毎日、時間があっという間に過ぎて、まとまった落ち着いた仕事ができずに心せくばかりです。
 本書の編集作業も一日中一度も取りかかれない日も多いのです。昨日もそうでした。もし、しっかり一日中作業に集中できていれば、すでに本になっていたかもしれません。ぐちはよしましょう。
 この本の発行の提案をしてから、とても迅速に、構成案として収載する山行記のリストをs-okさんからいただきました。
 その案がとてもよくできていて、一発で合格(スイマセン)の構成で、さすがと感心しきりでした。これでは編集者の出番はありません。
 選択は11本でしたが、そのうち10本を予定し、テキストと画像をs-okさんのHPからダウンロードし、あらかじめ予定していた組版マスターレイアウトに流しこみました。
 この作業は、実はs-okさんの他の山行記で、発行を社内で決定する前に行っていました。
 10月21日の記録に記しましたように、このように縦組みのページ組み版の形で読むと、コンピュータのモニター上や、HPページそのままのプリントアウトで読む文章とは、すごく違ったものになって読めることが不思議です。
 もしこれが味のない文章だと、この形にするとそれもまた明らかになり、HP上の感想と違ったものになります。
 本書の読者のみなさんは、私がこのように記していることを、実際に読んで納得してくださるものと信じています。
 そうして組んでいったものを順次s-okさんにお送りしていきました。これはまだ初校ゲラではありません。
 と、同時に、山行記の文章に沿って、経路を2万5千分の一の地図に落としていきました。
 (現在これの二度目の作業<本番用>を進行中です。今日もこれから取りかかる予定です。)
 コースは私は行ったことのないところですから、文章を読みながら地図上にコースをなぞっていくことになります。これはまさに地図上の山歩きです。
 山行は、予定コースを地図上に落とす山行前の作業と、実際の山行と、帰ってから記録する山行記との3回にわたって登山をするものだ、と地図読みの本から教わりました。
 だからまさにこの作業は、私のひとつの山行でもあるわけです。しかも私の場合は、実際にs-okさんの歩かれたドラマ自体をなぞっているのです。ここには山行にそった風景の写真もあります。出会う人や出来事のドラマもあります。
 このとき、2万5千分の一の地図を使用することが、私の一つのこだわりでした。
 白状しておきますと、本当は、私はいつかこのドラマを自分の足でもなぞりたいという夢を持っているので、密かにその予行をしているのです。
 それから、この作業は、とても有効な地図読みの学習にもなっています。
 この尾根は地図上の記載ではどうなっているのか、あるいは地図上のこの等高線の形状の通過は、実際はどのようであったのかを学ぶことができるのです。
 本書の地図の掲載をどのような形にするかについては、実は大問題があるのです。
 このことは後日に記しますが、こんな日誌をいつまでも書いているから作業が進まないのだ! と言った声が響いていますので、このへんで失礼しまして、さあ、仕事、仕事!