風人社ホーム KAZE雑記帳 <山岳編>

大山北尾根
15号鉄塔〜18号鉄塔・大月尾根のルートファインディングについて

2009年3月16日

 ここのところ、地獄沢橋にタクシーで行くことが重なっていますが、いつも他の人もタクシーでここに来ているのに出会います。以前は、まったく人に出会わなかったのに。弊社の本以外のメジャーな媒体で紹介されたのでしょうか。
 何人かと話しましたが、弊社の本はご存じではありませんでした。ほとんどの方が16号鉄塔へ向かう尾根に入られています。
極楽橋。木が倒れていました

 さて、私たちは、今回、大勢になりました。私は、この山行の予行と今回と、17・18号は2度目、それ以外は、もう通い慣れた道ほどに来ています。
 3月15日のグループ山行の記録メモが参考になるかも知れませんので、記しておきます。でも、まったく矛盾しますが、ここは大勢で行くのには適しません。ひっそりとお出かけください。

 下の図の赤線がGPSトレースです。弊社刊『大山北尾根・支尾根』の岡澤さんのコースのコピーです。

 新多摩線16号鉄塔から17・18号鉄塔を経て、唐沢林道に下りるルートでは、道を間違えそうな個所が、バリエーションルートに慣れていない人には、数か個所あります。

A= 17号鉄塔巡視路入口のプラスチック階段を下りて階段が消えたところで、目標として上の送電線の方向を追っていくとすると、図のAのように沢の方へ直行してしまう可能性があります。私が予行で行った時は、雨こそ降っていませんでしたが、天候が悪くガスがかかっていて、枯れ葉でトレースがほとんど見えにくく、実際に少し直進しました。しかし、大山北尾根のP1040から下りてくる尾根に乗ればいいことに気づくと、東へトラバースするトレースが見つけられます。
プラスチック階段(17号鉄塔→18号鉄塔間)
B= 17号鉄塔を出て、尾根をUターン気味に外れるところは、ロープが張ってあり間違えることはありません。もしロープがない場合は、どのあたりで沢へ向かうための転換をするのかの判断が重要でしょう。次に、プラスチック階段がいったん途切れたところ、小沢の向こうの木に赤い太いテープが巻き付けてあるのがはっきり見えます。その場所で上を見ると、送電線の方向が赤テープの方向に一致します。それで予行の時は、私はここを渡ってみました。すると、さらに赤テープは続いているのですが、到底尋常に進める地面の状態ではありませんでした。砂状に柔らかく、踏ん張りが利かず何十センチも滑るのです。すぐに間違いに気づいて戻ったのですが、今回の先頭の方は、ここを迷わずに西北に回り込んだのは見事でした。
こういうテープがたくさん巻かれている
新多摩線17号鉄塔。送電線がずっと続いているのが見える
C= ここもAと同じく、大月尾根の尾根筋に入ればいいことを考えれば、沢を渡ることは頭に入れておいたほうがよいでしょう。しかし、沢に来たところに標識があって、矢印で「18号に至る」とあり、またまた上を見ると送電線の方向に正しいのです。実は、この方向は間違っています。上記のことを思い出せば、沢の向こうの小枝に小さな赤テープが巻いてあるのに気づきます。そして、実際に渡ると、「大月尾根」との表示が見つかるのです。
 もう一つ、ここですぐに尾根に上がらず、沢の方に下りていくトレースがあって、実はここも間違いやすいのです。

新多摩線18号鉄塔
D= ここは、予行では、青線のように私はルートをとって、結果的に今回の林道到達点と全く同じ地点に下りました。どちらでも構わないのですが、等高線をご覧になるとよくわかるように、青線のほうが勾配が緩やかで、ぎりぎりのところまではとても歩きやすいのです。また、下りる地点がここでないと、崖か高い擁壁に出て、ロープなしでは林道に下りられません。予行では、ロープを使用しませんでしたが、今回はベテランの人に2か所にロープを張っていただき、用意していたヘルメットも、落石から頭を守るのに役立ったと思います。
唐沢林道が見えた

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