(s−okの)誰も知らない丹沢 編集日誌

 このページは、編集日誌として、著者から聞いた話や参考図書で知った、聞きかじり読みかじりの知識の上に、編集子の勝手な思いこみをメモしていますので、間違いや浅はかな感想・意見が多々あります。文責は、もちろん弊社編集子に全てあり、著者その他の情報源の方には一切の責はありません。
 愚かなところは、笑って許してください。間違いの箇所については、ぜひともご教示下さい。
 編集者はもともと黒衣ですし、今回はほとんど出来上がっている原稿をまとめるだけの仕事なので、本当はこんな編集日誌などを公表すべきではありません。しかし、今回は特別に著者のお許しを得て、編集者の立場から、ひたすら本の宣伝をしようと思いましたので、皆様にもお許し願えればありがたいのですけれど。
 上記のように、このページの目的は、編集の舞台裏をさらけ出して本書の宣伝をすることにありますので、もし興味を持ってくださったら、ぜひ本書を買ってくださいますようお願いします。購読者へのアフターサービスができる方法を腹案として持っていますが、今のところ、それが実現できるというお約束ができないのが残念です。

最新の日誌はこちらから クリック! (2006年2月10日更新)


2005年10月21日(金)「ガイドブックとしてではなく」

 現在、西丹沢の本を作っています。
 西丹沢というのは、山歩きをする入り口までのアプローチが長く、従って交通費も嵩んで(西丹沢自然教室までのバスは片道1150円で1時間11分かかります)、日帰りの一般的な山歩きコースとしては、敬遠されている、マイナーな地域のように、まず感じました。
 「まず」というのは、このHPのやや余分なページ「遅ればせの山歩き」に書きましたように、編集子が山歩きのド素人で何も知らないところから始めていますから、西丹沢という地名を山歩きの対象として初めて知ったときに、そう思ったという意味です。

 「丹沢山塊は不思議な存在です。東京、川崎、横浜の三大都市の裏庭ともいえるこの山脈は、これらの世界一の人口密集地の騒然たる人、車、コンクリートの世界からわずか数十キロしか離れていないにもかかわらず、深山幽谷の静寂な雰囲気に包まれています。
 寄り付きがたい谷や尾根、ブナやモミの原生林がいまだに残っているし、バイケイソウ、マルバダケブキ、トリカブト、マツムシソウ、フジアザミの見事な大群落が密かに広がっています。クマ、カモシカ、シカ、サルをはじめ本州のほとんどのけもののほか、鳥も数十種が山中に生息しています。」(『丹沢夜話』の冒頭の書き出し)

 「深山幽谷」に対しては都心から近いと言いますが、はじめに書きましたように、「アプローチの遠さ」が、西丹沢を好きな人には、逆説的にひとつの魅力になっているように思います。不便がゆえに、あるいは、不便に値するというように。山の奥深くに入っているという感じです。
 私は、まず、ここを歩きたいと思いました。それで数回歩いた後に、早くもここの山歩きの本を作りたいと思いました。
 それには、どうしたらいいか? その方法の入り口は、偶然ではなく、わりと早くやってきました。
 西丹沢に行こうとして、ガイドブックでコースを探すと、畔ヶ丸、不老山、大室山、加入道山などが載っています(しかし、載っていないところの方が多いのですが、この話は後日に)。そしてガイドブックだけでなく、インターネットの情報を得ようとして検索すると、じつにたくさんの方がとても貴重な情報を提供してくださっています。とてもありがたく感謝しています。
 山へ行こうとする多くの人も、きっと同じようにインターネットを利用なさっているでしょう。
 そこで例えば、「世附峠」「大滝峠」などのキーワードで検索すると、いつも上位に出てくるサイトがあります。そして、そのページを単行本のページとして読んでみると、不思議な感動にとらわれてきます。そこはもう、自分一人で行けそうなコースではなくなっていますので、実用的な情報の取得として読んではいません。
 この人のように歩けたらいいなあ・・。そう思うようになったのは、そのサイトを訪ねてからそんなに時間の経過の必要はありませんでした。
 そのサイトの主こそ、本書の著者s−okさんでした。(s−okさんについては、あとでご紹介しますが、)s−okさんは、この地域の山歩き人として有名人です。
 私などの駆け出しでなく、たくさんのベテランの方々がs−okさんさんのサイトのファンであることはすぐに察しがつきました。
 私がやりたいのは、この著者と山行記の魅力を、書籍という形にしたいということです。
 すでにサイト上で公開されている山行記で、だれでもいつでも読むことができるし、プリントアウトもできます。書き下ろしは、ごく一部しかありません。それをわざわざ本にして、ほんとに買う人がいるのでしょうか?
 大丈夫です。本書をご覧下さい。ここをご覧下さっている方は、すでに買いたいと思ってられるでしょう?
 s−okさんと初めてお会いしたときも申し上げました。縦書きのページレイアウトに本文を組んで読んでみるだけで、読者は「ガイドブック」でない読み方になって、すると全くあたらしい感動が湧いてくるのです。これは、私自身の経験です。
 この感動を読者の皆さんとも分かちあいたいのです。
 「どのような感動」ということは、読んでくださればわかることなのですが、このホームページでは、少しずつ私の読み方もお伝えしていきましょう。
 この記録の通りに山を歩くために、必要な情報だけをガイドブック的に読むのではないのということを初めに申し上げて、他にいっぱい話したいことがありますが、今日はこのへんで。

