気象日記
●2010年5月25日(火)「梅雨の名前いろいろ」
生まれて初めて前線通過を体で理解した(ような気がした)経験を得ました。
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図1は、前線通過がわかる地上天気図 | ||
図2は、2010年4月2日の1時間毎の気温変化(左)と風の変化(右) | ||
HBCの専門天気図のうち、最も易しいのがFEFE19というアンサンブル週間予報図です。この天気図には、二つのことが示されています。 |
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ホームページ「HBC専門天気図」 | ||
まず、「HBCの専門天気図」を知らない人のために、FEFE19のダウンロードから。 http://www.hbc.co.jp/pro-weather/の図1の右、上から2番目「週間アンサンブル予想図(略号FEFE19)のpdfをクリックします。 図2が現れます。 |
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図2 | ||
私は、この遊びを2010年4月9日の午後3時に初めてしてみました。説明は後回しにして、6つの図の日時を書き入れてみましょう。 上左図が、「4月10日21時〜11日21時」で、下右図が「16日21時まで」です。つまり、4月10日21時〜16日21時までの変化図を見ています。 それで、欄外に予想する地方名を適当につくって、表を作ります(図3)。 11日の図を見ると、たとえば東京では網点がかかっていないので、降雨はありません。それで○をつけます。福岡は網点がかかっているので、●です。長野は、境界付近なので、わからないので△です。 |
図3 |
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このようにして、全国随所の8日先まで、晴天か雨天かを転写しました。 さてそれで、この表と、新聞の週間天気予想の傘マーク、お日様マークと比較してみると、まずほとんど一致するでしょう。驚くことはありません。 今度は、実際の記録を赤字で書きいれていけば、「にわか自分気象庁」の的中率の成績表が作れます。 さらに、その日が暑いか寒いか、降水があるけど雪になるのか、風は強いのか、これも驚くほど簡単に、自分で予想が立てられるのですが、それは図1右一番下の「週間予報支援図(略号FXXN519)」を見なければなりません。この話は、次回に。 |
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図4 | ||
さて、一番易しい「週間アンサンブル予想図(略号FEFE19)」に、注意すべきことがあります。「FEFE19 081200UTR APR 2010」とタイトルにあります。これは、「2010年4月8日12時」の発表ですが、UTCというのは、グリニッジ世界標準時ということなので、明石の日本標準時では、+9時間後で21時ということです。 図6の上左は、(48-72)とあります。4月8日21時から、48時間後〜72時間後の気圧配置図です。つまり、4月10日21時〜16日21時の予想天気図なのです。このようにして、6図の示す時間帯を書き入れておきます。それが図2の手書きです。 説明すると複雑そうに聞こえますが、なにも難しいことはありません。気象学の知識なんて必要ない遊びです。でも、この予想はよく当たります。 |
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ヤッホー。 教授。「ヤッホー」って何ですか? 西と北はやたらLがいっぱいになりそうです。あ! 天気悪くなりそう。そこで、考えて(天気図を観察して)みよう。 1002のLは時速45km、14は30kmで、冬と春のLの移動は高速ですね。秋は20kmくらいでしょ。 |
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お! 桜ダ。ならば、春の天気だ。みなさん、Lはそれなりに(悪さをするの)ですが、問題はHですよ。春はHに要注意なんです。 Lのうしろを見るのですよ。 気圧の谷がどうしたって? その背後だってば。その背後にHさんがいるのでしたっけ? あ! 桜が。そう、春の季節の気象なんです。 桜前線は東進だから、Hも東進〜ナンチャッテ。 |
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Hさんが日本さんに来るとき(来る直前)、そう、歓喜して、上空から寒気を呼び込む(地上に送り込む)構図になったら、山はやたら寒いド〜。 Hは地上で吹き出すんだが、3000mも寒いド〜。そうなったら、気象遭難の模式図だド〜。 小さなLさんは暖気をくれるからかわいらしいけど、H君が来るときは、山はセーターだド、春は。 |
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なるほど、私たちは気圧の谷に絶対に注目しますよ。そして、それが通り過ぎるのを待って、登頂アタックに出発です。だって、高気圧が来るんだもの。 これが、北西の冷たい風を吹き下ろすのですね。台風並みの!
