本書の編集作業は、なかなか思うように進んでいません。
 3月26日(日)は、本厚木から伊勢原までの大山街道を歩いてきました(そのメモは別記で)。
 次の週、中平さんから送られてきた原稿を、いつものように、仮組版のページ組に流し込みました。今回は文章量がかなり多くなると予想されますので、当初は小さい字で二段組みという、まるで「昔の本」の組版です。
 原稿の記述は、それはそれは詳細です。まず二子新地~梶が谷までを読みましたが、行程の数10メートルおきの記述になっています。中平さんがこの付近を歩き尽くされている様子がよく伝わります。
 しかし、前回の編集会議で原稿をお持ちいただいた時に、「なるべく客観的記述を心がけました」とおっしゃったのですが、それはちょっと中平さんの奥ゆかしいところで、遠慮しすぎでした。
 原稿には、中平さんの個人的な感想がほとんど抑えられているので、全く逆に私は、中平さんのキャラクターが面白いので、その人の「大山街道」のほうがいい、と申し上げました。だって、今までやってこられたことのエピソードがとても面白いので、それを載せない手はありません。
 作業としては、中平さんらしい丁寧な「です・ます」調の文体を、まず試みに荒っぽく「である」調に変えてみました。
 この区間は、編集部でも何回も行っているところなので、写真が入る個所に番号を振っていくことができます。
 すでに撮った写真もたくさんありますので、これからそれを並べてみます。『誰も知らない丹沢』の時と同様に、地図上にも写真の番号を入れてみます。
 これだけ記述が詳細だと、原稿を割愛してコンパクトにしてみようという発想より、この詳細さをよりマニアックに、つまり、他の人には書けないことですので、この長所をさらに増幅強調するという発想のほうに引かれます。
 それでこれもまだ試行錯誤ですが、小さくても写真を「これでもか」というほど、ふんだんに入れてみることにします。
 この発想に拍車をかけたのは、実は29日に納品があった「東京造形大学研究報別冊」の見本本をじっくり見ていて、その写真レイアウトに刺激されたこともありました。この写真の並び方をまねしてみようと思っています。
 「未知の道シリーズ」の本書の場合も、編集上の工夫の一つとして核になるのは、やはり「地図」です。  地図には、絶対こだわりますし、そうせずにはおれません。そうでした。著者は地図会社の元編集部長で、プロ中のプロでした。
 今回の主役は、国土地理院1万分の1地形図です(それと住宅地図も著者から預かっています)。
 まず、とりかかりの行程の区間で、地図を入れたページを試作しました。「二子新地~梶が谷」間でサンプルを作ってみます。