街道地図読みの講演会を終えて
去る2016年5月28日(土)、東海道かわさき宿交流館で、交流館主催「地図を読んで街道を歩く」講演会が開催されました(案内の記事)。弊社代表と編集部が講師を務めました。
事前申し込み不要でしたので、当日、閑古鳥に鳴かれたらどうしようと不安でしたが、実は、広告代理店様のお力添えで「神奈川新聞」「東京新聞」のイベント情報欄に数回記事が掲載されて、サクラ動員しなくてもそこそこは大丈夫かなと思っておりました。
「もし、満席になったら、来てくれた方にもうしわけないな」なんて、配付資料数や、会場定員オーバーなどもふと頭をよぎりましたが、まさか「定員オーバーになったときの対応は……」なんて、そんなめちゃ不遜な天狗発言ができるわけはありません。そうなっても、「閑古鳥よりはまし」と思ってその日を待ちました。
そしたら、びっくりの盛況になりました。開場前から人が集まり、15分前にはもう満席立ち見となり、5分前には入場できずにお帰りいただく事態になりました。
お断りしておきますが、これは講演がすばらしかったのでは全くなく、まだ始まる前の状況です。その証拠に、途中休憩後、立ち見の方はなくなるほどに、後半には帰られた方もおられたのでした。
主催者のご担当者によると、演題テーマが珍しかったのではないかとのことでした。今まで、街道文化や歴史の講演が多かったのが、たぶんその理由だと思います。満席になったのは、このようなテーマに興味を持つ人の多さを教えてくれるものでした。
街道地図読みは、私自身も、参考にした先行図書というものはありません。オリジナルといえば聞こえはいいのですが、無手勝流の「独りよがり」説の展開でした。一つだけ自信ありますのは、お伝えすることは、私自身が面白くて仕方がないことなので、嘘を言っているわけではないことです。
アンケートのお世辞を差し引いても、半分くらいの参加者には興味を持って聞いていただけたかもしれない、と思えたことに、ほっと安堵しました。
講演のテーマは、「道の理由」です。道を擬人化して、なぜそこで急に道がカーブをするのか、したいのか。道は、その個所ではどんな思いで通っているのか、道の気持ち。それを、地形図の読図によってイマジネーションし、そして街道を歩いて、現地照合をするのです。
以前、登山で25000分の1地形図の1ミリ半径のニキビのような粒が、現地で25m半径の尾根の突き出たピークであることを見て、感動したことがありましたが、1万分の1地形図はもっとリアルです。
そのようなことを、これからも仕事を通してお伝えしたいと思っています。講演会の機会はまたあるような気がしました。それは同じ興味を持つ人が意外に多いと感じたからです。
それから、講演会にはもう一つ、『ホントに歩く東海道』マップの作り方工程、舞台裏を弊社編集部が発表しました。私の講演より興味をひかれた方も多いようでした。これも、地図を楽しむ一つの背景になりますので、今後もお伝えしていきたいと思っています。
当日、入場できなかった方には、ごめんなさい。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。どうか今後ともよろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。
(お)
当日の写真
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