しました。

高池尻大橋駅を出てすぐに、246から旧道に入ります。

高池尻大橋駅を出てすぐに、246から旧道に入ります。

池尻網野レヂデンス。この建物の角を曲がります。

池尻網野レヂデンス。この建物の角を曲がります。

角を曲がると鳥居が見えてきました。

角を曲がると鳥居が見えてきました。

 これも中平さんの詳細なガイドのおかげで、普通に歩いていたらあの道を曲がろうとは考えないでしょう。
 ここのあたりは他にも細い道がたくさんあって、なかなか面白い地域で、ちょっとふらふらしてしまいました。

 ちょうど庚申堂に行った時(午前10時半ぐらい)に、毎日お掃除などにきているお父様の代からお守りしている、という年配の女性がいらしたので、「お猿さんがいる珍しい庚申堂があると、人から教えて貰ったんですよ~」と声をかけると、いろいろなお話を聞くことができました。

 小さな公園ぐらいの面積がある敷地に(財務省のものとおっしゃっていました)庚申堂、お地蔵様に石碑が2つ、3つあり、どれにもきれいなお花が備えられていました。入り口近くにくだんの猿像があり、赤いちゃんちゃんこを着ていました。

こんな小さな石にもきれいな花が供えられています

こんな小さな石にもきれいな花が供えられています

 お堂の中にも猿がいると教えてくれ、中を覗くと、2体の庚申塔の他に猿像がおわしました。入り口の像も中の像も、右手には神主さんがお払いをする時に持つような四角い短冊をつなげたようなものを持っています。以前はトタンのようなものでできていたのですが、強風(?)で飛ばされたので、庚申堂の会員の方で金物屋さん(聞き違いかもしれません)がステンレスで作ってくれたとのこと。キラキラと輝いていました。ただ昨今の金属の泥棒が心配だともおっしゃっていました。

熱心にお参りする少年。この庚申堂だけでなく他のお地蔵さんにもお参りしていた。お堂にさがっている鈴はこの女性が、願いが聞き届けられたお礼にお供えしたもの。

熱心にお参りする少年。この庚申堂だけでなく他のお地蔵さんにもお参りしていた。お堂にさがっている鈴はこの女性が、願いが聞き届けられたお礼にお供えしたもの。

 私がいる間にも子どもがお参りにくるなど、かなり地域では好かれている神様のようでした。その女性は毎日ここに来ていて、掃除や花の水換えなどをしているそうです。「あまり欲深でない、ささやかなお願い事は案外よく聞いてくれるんですよ」と彼女はいい、お父様が倒れたときに苦しまないで逝けるようにとお願いしたところ、その願いは聞き届けられたそうです。
 猿は、右手に持っている四角いひらひらが邪魔で顔がよく見えなかったのですが、ちょっとリアルすぎる感じの顔です。
 猿という動物は欲深いそうです。お願い事をかなえてくれたらこれをあげる、というのが通じる、ある意味、律儀な動物なのかもしれません。

 今まで、石造物自体はたくさん見てきましたが、実際にそのものにかかわりのある人にお目にかかったのは初めての出来事で、とてもありがたかったです。
 いろんな場所にあるお地蔵様や石造物に、私がお会いしたような女性やお参りしている地域の方がいるのだ思うと何か不思議で、でも、とてもいいなあと思いました。
 小さな男の子がお賽銭(この言い方でいいのかわかりませんが)をあげて、全ての石造物に手を合わせてお参りしているのを見て、私も刺激され、お賽銭をあげて「ささやかな」お願い事をしました。まずは「大山街道」の本ができあがりますように、です。

このあたりは細い道が入り組んでいて面白い

このあたりは細い道が入り組んでいて面白い

庚申堂のあと、旧道沿いにある池尻稲荷社に行きました。

庚申堂のあと、旧道沿いにある池尻稲荷社に行きました。