 あっ、それから、今日から早速、本書の購読予約を受け付けます。まだ、ページ数も定価も決まっていません。初めは1000円ぐらいの冊子を考えていましたが、だんだん欲が出てきて、現在1500円ぐらいの本にする予定です。
 内容の細部も仕様も、編集中に刻々変化していきます。発行前まではキャンセル可能ですので、ぜひ、今すぐにお申し込み下さい。損はさせません。(直送の早期予約の方には2割の割引を考えています。期限あり)


2005年10月27日(木)小雨のち晴れ「地図落としはイメージ山行」

 毎日、時間があっという間に過ぎて、まとまった落ち着いた仕事ができずに心せくばかりです。
 本書の編集作業も一日中一度も取りかかれない日も多いのです。昨日もそうでした。もし、しっかり一日中作業に集中できていれば、すでに本になっていたかもしれません。ぐちはよしましょう。
 この本の発行の提案をしてから、とても迅速に、構成案として収載する山行記のリストをs−okさんからいただきました。
 その案がとてもよくできていて、一発で合格(スイマセン)の構成で、さすがと感心しきりでした。これでは編集者の出番はありません。
 選択は11本でしたが、そのうち10本を予定し、テキストと画像をs−okさんのHPからダウンロードし、あらかじめ予定していた組版マスターレイアウトに流しこみました。
 この作業は、実はs−okさんの他の山行記で、発行を社内で決定する前に行っていました。
 10月21日の記録に記しましたように、このように縦組みのページ組み版の形で読むと、コンピュータのモニター上や、HPページそのままのプリントアウトで読む文章とは、すごく違ったものになって読めることが不思議です。
 もしこれが味のない文章だと、この形にするとそれもまた明らかになり、HP上の感想と違ったものになります。
 本書の読者のみなさんは、私がこのように記していることを、実際に読んで納得してくださるものと信じています。
 そうして組んでいったものを順次s−okさんにお送りしていきました。これはまだ初校ゲラではありません。
 と、同時に、山行記の文章に沿って、経路を2万5千分の一の地図に落としていきました。
 (現在これの二度目の作業<本番用>を進行中です。今日もこれから取りかかる予定です。)
 コースは私は行ったことのないところですから、文章を読みながら地図上にコースをなぞっていくことになります。これはまさに地図上の山歩きです。
 山行は、予定コースを地図上に落とす山行前の作業と、実際の山行と、帰ってから記録する山行記との3回にわたって登山をするものだ、と地図読みの本から教わりました。
 だからまさにこの作業は、私のひとつの山行でもあるわけです。しかも私の場合は、実際にs−okさんの歩かれたドラマ自体をなぞっているのです。ここには山行にそった風景の写真もあります。出会う人や出来事のドラマもあります。
 このとき、2万5千分の一の地図を使用することが、私の一つのこだわりでした。
 白状しておきますと、本当は、私はいつかこのドラマを自分の足でもなぞりたいという夢を持っているので、密かにその予行をしているのです。
 それから、この作業は、とても有効な地図読みの学習にもなっています。
 この尾根は地図上の記載ではどうなっているのか、あるいは地図上のこの等高線の形状の通過は、実際はどのようであったのかを学ぶことができるのです。
 本書の地図の掲載をどのような形にするかについては、実は大問題があるのです。
 このことは後日に記しますが、こんな日誌をいつまでも書いているから作業が進まないのだ! と言った声が響いていますので、このへんで失礼しまして、さあ、仕事、仕事!


