タイトルについて一言、メモをします。「シオネ」と初めて聞くと、「はあ?」と思うのは普通でしょう。ワープロで入力すると、「塩ね」などと出て、「支尾根」を正確に出してくれることはありません。「枝尾根」という言葉も本書には出てきます。
大山北尾根・支尾根……、私には、魅惑的な言葉なのです。支尾根がきれいに山里へ落ちていく光景を見ると「ああ、あの尾根も歩けるかなあ」とじっと見入ってしまうのです。支尾根を一つずつ辿っていくことは、それらがもし大山のピークに通じているなら、大山という一山の山肌のすみずみに触れていくことになるのです。なんと楽しい山歩きでしょう。そんな思いを、私は、このタイトルに感じております。