【小杉文庫】『芭蕉が舟でやって来た』小澤克己
区分江戸/坂道
タイトル『芭蕉が舟でやって来た』
サブ『奥の細道』深川〜草加水路説
著者小澤克己
出版社東京図書出版会(発売 リフレ出版)
出版年2007年4月9日発行
ページ数311ページ
判型四六判 上製本
価格(本体)1333円
記録者(し)


【概要】
北斎・広重など江戸の文化人で多くの旅をした人物には「実は隠密だった!」という噂がついて回るが、芭蕉もその一人。
最初の宿泊地が草加か春日部か、を始め、芭蕉による『奥の細道』の記述と随行者・河合曽良の日記については、数々の違いが指摘されているが、研究者たちはそれを「現実と文学的虚構との差」で解釈してきた。

自身も俳人である著者は、従来の解釈とは異なり、漂泊の詩人イメージそのものが芭蕉の作り上げた虚構で、芭蕉はそのイメージに隠れ、現実世界での重要な任務(幕府の特命使節?)を実践していたのではないか、そのため、深川の芭蕉庵から草加まで、実は水路を利用して船で移動したのではないか? という、驚きの説を展開する。芭蕉が『奥の細道』を始めとする紀行を行った元禄期は、幕府が関東各地の代官らを通じて水路の開削と改修を行い、舟運が整備された時期だった。

著者はこの「深川草加水路説」はほんの序文であるとし、続編「芭蕉は特命俳諧師——越谷会談説〜黒羽新説」のための研究に邁進していたようだが、本書発行の3年後に、胃癌のため60歳で死去されたという。非常に残念である。

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