2005年10月28日(金)晴れ 「マル危のサツマイモ」
 編集部のKが大きなサツマイモを1つ買ってきて、テーブルの上に置きっぱなしになっていました。同僚のSが「そのサツマイモは会社で食べるのですか?」と聞くと、実はそれはイモ判用のものだというのです。
 「マル危」のマークをイモ判で作るのだそうです。なぜ「マル危」かと言うと、もし読者が本書のルートを気に入ってガイドブックのように読んで、気軽にこのコースを行こうとすると、それは非常に危険なことなので、本書の冒頭にでも警告・注意書きをはっきりとしなければならないと私が言っていたからでした。
 本書の発行で最も心配・懸念なのは、本書のせいで遭難・事故が起こることです。本書のルートは、「誰でも行けるわけではない丹沢」がほとんどなのです。そして実は困ったことに、それが魅力でもあるわけです。
 世附権現山の登山道入り口に、「初心者不向き」とあるのをちらっと見て、どうしてもそこに行きたくなってしまい、実際に行ってしまった私が言うのは変なのですが、読者の皆様には本書のルートについての誤解が起こらないように、どうしても注意を喚起する必要があるのです。そのためのサツマイモだったのです。できたハンコはお見せしましょう。本に使用されるかどうかはKの作品の出来次第で、現在は不明です。

 そんな危険なコースの地図落としの作業は、以下のような手順で現在進行中です。9月半ばから始めていますので、大変時間がかかっています。
 まず、国土地理院の2万5千分の一の地図、大室山・中川・山北・御正体山・駿河小山・須走の6枚をセロテープで貼り合わせます。実はこれは、私が使っている地図です。
 その前に、上の全部の地図を1枚4分割して、会社のスキャナーでスキャニングし、その画像データをレイアウト上で貼り合わせる作業をしました。しかし、あまりに煩雑すぎたため、アナログ方式に切り替え(つまり昔ながらのはさみとのりにして)、コースを追って、コピーした地図を貼り合わせました。そして色鉛筆で経路をなぞり、必要な部分のみを切り取ってページ上に貼りました。
 この作業を終えた順に、9月17日〜10月7日まで、s−okさんに送って、コースの校閲をお願いしておきました。
 この段階では、各コースごとにそれに必要な地域のみをつないだ地図を作ったのですが、総ページ数の関係と、実は地図をカラー印刷にしたいという野望があって、その試みとして思い切って全く違う方式に変えてみることにしました。その結果はまだ出ていません。
 実際の入稿データのことを考え、もう一度、スキャニングのデジタルデータ方式に変え、ただし今度は、例えば「御正体山上右」「−−上左」「−−下右」「−−下左」とファイルを整理して、コースに関係なく西丹沢全域をカバーできるようにしました。
 そうすることによって、本の見開き2ページに一つのファイルがぴったりレイアウトできます。右ページは、例えば、「御正体山上右a」左ページは「御正体山上右b」となります。
 こうやって順次貼り合わせていくと、西丹沢全域で26ページになりました。これはコースを追った地図ではなく全域の地図ですので、コースを描き入れると、一度もコースが現れないページが出現するかもしれません。
 それがもし10ページあれば、結果16ページとなって、印刷製本上、大変好都合なのですが、作業中でまだわかりません。
 s−okさんのコースの校閲が帰ってきました。今現在、その修正の指示に従って、デジタルデータの地図上にコースを入れる作業をしています。
2005年11月1日(火)晴れ 「丹沢の地名は刺激的」
 地名に関心があって研究している人は、結構多いと思います。歴史ある地名は、その名前自体にいろんなことが物語られていますから、地名を聞くだけで想像が掻き立てられるのです。
 西丹沢の地名は、また独特の深みを持って私の心を刺激してきます。ピーク名では、例えば、「西丸」「東丸」「椿丸」「畔ケ丸」……。峠名では、「悪沢(あしざわ)峠」「世附(よづく)峠」「恋路峠」「織戸峠」「城ケ尾峠」……などなど。
 「丸」に山の意味があるかと思って国語辞典を見たのですが、はっきりしませんでした。インターネット情報では、丸は朝鮮古語で山を指す言葉だと教わり、やっと納得しました。
 s−okさんに、もし誰からでも同じ質問で「西丹沢の魅力は?」と聞かれたら、決まり文句で構わないので何と答えますかとお聞きしたところ、その答えの一つとして、昭文社の「山と高原地図」を広げて見せてくれて、前記したピーク、西丸・東丸・椿丸と指でたどると、そこには赤線の登山道どころか、赤破線も黒線も黒破線も何もない、ぽっかり広い地域が空白になっているのです。
 もうそれだけで私にはひとつの素晴らしい答えなのでした。このことに関しては、s−okさんが本書で書いてくれる予定です。
 私は、本を売らなければならない商売人でもあらねばならないのですが、現在はまだ、山の仲間にも本書の宣伝はしていません。しかし、お酒も入って話し出すと、丹沢のことばかりしゃべっていて、それが嬉しいことに、私の熱が相手に伝播して、聞いている人も西丹沢へ行ってみたいと言うのです。私はそのことに驚いています。
 
