●「これぞ丹沢!」とバリエーションルートは矛盾しません
 先にエクスキューズとして申し上げておきます。未知の道シリーズの新刊は、1冊は「丹沢本」(山岳)、1冊は「大山道」(平地)ということだけを決めて、あとは何も決めておりません。企画をじっくりあたためて計画したものではなく、その最初からの作業をKAZESAYAGEでやろうとするから面白いと思います。弊社としても、いつになく変な本の作り方の実験です。
 さて、数人の方から同じような感想をいただきました。「キングオブ丹沢」とか「これぞ丹沢!」の本といいながら、バリエーションルートの紹介は、マイナールートの本ではないか、というものでした。
 なるほど、ね。違うのです。超人気というより、定番で誰でも知っているメジャールートが、「キングオブ丹沢」や「これぞ丹沢!」とは限らないし、むしろ違うぞ、というところから出発しているのです。
 知られざるルートに、「これぞ丹沢!」を発見し、それこそ、美しく魅力ある「キングオブ丹沢」なのだというものを探したいのです。
 KAZESAYAGE<山岳編>で紹介するルートには、バリエーションルートの区間が全くないというものは希になると思っています。だからこそ国松さんが本誌の山行記のリードオフマン(lead-off man)になってもらったのです。これから次々といろんな強者が続きます。

●KAZESAYAGE<山岳編>のプレスリリースの文章を書きました

 それは以下の通りです。

謹啓
 平素大変お世話になりまして、厚く御礼申し上げます。
 弊社では、100号で休刊しておりました通信誌「KAZESAYAGE」を<山岳編>と<平地編>の2つの小誌として、復刊することにいたしました。
 このたび、その「KAZESAYAGE<山岳編>」創刊号を発行いたしましたので、見本誌をお届けして、ご挨拶申し上げます。
 <山岳編>は、弊社刊行の「未知の道シリーズ」に新刊ラインナップする「丹沢本」の取材、現地調査、編集作業、記録の役割も持ちます。
 丹沢は、ご存じの通り関東では人気高い山域で、ガイドブックも多種発行されていて、整備された登山道には、関東圏外からも多くの登山者を迎えています。
 しかし、ガイドブックにない尾根や沢のバリエーションルートを冒険家のように歩いているマニアの人たちがいて、インターネットでその情報交換がなされています。しかし、この貴重な情報が紙媒体に記録されていることを知りません。
 人気ルートだけが、丹沢の魅力ではありません。「心底、丹沢が好き」という人が歩いている姿を紙媒体に記録し、この世界を紹介しながら、「これぞ丹沢!」の魅力を発見したいという試みを、この小冊子で挑戦したいと考えました。丹沢山域の、こんなルートを歩いた人がいるという記録を残す目的もあります。
 創刊号の読者は約60人という、コーピー印刷・手製本の超ミニコミ誌ですが、その読者には、丹沢を知り尽くした人たちがいますし、新しい挑戦者は、この世界に引き込まれています。
 本誌が貴紙誌にお役に立てるところがございましたら幸いです。また、貴紙誌の読者にお役に立ちそうな情報が本誌にありましたら、ご活用、ご紹介ください。多くの読者のお役に立てて、喜んでいただけますよう、今後とも精進する所存でございますので、どうかよろしくご指導のほど、お願い申し上げます。
 貴紙誌のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具