美術史を概観できる、たくさんの絵画のスライドをお見せしてくださるそうです。
「抽象画がわからん」人は、ぜひこの機会にお越しください。
新刊発行記念講演会「もともと絵は抽象である」
−抽象画がわかるはなし
講 師:山廣茂夫氏
開催日:2019年9月22日(日)
時 間:講演は、15時~17時
※開場は14:00から。
14:30〜14:50ふじさわ宿交流館館員による常設展示品案内を開催しますので、ご希望者はぜひ。
講師山廣氏の作品展示解説を16:30〜17:00に予定。山廣氏のプロフィールは、『もともと絵は抽象である』のページをご覧ください。
参加費:無料(お申し込みが必要です)
会 場:ふじさわ宿交流館(JR藤沢駅北口より徒歩14分・小田急藤沢本町駅より徒歩15分)
神奈川県藤沢市西富1丁目3番3号 https://fujisawashuku-kouryukan.com/information.html主催・問い合わせ先: 風人社
電話03-5761-7941 FAX03-5761-7942
メール info@fujinsha.co.jpお申し込み方法
メール、ファクス、電話などで、ご芳名、ご住所、、性別、お電話番号、メールアドレスをお知らせください。先着順。
(携帯電話のアドレスの方は、こちらからのメールが受けられるようにしておいてください)
なぜ講演会を?
講演会の申し込みがない。「やばいな」との思いです。
この講演会で、もしかしたら、絵の見方が変わって、今までなら街で出会う美術展も素通りだったのに、ふと中に入ってみたくなるかもしない機会なのに。これは、風人社のアナウンスの仕方、努力不足にほかなりません。
それで、少し、なぜ講演会を開こうと思ったかをお伝えしたいと思いました。
この本の著者の山廣茂夫さんは、元高校の美術の先生で、授業ではたくさんの絵画作品のスライドを生徒に見せていました。それには、きっかけがありました。
高校3年の選択科目「美術3」は、勉強したくない生徒の受け皿になっていて、担任から「楽だからとれ」と言われた女子生徒がいたそうです。「美術なんて、本人がいいと思ったら、それでいいじゃない。結局は個人の好みなんだから。先生の好き嫌いであれこれ言われるの、ムカつく」と言われて、山廣さんの方もムカつきます。好き嫌いに関係なく「すごい美術の作品」は厳然としてある。このことも伝えたいと山廣さんは思いました。
「ほとんどの生徒は、学校を卒業したら、授業の内容はほとんど覚えていないだろう。しかし、楽しかった記憶は残る。また、何かの折に見せた作品に再び出会ったら『あ、これ知っている』と思ってくれただけで十分である。<好き>と<知ってる>は、ほとんど変わらないからだ。」
今回の講演会でも、同じように、たくさんの作品をスライドで見ながら、山廣さんがその絵の何がすごいかを解説をしてくれます。
「絵がわからん」のは、絵が下手だから? 絵が下手なのは、見えた通りに描く力(描写力)がないから?
私たちのほとんどは、絵画の基礎は「見たとおりに描く=デッサン力」だと思っているでしょう。また、美術には特殊な才能が必要だとも思っているはずです。しかし、山廣さんは、その2つとも間違いだと言っています。
もし描写力が絵画に不可欠な基礎であるなら、現代の美術の多様な表現は生まれなかった、と。
山廣さんは、浪人時代から美術大学、そして美術教師になっても、この描写力、見ることと描くことの関係を考え、悩み、試行錯誤の連続で、自分の美術の追求をしてきました。その苦闘こそが、山廣さんの美術教育のバックボーンでした。
山廣さんは、本書の中で次のように言っています。
「音楽は、リズムとメロディとハーモニーで音楽的世界を作り出しています。現実世界の再現をするのが音楽ではありません。同じように絵画も、平面上に置いた色と形に触発されて、その構成によって絵画でしか表現できない別の世界を創り上げています。」
現在、山廣さんは抽象画家として、個展の活動などをされています。
また、カルチャーセンターなどでの社会人向けの講座で、この高校の授業方式を取り入れて、大変好評だそうです。それは、評論家のいわゆる「美術論」とはぜんぜん違ったもので、もっと身近で、旅の途中の美術展にも、時には足が止まるかもしれなくなる「絵とは何か」の話です。
抽象画家の山廣さんが、自作をどのように作るかについても、講演中に見せていただけるそうです。大変珍しく、貴重な体験になると思います。
絵の見方が違ったものになるかもしれないこの機会を、どうぞお見逃しなく、ご参加をお待ちしています。
(お)記(2019年8月29日)
演者:山廣茂夫さんの新著、ぜひお読み下さい。
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