国指定史跡三河国分尼寺史跡公園は、立ち寄ってみて、感動した。史跡の整備は平成11~17年度にかけて行われた。平成17(2005)年の開園で、ちょうど約10年近く前である。
天平13(741)年に、聖武天皇が全国60余国に国分寺と国分尼寺建立の詔を出し、8世紀後半に完成した。奈良時代の遺構を保存し、後世に伝えるためだけでなく、この史跡公園で古代史の舞台にひととき、臨場感を持って体感ができるようにと整備された。
中門及び回廊の一部を遺構上に、国分尼寺の当時の姿を実物大で復元している。よくできていると思う。
観光地の雰囲気とはちがったものだと感じた。私以外に誰一人いない空間であったことも影響したのかもしれない。公園南にある「三河天平の里資料館」も史跡整備と同時にできた新しい施設で、こじんまりした一室の展示室のみだが、出土品の展示もされていてよかった。レンタサイクルの無料貸し出しや、きれいなトイレが休館日にも利用できるなど、利用者への気配りに、館員の方に思わず「すばらしい」と申し上げてしまった。
ここの地名が「忍地(にんち)」で、それが「尼寺」と語呂で関係あると聞いた。国分寺跡よりも先に尼寺が発掘整備されたのは、公園の西隣にある清光寺の敷地が、分割されず寺有地としてそっくり残っていたからだそうだ。国分寺跡の方は民有地になってしまっていたので、買収などの困難も伴った。
国分寺も、国庁も、国分尼寺のような整備がされるようにと期待したい。
このような歴史遺産を残し、一般公開する意義は大きいと思う。
(oh)記
三河天平の里資料館(三河国分尼寺跡史跡公園内)
開館時間:午前9時から午後5時
休館日:毎週火曜日(国民の祝日の場合は開館)、国民の祝日の翌日、年末年始(12月29日から1月3日)
入館料:無料
〒442-0857 愛知県豊川市八幡町忍地127-1
電話:0533-88-5881
ファックス:0533-88-5881
ホームページ http://www.city.toyokawa.lg.jp/saijibunka/bunka/bunkazai/mikawatenpyo/mikawatenpyo.html
国分尼寺史跡公園。中門と回廊が復元されている。 | |
遺跡跡 | |
北側から見たところ | |
遺跡周辺の航空写真 | |
三河天平の里資料館。無料で自転車が借りられる | |
三河天平の里資料館のトイレは休館日でも利用が出来る |
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