 地図は今日(10月31日)現在、10本中の8本に経路を入れました。経路だけでなく、本文の写真のある箇所に番号を付して、その相番号を地図上に落としています。
 読者は本文を読み、地図をたどり、その番号の箇所の写真を見ることによって、s−okさんの山行を体験していけます。それは、s−okさんの山行の心に触れていくことです。
 さらにまだ残っている作業があって、それは刺激的な西丹沢の地名を2万5千分の一の地図上に書き入れて行くことです。読者は、国土地理院の地図には記されていない地名も、本書で楽しんでいただけます。
2005年11月4日(金)晴れ 「地図表現のジレンマ」
 作業は、地図だけでなく、同時に編集部では初校準備を進めてきました。s−okさんからお借りした写真原板(よく整理されていて驚き)のうち、紙焼のものは弊社でスキャニング。全ページの仮組版から、書体、級数、マスターレイアウトを整理した本番用マスターを作成して、全ページを修正、整理。そのページ上の仮画像データを上記の本番用画像データに置き換えました。
 残念ながら本文図版はモノクロです。
 余談ですが、紙媒体の書籍というもののすばらしさは、インターネット一辺倒の人がおられたら、ぜひ再発見していただきたいと思っています。本書は、そのいい例になると自負しています。
 私自身は、デジタルの世界に多大な恩恵を受けていて、その無限の可能性に価値を見いだす者ですが、同時に、アナログの「モノ」の世界の「味」が、切なく好きです。
 モニター上に現れるものは、いわば光です。電源を落とせば消えます。書籍のページは、手に触れられる紙というモノです。私はよく、「なでるように本を読んでいる」と人から揶揄されますが、新しくできあがった本などは、インクのにおいを嗅ぎながら紙面を指でなでてしまいます。
 その紙面の表現力を味わってください。
 閑話休題。全ページの本番用の整形作業が終わると、いよいよやっと初校出しですが、その前にひとつの大きな節目があります。その話はこの次に・・。
 それから、内容の案内をまだしていません。それもお楽しみにしてください。でも、予約は今すぐしてくださいね(発売まではご予約は自由に取り消せます)。なぜ早いほうがいいかというと、予約者には、重大な変更などの情報をメールにて行う場合があるためです。
 さて、地図作りはいよいよ佳境に入りました。経過を今一度まとめておきます。
 西丹沢地域の国土地理院の2万5千分の一の地図を6枚(大室山・中川・御正体山・山北・駿河小山・須走)をそれぞれ4分割のデータファイルにします。このとき、現在実験的にPhotoshopの出力レベル調整で入力値を極端に140まで高めて、等高線のすべてが現れるようにしています。このことの難点は、地形図がやや黒々として、かえって全体として見にくくなります。雰囲気として、見やすい地図か、細部がわかる地図かの分岐点です。
 6枚の地図の4分割で、24本のファイルができました。前記したように、ファイル名はたとえば、「中川上右」「中川上左」「中川下右」「中川下左」ですが、本書の地図名では「上右」の代わりに北東。以下、北西・南東・南西に置き換える予定です。
 そして1ファイルは原寸でちょうどぴったり見開き2ページに配置でき、同一ファイルの右左(東西)に2分割します。つまりページ数としてのトータルは、これで48ページになります。
 このうち、最初からコースにかからない地域のファイルを除くと12ファイル24ページになります。これを16ページに収めたいのです。
 コースを地図上にすべて入れた上で、見開きページのうち片方の1ページにコースがかからないものを削除しました。それで19ページになりました。残り3ページのうち2ページは、そのページに1か所だけ端の方がかかるだけなので、続くページの方にくっつけました。最後の残りは「至る駿河小山駅」と書いて省略することもできるのですが、16ページ目に当たる地図の上半分がコースの空白なので、そこに入れることにし、めでたく16ページに収まりました。この地図のページの関係は表にまとめました(未、近日アップ予定)。
 昨日までに、16ページの構成、経路入れ、写真相番号入れを終えましたが、コース線が太いのと、相番号の文字が大きいので、今日、全ページの改変を試みました。
 コース線は細くすると、例えば尾根のどちら側を巻いて通ったかが示されてしまい、実際上今の段階では正確に書き入れることは編集部では不可能です。ですから、線をわざと太くして、つまり曖昧にして、「この辺を通る」というようにしておきたかったのですが、そうしたものは、少しダサい感じで、地図を汚し気味です。それで思い切って線を半分の太さにしましたが、案の定、これでいいのかと困ってしまいました。読者の皆様には、あくまでもコースの概念であることを喚起しておかないと、危険でもあります。
 それから、地図読みをする方はよくご存じでしょうが、2万5千分の一の地図上の登山ルートは、実際の登山道と違っていることがあります。これも検証して正確に入れることは今は不可能です(GPSによる行動軌跡でも使えば可能かもしれません)。
 地図読みの講習会ではっきり教えてもらって、実際に違っている箇所も知っていますが、本書では、2万5千分の一地図記載上の登山道に関しては、on the routeとして「その登山道を歩いた」ということにします。
 しかしまだ、このような方向で最終的にうまく行くかどうかは、不明です。
2005年11月7日(月)晴れ ファンの気持ちを本に反映する」
 s−okさんのHP「ようこそ! 山へ!!」に弊社のHPがリンクされました。ありがとうございます。お陰様で、今朝、出社早々に、それだけで一日が明るくなってしまうような嬉しいメールを拝受しました。
 s−okさんのファンの方からでした(続いて他の人からも来ました)。
 メール文には、s−okさんへの熱い思いが示されてあり、私こそがそのファンの最も新参の一人であることを思うと、そんな私がいきなり著者と直接にやりとりをさせていただいている幸運というか、贅沢、過分な光栄を申し訳なく思わざるを得ません。
 それで、早いうちに次のことを書きとどめておかねばならぬことに思い至りました。
 この編集日誌の最初にも、どのようにしてs−okさんにHPの出版化をオーケーしていただけることになったかという経緯については書いていません。
 初めてs−okさんにメールを送る前に、いちばん心配だったのは、この世界では有名なサイトですので、大手出版社からの出版のオファーがすでになされている可能性があって当然です。それどころか、すでに企画が進行中で間もなく発行というタイミングだって考えられます。
 私はもし、オファーだけがなされている状況なら、いくつかの出版社と競合しても交渉をしてみるつもりでした。大手に比せば、著者にとっては経済的にも圧倒的に不利な条件である弊社ですが、「私が作りたい」という気持ちが強かったからです。著者にオーケーしていただけるまでの道のりは、長くなるかもしれないとは予想していました。嬉しい予想はずれでした。
 どのようにして、弊社のような零細版元が出版権を得られて、私がどのように欣喜雀躍したかについてのプロセスは、やはり今は書きません。
 それよりも、新参者の私が、s−okさんとの頻繁なやりとりができたり、ダイレクトな情報をいただけたりするのは、「厚かましい」とか、「三年早いよ」という気持ちがある一方で、これは職業上の特権というより、読者に対して負っている義務であることをお伝えしておかねばならなかったことです。
 s−okファンの方々に、私が仕事上のおつきあいの中で得たものを、本によって読者と共有すること。読者に満足していただけるかどうか。それが問題で、ファンからうらやましがられればそうであるほど、私は喜んでいる場合ではなく、責任が重くなっています。
 編集者としてファンの代表になって、熱い気持ちを本に込めたいし、それは、現在進行中の著者との充実した緊張関係によって、必ず本に滲んでくるものと信じ、頑張ります。
 今日は嬉しいメールをいただいたので、予定外の日誌になりました。
2005年11月9日(水)晴れ 「“美しい言葉”の山行記」
 メールで本書の予約をくださった方の1行通信に、「丹沢を知りませんが、s−okさんの詩的な文章が好きです」とありました。
 「詩的な文章」だけでも十分ですが、「丹沢を知りませんが・・」という前置きで、文章を詩的に感じられている様子がよく伝わり、私までが嬉しくなりました。
 私の尊敬する著名な詩人が、「美しい言葉」の条件を示してくれています。
 「正確であること」そして「その人の発見があること」、この最初の二つの条件は、文句なくs−okさんの文章にあります。これだけでもすばらしいと思います。(3つ目の条件は、ここでは省略)
 「正確」で「発見」があるだけで、その人の世界は表れます。s−okさんの「過不足ない、落ち着いた筆致」は、上の2つの条件を満たしていて、それによってs−okさんの心が読者に伝わります。
 「語り過ぎない」「説明し過ぎない」発見は、「ああ」と読者を呟かせます。本書の編集作業としての原稿整理は、少し読点を追加したぐらいで、ほとんど赤字を入れていません。