教授。今日、4月1日の天気図、いつになく美しく描けました。けれどやはり載せるなら、あまりうまくはないけど、歓喜した寒気の3月21日の書取天気図を恥を忍んで公開します。
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●2010年2月27日(土)「2月27日の天気予想」
山岳会の気象委員会メーリンググループから、「24日夜現在の地上天気図から27日の天気予想をせよ」との課題が突如出されて、それを見たのが25日お昼前。締め切りは25日午後7時までとあった。間に合わないととも思ったが、せっかくの機会なので、挑戦してみました。
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24日21時の地上天気図に見る日本東の1025hPaのLは勢力が強い。
モンゴル付近にある高気圧の張り出しとの間に挟まれた気圧の谷は前線を形成しています。
この図からは、中国N34E117あたりから南西に延びている低気圧の谷が東進してくることが予想されます。
すでに24時間・48時間予想天気図があるので、それを見ると、上記の低気圧は前線を伴う低気圧(1002hPa→1010hPa)になって、26日21時には、低気圧の中心は南九州に位置します。
この前線は、27日は、東の高気圧に阻まれながらも日本の東、太平洋上に位置する予想が立つと思います。
すでに週間天気予報で発表されているとおり、27日は東京の降水確率が70%ですが、伊豆諸島は80%と高くなるのは、この前線に近づくからです。
そうすると、北海道・東北あたりは、西の高気圧の張り出しで晴れで、仙台以南、沖縄まで、低気圧の影響で雨が見込まれます。
東京より埼玉・山梨の方が降水確率が低くなるでしょうか? 長野などは同じですね。変わらないみたい。
なお、高層天気図は、週間予報天気図のアンサンブルのみ、今見て、27日の相当温度の等温度線が異常に混んでいるのは、風が強いことをしめしているのでしょうか?
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今、27日13時現在、予想したほどの雨ではなく、傘がなくても凌げるくらいの小雨から、雨は上がってしまいました。
今朝起きたとき、新聞を見ると、明日28日の神奈川の午前中は70%の雨になっているので、「明日の宮ヶ瀬尾根山行は中止」と思いましたが、インターネットで情報収集し始めると、どうやら雨は正午には止んで、夕方からは日が差すようです。しかも、出かけの午前9時ごろが本格的な降りであっても、気温が、下がってきて雪になる可能性が示されています。それじゃあ、中止にするわけにはいかない。
もしかしたら、まったく諦めていた眺望が雨上がりの午後に見えるという嘘みたい話になるかもしれません。
調べた情報をメモしておきます。
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1 天気予報(気象庁)神奈川西部
2 地上実況天気図27日午前9時
3 地上24時間予想天気図
4 地上48時間予想天気図
5 高層天気図AUPQ'78
6 高層天気図AUPQ35
7 高層天気図FXJP85
8 厚木・時間予報
9 清川村・時間予報
10 丹沢山頂上予報
以上によると、朝から正午までは弱雨。土山峠では雨具で出発の可能性はあるが、雨量は0〜1mm。
1000mでは確実に雪だが、宮ヶ瀬尾根は600mくらい。しかし、もともと雪は深いほうなので、雪の可能性は大。
正午には雨・雪は上がる見込み。期待は、そのあとの雨上がりの空気の澄み方次第では、声があがるほどの眺望が得られる可能性が出てきた。これは、大陸からの高気圧の張り出し具合にかかわるようだ。
高層天気図AUPQ'78の261200UTCの湿数は、舘野、輪島、潮岬で、全て0.0℃の湿域。八丈島では7℃だから、昨日の予報の伊豆諸島降水確率とは逆になっているように思えた。
春一番が25日に吹いて、現在も南の風が強い。
28日 土山峠付近の予報
0時 曇り 7℃ 北の風風力1
3時 弱雨 6℃ 北の風風力2
6時 弱雨 5℃ 北の風風力2
9時 弱雨 5℃ 北の風風力4
12時 弱雨 6℃ 北北東の風力3
15時 曇り 9℃ 北北東の風力2
18時 晴れ 8℃ 北北東の風力1
21時 晴れ 7℃ 静穏・風力0
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以上です。
週末の洞はフリーザー状態 でした。 |
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ヌタノ丸スカイラインとMKさんが命名した林道歩き(2010年1月16日) |
霧氷は、過冷却水滴が風で木の枝にぶつかってできるのだそうです。できるのはマイナス5℃以下の環境とあるのですが、わたしが見たときは、マイナス1℃。革手袋だったので、指先がしびれるほどに冷たくなり、軟弱な私は、ミニカイロを手袋の中に入れました。その後、ニットの手袋に変えたら、今度は暑く感じすぎるほどでした。手袋の材質でこんなに違うんだ、と変な発見をしました。
ところで、調べて初めて知りましたが、霧氷の他に粗氷(そひょう)というのがあって、同じ発生の仕方ですが、透明の付着氷だそうです。ご覧になられた方は、教えてください。(お)