総合出版・編集プロダクション「ホントに歩く」東海道・中山道

別冊 課外授業ようこそ先輩
国境なき医師団:貫戸朋子

課外授業ようこそ先輩 別冊 国境なき医師団:貫戸朋子課外授業ようこそ先輩 別冊
国境なき医師団:貫戸朋子

NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ+ KTC中央出版 編
編集・制作:風人社
仕様:四六判 上製本208頁
定価:本体1,400円+税
発行:KTC中央出版
装幀:大野敏
2000年1月30日発行

番組名「戦争を学ぶ 命を考える」
1999年4月25日NHK総合テレビ放送
授業の場 京都教育大学教育学部附属京都小学校


NHK「課外授業 ようこそ先輩」のこれまでの放送では、ほとんど著名な出演者であったが、今回はちょっと異質である。番組予告やナレーションでも、「貫戸朋子ってだれ?」と、その意外性を喚起していた。そもそも「国境なき医師団」というのも、当時は、どれほど知られているか、よくわからなかった。  現代の小学生に、「戦争」や「生命」というテーマが関心あるものとは、とうてい思えない。そこで、番組制作者も貫戸さん自身も、本当に放送できるような授業と番組ができるかどうか悩んだ。そうして、一年間もかかった試行錯誤の準備の末に、いよいよ授業の本番が行われた。  番組は、少なからずの視聴者の関心を呼び、番組自体も1999年度国際エミー賞(子ども・青少年部門)を受賞。「国境なき医師団」は、1999年秋、ノーベル平和賞受賞のニュースで新聞を飾った。  その国境なき医師団の日本人第一号の派遣医師であった貫戸さんが、この番組でいろいろ悩みながら、母校の子どもたちといっしょに何を考えたかを、テレビ本放送と取材ビデオ74本をもとに、本書のための新たな資料取材も加えて、記録する。


目次

授業 ディベート その一
そのとき、あなたならどうする?

国境なき医師団とノーベル平和賞
国境なき医師団とは
ノーベル平和賞と日本事務局

授業の準備
授業前インタビュー
番組の制作現場から

宿題/授業・現地からの報告
授業 宿題「戦争を学ぶ 命を考える」
授業 国境なき医師団・現地からの報告
資料 国境なき医師団の緊急医療キット
資料 宿題作文
授業で 貫戸さんのリュックの中
授業で 貫戸朋子の現地からの報告
足を切断して/戦場の煙草/サミールがくれた民族楽器/子供たちの生活と学校
写真がないわけ/背が高かったせいで
資料 ボスニア・ヘルツェゴビナ

インタビュー 貫戸朋子の小学校時代と転機

授業 ディベート その二
あなたなら、行くか行かないか?

授業のまとめと感想

授業の場 京都教育大学教育学部附属京都小学校
あとがきにかえて 「課外授業 ようこそ先輩」シリーズと本番組について


国境なき医師団とは

「国境なき医師団は、天災、人災、戦争などあらゆる災害に苦しむ人びとに、人種、宗教、思想、政治すべてを超え、差別 することなく援助を提供する」 (国境なき医師団国際憲章より)
国境なき医師団(MSF)は、紛争、自然災害、伝染病などに苦しむ人々への医療援助活動を行います。
緊急事態に対する迅速な対応を行うとともに、長期的なプログラムとして、質・量 ともに不足している現地の医療施設や医療関係者を支援し、現地の医療の自立を促しています。
非営利の民間団体(NGO)であるMSFは、数名のフランス人医師によって一九七一年に創設されました。すでに緊急医療援助活動に参加していた彼らは、大規模な人権侵害が行われたり、人道援助を行うための最低限の条件が保障されない状況では、医療を行うだけでは限界があると感じていました。そうした状況を打開するためには、国際的な世論に訴える目的で証言活動を行うことも必要だと判断し、MSFを創立したのです。  毎年3000人以上のボランティア(医師、看護婦、助産婦、物資調達要員など)が、援助活動に参加しています。活動地域は現在一八〇か国にわたっています。
現地で行われるのは診断、処方、手術のほか衛生管理、栄養補給、医療施設の改修、現地の医療関係者のトレーニングなどです。現地とは難民キャンプ、飢餓に見舞われた地域や自然災害の被災地、医療が行き届かない遠隔地、そして戦時下の街などです。
また、資金面での独立性と組織の柔軟性を保つために、MSFは個人寄付を募ることを重要視しています。日本では四万人を超える方々のご支援をいただいています(1999年12月現在)。

国境なき医師団日本
国際的な組織である国境なき医師団はヨーロッパ、アジア、アメリカの各国に一九の拠点を置いています。
その一つである国境なき医師団日本は1992年の事務局開設以来、30か所を超える活動地に医師、看護婦、助産婦、ロジスティシャン(物資調達要員)を派遣してきました。内戦による負傷者の外科治療(スリランカ)、部族間の抗争が生んだ大量 の難民への食糧援助(ルワンダ)、難民生活を強いられる少数民族への援助(タイ)、睡眠病の治療および予防(ウガンダ)、阪神大震災時の医療援助(神戸)、医療が受けられない山間地の人々への医療援助(アフガニスタン)などさまざまな活動を通 して、国境なき医師団日本の活動規模は年々拡大しています。
また、人道援助について理解を深めていただくための活動にも力を入れています。国内各地で講演を行うほか、教育プロジェクトも行っています。
子どもレポーターとは、日本の子どもたちが世界の子どもたちの置かれている状況を取材し、国内でその報告をするものです。
MSFフォトジャーナリスト賞の受賞者はMSFが活動する現地を取材し、写 真展などを通してその結果を報告します。
個人の支援者に加え、企業や郵政省、さまざまな団体からもご支援をいただいています。そうして寄せられた支援金は、年度ごとに決定される十数か国(アフリカ、中南米、アジア)での活動と、緊急援助活動の資金となります。

記念すべき年 1999年
1999年、国境なき医師団はノーベル平和賞を受賞しました。受賞の理由には「あらゆる災害に苦しむ人々に国家・政治の壁をこえて高度に組織化された援助を提供するという理念を、高い独立性を保ちながら実現してきたこと、援助活動を通 じて対立勢力の間に対話の道を開いたこと」などが挙げられています。
また、国境なき医師団日本は特定非営利活動法人(NPO)としての認証を受け、法人格を取得しました。

(本書30-31ページより)

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