 初校出力の前に一つの節目があると、前に書きました。
 本の作り方は、それぞれの本によって、その都度、本当に違います。本作りは「段取り八分」で、作り方が決まれば、本のイメージもできあがっています。「初校」というのは、文字通り「初めての校正」という意味の場合もありますが、本書では、大事な一つ目の節目を越えたときが、「初校」です。 
 その節目とは、「台割表の作成」です。台割とは、印刷機の版面の数です。本のページ数は、製本の仕組み上、16ページ(表裏各8ページ)単位の倍数がベストです。それで、16ページを1台(または1折)と言い、本書のページ構成を台数に応じて決めるのが台割です。
 本書は最初、廉価で販売したいため、96ページ(6折)ぐらいの薄い冊子を想定しましたが、それを変更し、収載予定山行記の原稿分量から割り出して、本文を144ページ=16×9折の予想に改めました。その上に地図を16ページ(1折)加え、総160ページ(10折)にし、判型はA5判正寸で、少し大きめとしました。ハードカバーは予定していません。
 そして、これをシリーズ本「道と未知」(これは、「未知の道」も「道の未知」も含む)の第1弾としようという計画です。
 こうして、160(144+16)ページの、仮の台割と、初校ゲラができました。これからそれを著者に送って、読み直していただきます。明日発送の予定です。そして、編集部でも、同じ初校ゲラによって、実は初めての本格的な校正と、台割と各ページをにらめっこしながら、構成上に工夫(読者へ提供できる内容の充実)をしていきます。
「地図の構成表」もその一つでしょうか。予告していましたこの表は、以下、別表に掲げます。
 これからの初校で、本文を読みながら図版・地図との照合もしていきます。

