2016年4月に発行した『ホントに歩く東海道』第13集(庄野〜土山)は、初版が売り切れ、おかげさまで増刷することとなりました。
先日、新訂版発行に向けて現地調査へ行きました。今年2024年までの8年の間に、さまざまな変化があり、驚きました。
訂正ページにもアップしますが、いくつかを読者の広場でも、お知らせいたします。
また、第13集新訂版の発行日等については、決まりましたらお知らせいたします。

6/7は、亀山駅〜亀山宿〜関宿〜坂下宿〜鈴鹿峠〜土山宿(道の駅あいの土山)
6/9は、土山宿(道の駅あいの土山)〜花枝神社(大野東口バス停)、亀山駅〜亀山宿〜井田川駅
を歩きました。

亀山駅前の鳥居がない

6月7日(金)くもりだったが晴れて暑くなった。
朝7時。亀山の北口に出たら、何か見通しがよい感じがしました。「あれ、鳥居がない」。
駅前のロータリーには大きくて立派な鳥居(日本武尊を祀る能褒野神社一の鳥居)があったのですが、なくなっていました。
そして、雑居ビルだったところに近代的な亀山市立図書館がどーんと建っていました。高層で、上がマンションになっているようです。その図書館の前には、日本武尊と弟橘媛の像が建てられていました。

早朝だったこともあり、びっくりしたまま、先を急ぎました(理由は後述)。
駅から東海道へはけっこうな登り坂で、東海道は高い所を通っていることを感じます。
坂の途中の南崎交差点(No.49mapC)で、交通安全の活動をされていた高齢の方が声をかけてくださったので、鳥居のことを聞いてみたら、2年前に駅前の開発があったとおっしゃっていました。

帰宅後、調べたところ、鳥居の撤去と扁額の移設工事を施工された杉田石材店さんのブログに、移設のことが書かれていました。
亀山駅前は、2022年に大規模開発が行われ、鳥居も撤去されたそうです。
鳥居についていた扁額は、亀山市歴史博物館(ホントに歩く東海道第13集No.49⑳)の庭に移設されました。
再開発に伴い、歴史博物館横から図書館も移転し、2023年1月に新図書館が、マンション「ポレスター亀山駅前」1〜4階に開館したそうです。

杉田石材店さんのブログには、次項の「二の鳥居」についても記事があり、移設の経緯、作業工程が詳しく丁寧に書かれていたので、ご連絡をして、リンクの掲載許可をいただきました。
ありがとうございます。

➡大きな石鳥居の額を展示保存|亀山市歴史博物館

二の鳥居も撤去

2024年6月9日(日)、朝、鈴鹿峠の西、土山宿から大野までを歩いて、昼から亀山駅から東へ東海道を向かいました。あいにくの雨天でしたが、雨脚は弱く、助かりました。

亀山宿の江戸口見付を出て、栄町のあたり、カメヤマローソクの工場が建て替え中でした。反対側を見たら、東海道から能褒野神社への入口であることを示す二の鳥居もなくなっていました。
あれ、ここじゃなかったかなとウロウロしましたが、マップの写真を見ると、両側の家は元通りのままで、鳥居だけがなくなっているのがわかりました。

こちらの鳥居も、杉田石材店さんのブログに、3回分けられて丁寧に撤去・移転作業の様子が記されています。
移転になったのは、駅前の開発とは関係なく、事故で鳥居が破損したのを契機に、移転が決まったとのことです。

➡【施工事例】石鳥居の移設工事1|三重県能褒野神社

➡【施工事例】石鳥居の移設工事2|三重県能褒野神社

➡【施工事例】石鳥居の移設工事3|三重県能褒野神社

杉田石材店さんは愛知県岡崎市にある会社です。会社案内の項目に、「日本の石材三大産地の岡崎市で文政11(1828)年に初代が開業した石屋です」とありました。
そういえば、東海道岡崎宿に石屋町があったのを思い出しました。どこだったかと『ホントに歩く東海道』第10集を見ました。

No.39解説面8ページに、「岡崎は本当に常夜燈が多い。しかも大きい。「石都」と呼ばれるほど、岡崎は良質の花崗岩(御影石)の産地である。田中吉政が東海道を城下に導き城下町を整備した際、石工を和泉・河内(現在の大阪)の国から移住させたのが始まりと言われている。石屋町通りには今でも石材店が多い」と書いてあります。

「いいこと書いてあるな」と、手前味噌ながら感心してしまいました。
ただ、残念なのは、マップ面に石屋町通りを記しておらず、はっきり場所がわからないのはいけません。新訂版の時に入れたいと思います。
(No.39MapC ㊱籠田公園のあたりから曙町1丁目交差点あたりまで、東海道の北側に東西の通り)

岡崎市石屋町通り 石材店が並んでいる
岡崎市石屋町通り 石材店が並んでいる(2015年4月)
岡崎市石屋町通り 花崗町公民館
岡崎市石屋町通り「花崗町」公民館(2015年4月)

移設作業の詳細な記録は貴重で、また大変な工程を経て石造物がそこにあるんだということを改めて感じました。
鳥居を見るときに、印象が変わりそうです。

➡株式会社杉田石材店さんHP

➡杉田石材店さんのブログ

余談

6月7日に亀山駅前から先を急いでいた理由ですが、その日のうちに鈴鹿峠を越えて土山宿へ到達しないといけないというのもありました。
しかし、私が焦っていたのは、関宿を西へ抜けた国道沿いにある「びっくりや」という焼肉屋(第13集 No.50 MapC ㉙)が10時開店で、ということに関心が向いていたからでした。いや、まず、お店がやっているのかというのが、第一の心配だったのですが、ネットで調べたら絶賛営業中・人気店とあって、お店のたたずまいの印象で心配したのが大変失礼な話でした(8年前に入った時は時間が16時頃だったせいか1組しかお客さんがいなかった)。
亀山から関宿の現地確認をしながら、うまく昼時の混む前の開店と同時に入って焼肉と焼きうどんの朝食を食べるということが、どちらかというとその日のメインイベントでした(それに合わせて朝7時亀山駅出発でした)。おかげさまで、10時過ぎに一番乗りでお店に入ることができ、牛カルビ、豚ホルモン、生うどんで味噌焼きうどを食べることができました。

亀山市 びっくりや
びっくりや。「営業中」の看板が出ている
亀山市 びっくりや 牛カルビ、豚ホルモン、キャベツ
びっくりや 牛カルビ、豚ホルモン、キャベツ
亀山市 びっくりや うどんも入れた
うどんも入れた

追伸

歩き旅応援舎さんから、「新しく出来た図書館の2階に、駅前の鳥居の解説展示がある」との情報をX(旧Twitter)経由でいただきました。二度も図書館の前には行ったのに、9日は1階は行ったのですが、このときも急いでいて、2階の展示は見ませんでした。行かれる方は、図書館にも寄ってみて下さい。

風人社(こ) 24.6.17