このページは、編集日誌として、著者から聞いた話や参考図書で知った、聞きかじり読みかじりの知識の上に、編集子の勝手な思いこみをメモしていますので、間違いや浅はかな感想・意見が多々あります。文責は、もちろん弊社編集子に全てあり、著者その他の情報源の方には一切の責はありません。
 愚かなところは、笑って許してください。間違いの箇所については、ぜひともご教示下さい。
 編集者はもともと黒衣ですし、今回はほとんど出来上がっている原稿をまとめるだけの仕事なので、本当はこんな編集日誌などを公表すべきではありません。しかし、今回は特別に著者のお許しを得て、編集者の立場から、ひたすら本の宣伝をしようと思いましたので、皆様にもお許し願えればありがたいのですけれど。
 上記のように、このページの目的は、編集の舞台裏をさらけ出して本書の宣伝をすることにありますので、もし興味を持ってくださったら、ぜひ本書を買ってくださいますようお願いします。購読者へのアフターサービスができる方法を腹案として持っていますが、今のところ、それが実現できるというお約束ができないのが残念です。

「ガイドブックとしてではなく」

 現在、西丹沢の本を作っています。
 西丹沢というのは、山歩きをする入り口までのアプローチが長く、従って交通費も嵩んで(西丹沢自然教室までのバスは片道1150円で1時間11分かかります)、日帰りの一般的な山歩きコースとしては、敬遠されている、マイナーな地域のように、まず感じました。
 「まず」というのは、このHPのやや余分なページ「遅ればせの山歩き」に書きましたように、編集子が山歩きのド素人で何も知らないところから始めていますから、西丹沢という地名を山歩きの対象として初めて知ったときに、そう思ったという意味です。

 「丹沢山塊は不思議な存在です。東京、川崎、横浜の三大都市の裏庭ともいえるこの山脈は、これらの世界一の人口密集地の騒然たる人、車、コンクリートの世界からわずか数十キロしか離れていないにもかかわらず、深山幽谷の静寂な雰囲気に包まれています。
 寄り付きがたい谷や尾根、ブナやモミの原生林がいまだに残っているし、バイケイソウ、マルバダケブキ、トリカブト、マツムシソウ、フジアザミの見事な大群落が密かに広がっています。クマ、カモシカ、シカ、サルをはじめ本州のほとんどのけもののほか、鳥も数十種が山中に生息しています。」(『丹沢夜話』の冒頭の書き出し)

 「深山幽谷」に対しては都心から近いと言いますが、はじめに書きましたように、「アプローチの遠さ」が、西丹沢を好きな人には、逆説的にひとつの魅力になっているように思います。不便がゆえに、あるいは、不便に値するというように。山の奥深くに入っているという感じです。
 私は、まず、ここを歩きたいと思いました。それで数回歩いた後に、早くもここの山歩きの本を作りたいと思いました。
 それには、どうしたらいいか? その方法の入り口は、偶然ではなく、わりと早くやってきました。
 西丹沢に行こうとして、ガイドブックでコースを探すと、畔ヶ丸、不老山、大室山、加入道山などが載っています(しかし、載っていないところの方が多いのですが、この話は後日に)。そしてガイドブックだけでなく、インターネットの情報を得ようとして検索すると、じつにたくさんの方がとても貴重な情報を提供してくださっています。とてもありがたく感謝しています。
 山へ行こうとする多くの人も、きっと同じようにインターネットを利用なさっているでしょう。
 そこで例えば、「世附峠」「大滝峠」などのキーワードで検索すると、いつも上位に出てくるサイトがあります。そして、そのページを単行本のページとして読んでみると、不思議な感動にとらわれてきます。そこはもう、自分一人で行けそうなコースではなくなっていますので、実用的な情報の取得として読んではいません。
 この人のように歩けたらいいなあ・・。そう思うようになったのは、そのサイトを訪ねてからそんなに時間の経過の必要はありませんでした。
 そのサイトの主こそ、本書の著者s-okさんでした。(s-okさんについては、あとでご紹介しますが、)s-okさんは、この地域の山歩き人として有名人です。
 私などの駆け出しでなく、たくさんのベテランの方々がs-okさんさんのサイトのファンであることはすぐに察しがつきました。
 私がやりたいのは、この著者と山行記の魅力を、書籍という形にしたいということです。
 すでにサイト上で公開されている山行記で、だれでもいつでも読むことができるし、プリントアウトもできます。書き下ろしは、ごく一部しかありません。それをわざわざ本にして、ほんとに買う人がいるのでしょうか?
 大丈夫です。本書をご覧下さい。ここをご覧下さっている方は、すでに買いたいと思ってられるでしょう?
 s-okさんと初めてお会いしたときも申し上げました。縦書きのページレイアウトに本文を組んで読んでみるだけで、読者は「ガイドブック」でない読み方になって、すると全くあたらしい感動が湧いてくるのです。これは、私自身の経験です。
 この感動を読者の皆さんとも分かちあいたいのです。
 「どのような感動」ということは、読んでくださればわかることなのですが、このホームページでは、少しずつ私の読み方もお伝えしていきましょう。
 この記録の通りに山を歩くために、必要な情報だけをガイドブック的に読むのではないのということを初めに申し上げて、他にいっぱい話したいことがありますが、今日はこのへんで。

 あっ、それから、今日から早速、本書の購読予約を受け付けます。まだ、ページ数も定価も決まっていません。初めは1000円ぐらいの冊子を考えていましたが、だんだん欲が出てきて、現在1500円ぐらいの本にする予定です。
 内容の細部も仕様も、編集中に刻々変化していきます。発行前まではキャンセル可能ですので、ぜひ、今すぐにお申し込み下さい。損はさせません。(直送の早期予約の方には2割の割引を考えています。期限あり)