 (ご予約下さった方には「予約者通信」を発信します)



2005年11月11日(金)曇り 「きわめて個別はきわめて普遍」
 「西丹沢がブームになるかも」(s−okさんの掲示板の書き込み)とか、「西丹沢の自然破壊につながらないか心配」(弊社宛の予約申し込みメール)という声を聞きましたが、どちらも西丹沢を愛してやまない気持ちがすごくよく伝わります。
 誰にも自分だけの西丹沢があり、そしてお互いに「同志」であることを感じているので、そんな自分だけのとっておきの場所がメジャーになるのは、一方で好ましくない気持ちになります。私も同じです。
 「知られたくない気持ちと知ってほしい気持ち」のアンビバレントは、物作りの宿命だと思っています。
 でも私は、心配ないと思っています。西丹沢がブームになってメジャーな登山地域になることもなく、したがって、観光客がどっと押し寄せるような、極端な自然破壊に見舞われることもないと思います。そんないつまでもマイナーな山域であることが、西丹沢の魅力の一つでもあると思います。みなさんもそう思われているでしょう。
 本書はどなたにでも、「西丹沢のこの道を歩いてください」というガイドブックとして作るのではありません。
 s−okさんという静かな山を静かに歩くのが好きな新鮮な岳人が、歩きながら触れる心の風景を、やはり静かに読んで味わえる本にしたいのです。
 山を歩かない人にも(もしかしたらそんな人の方が)、s−okさんの文章からいろんなことを発見してくれるかもしれないと期待しているのです。
 (私自身の本音は、この本で学んで、いつかs−okさんのように実際に歩けるようになりたくて仕方ありませんが。)

