新中国語から中国の「真実」を見る!
現代流行語解説と日中文化比較
黃文葦著
四六判160ページ
定価:1500円+税
2024年10月29日発行予定
ISBN9784910793115 C0087
彩虹屁、凡尔赛文学、小鲜肉、无接触配送、真人秀……
今、中国で流行っている言葉は、中国語の教科書には載らないけれど、今の時代の中国社会・文化を生き生きと映している。
近年、中国でもネット用語が非常に増えた。これらの流行語(新中国語)には、民間の知恵やユーモアが溢れている。
24年間、日本で暮らした著者が紹介する「新中国語」の言葉から、現在の中国の社会事情と人々の価値観が見えてくる。
<自分は確かに、日本と中国の「狭間」にいるという感じです。日本で二十数年間暮らしても、日本人から「外人」と見なされ、中国に帰ると、日本人と見なされ…。とはいえ、日本と中国の「狭間」は決して狭い空間ではなく、むしろ広いです。なぜなら、私は日本と中国の両方を見ることができるからです。二つの言語を把握していますから。日本でも中国でも、私はよそ者だと自覚しています。「『外人』という生き方」もこれから書きたいテーマですね。>
<まだまだ、多くの日本人のステレオタイプ意識は根強いです。いまだに日本人と食事をすると、「黄さんは中国人だから、冷たい水を飲めないでしょう」「黄さんはなぜ中華料理を食べないの」などと言われます。私は24年間日本に住んでいて、私の胃はすでに「日本の胃」になっています。冷たい水も飲めるし、中華料理はあまり好きではありませんし…。中国人だからといって、中華料理を好きだとは限らないのです。>
(本書カバーより)
目 次
まえがき 3
日中関係に関する世論調査は無意味だ 13
第1部 「新中国語」とは 17
1.「新中国語」とは 18
2.流行言葉の「寿命」 21
3.日常生活の流行言葉100 23
4.コロナに関連する新中国語13 115
コロナ禍とコロナ化 124
第2部 日中文化比較 127
日中の新年料理比較 128
「陰翳礼讃」型都市づくりを 129
ディオールの例から考える「文化の盗用」と「文化の流動」 130
謝りは文化、それともビジネス? 134
中国人の「養児防老」の意識を変えるのか? 138
中国では、なぜ上野千鶴子のような人物がいないのか 140
ジャック・マーとトニー・レオンのように日本で隠居生活を送ろう 144
日中医療の比較 中国で日本式のリハビリを実現することは可能なのか 148
働き方改革は上下関係の民主化から始めよう 152
あとがき 「二刀流」を辞めました! 156
【著者プロフィール】
黃文葦(こう・ぶんい)
1967年、中国福建省福州市生まれ。
日本と中国、日本語と中国語を愛する在日中国人のバイリンガル作家。中国の大学と日本の大学院でマスコミを専攻し、十数年間、日中両国のマスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2000年来日以降、中国語と日本語で教育、社会、文化の問題に焦点を当てたコラムを執筆し、両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。2019年に電子書籍『日中文談: 在日中国人の日本観(エッセイ)』を出版。2020年8月から2023年7月までの3年間、日中文化比較のメルマガ「黄文葦の日中楽話」を発行。
長年にわたり、「二刀流」で教育者とフリージャーナリストとして活動してきた。2024年7月から文筆業活動に専念することを決めた。