そんなことでいいのか、と思われるかも知れませんが、正直に告白しておいたほうが、今後、本書についての確かな情報をお伝えできることになると思います。

『誰も知らない丹沢』のときは、まったくそうではありませんでしたが、この本の場合は、最初に私が「大山街道」に興味があって、その本を出したいと企画したものではありません。
じつはまず、著者が現れて、その世界に不思議な魅力があることから、その人が興味を持っている「大山街道」をテーマにして、著者の魅力を本の形にしようと思ったのがきっかけでした。
だから、私が面白いと思ったのは、大山街道ではなく、著者自身のことでした。

著者=中平龍二郎さんの関心事の一つ(関心事の多い人で、どのテーマでも面白いのですが)が、大山街道を実際に歩くこと(川崎市宮前区の市民講座で「大山街道を歩く」催しの講師として何度も歩いておられる)で、これが「未知の道シリーズ」にぴったりなので、私も本にすることを考えながら、最初は一緒に歩いてもらい、そのあと、編集部でも歩いてみることにしたのです。

私はまだ、その全行程どころか、半分を越えたくらいの行程を歩いたばかりです。(山登りとしての参道から頂上までは何度も行ってますが。)
本書のコースは、登山ではありません。これからも、この街道を何度か歩いてみますので、その様子もこの日誌に書きましょう。

(お)