街道は、尾根筋(周囲より高いところ)を通っていることが多いのです。大山街道の現調のときも、はっきりとした尾根筋(両側が崖になっていて急斜面)を認識すると、何となく嬉しくなったものでした。眺望もいいのです。

保土ヶ谷~藤沢間でも、何か所かで尾根筋を意識しました。尾根への登り下りの坂がありました。明治15年測量の迅速測図で「権太坂」「品濃坂」「(戸塚の)大坂」「遊行寺坂」をここでは見てみました。
上記のうち、戸塚宿の先で東海道が大きく右にカーブして行くのはなぜだろうと思いました。その「道の理由」は現代地図ではわかりにくいのですが、迅速図を見ると、一目瞭然です。

迅速測図 東海道 戸塚宿、大坂
迅速測図 東海道 戸塚宿、大坂

まっすぐに南下しようとすると、親縁寺の高い丘にぶつかります。南下する道もありますが、その道はどんどん山へ登っていって、街道には適しません。東海道は、この丘を避けて、北の丘陵地との間の沢筋に入って、なるべく無駄な登りがないように坂を登っていくのです。ここは、街道が尾根筋ではない個所です。

大坂は、富塚八幡宮前(A)が標高15m、大坂下22m、大坂上36m、国道1号線合流点(B)62mまで登るのです。ここからは原宿交差点(47m)に向かって下り坂です。
現調では、沢筋の間に昔の切り通しの痕跡が見つけられて、楽しい発見でした。

現在、この現調のメモを書いています。

2012年12月05日 (Wed)FC2ブログ 風人社OHの編集手帳からの転載

【該当マップ】 『ホントに歩く東海道』第2集(保土ヶ谷〜平塚・大磯)