 s−okさんの掲示板には、「丹沢のそれも西丹沢の本とのことで嬉しいです」ともありました。
 これはもちろん、私が言い出したことではありませんが、非常に個別的なきわめてローカルな特殊な例であればあるほど、逆説的に誰にでも当てはまるものになっていくと思います。
 例えば、本の読者の対象として、よく「広く一般」といって、誰でもを目指すと、それは結局誰も読まない本になったりします。例えば、「中学生の読者に」と書かれた本は、また高齢者でも読める本になります。だから作る側は、大きなマスとしての読者を想定しないほうがよく、つまり誰でもに合わせるのではない方がよいのだと思っています。
 限定された「特殊な事例」には、その分だけの具体度が高まるのです。本書は、関東の山や神奈川の山ではなく、丹沢の、中でも、西丹沢の本なのです。
 そして、当初の想定読者は、登山家の中でもごく限られた、いわばマニアな世界の少数派です。でも、その人たちは必ず読んでくれます。
 そしてその人たちが本書に共感し、読みとっているものは、ローカルでマニアックな特殊なものではなく、自然を愛したり山を歩いたりすることに心寄せるすべての人に共通なものであることがわかります。
 例えば、(願わくば)本書にマニアックな読者が現れてもらえば、その人は山に行ってもいない子どのたちや高齢者やさまざまな身近な人に、この本の世界を話したくて仕方なくなるかもしれません。(私自身がそうです。)
 逆にもし私が、その聞き手の一人なら、すぐにその本を読んでみたくなり、私とは違う世界のその本に、自分の新たな発見を見つけて、著者と共感していくに違いないと思えるのです。
 理想的には、本書をそのように作りたいのです。西丹沢の「世附源流」は、日本各地、北海道や九州・沖縄や、それぞれの地方の、「ある」地域と同じなのです。

 昨日、初校ゲラ(本文のみ)をs−okさんに発送しました。
 地図集は一応できていたものを、これから改変・修正することにしました。
 「予約者通信」第1号を発信しました。
2005年11月14日(月)曇り・寒い
 つくばの国土地理院に、地図の書籍への転載許諾申請の問い合わせで電話したのは、まだ真夏の頃でした。とても親切な対応で、細々としたことを教えてもらいました。
 使用地図が決まったので、いよいよ申請です。申請書類の用意を編集部で始めています。
 s−okさんから、「まえがき」の原稿(400字×5枚)が届きました。まえがきに記されている本書の構成に関して、章別の扉を設けたいのですが、そのためには台割の修正が不可欠です。前書きとも関係しますが、本書の内容に関してのご案内が、時間が足りなくてまだできません。申し訳ありませんが、いましばらくお待ち下さい。
 地図の改変・修正に時間がかかります。これも台割と関係しますが、文章と地図との照合の利便性で、ここに詳しくは書けませんが、中くらいの問題が生じています。
 予約者に予約者通信第1号が届いていないとの連絡がありました。すでにご予約された方で(11月11日15時以前のお申し込み)、もし届いていない方がおられましたら、ご一報下さい。なお、11月11日15時以降のお申し込みの方には、現在発信していませんが、第2号までに(もしくは第2号と同時に) 発信いたします。
2005年11月16日(水)晴れ 「迷ったら元に還れ」
 地図を修正しようとしましたら、大変なことになりました。
 太い線を細くし、相番号を小さくしようとしただけなのに、結局、結論としては、最初からやり直すことになりました。2ヶ月以上かかったプロセスはもちろん無駄になるどころか、それがないとできませんが、やり直しはやはり最初からです。
 出来上がっていた地図の修正を同僚に依頼したところ、「まったくわからん」とぼやくのです。「そんなはずはない!」と言い返すのですが、それは私がずっとやってきた過程で、私自身は地図の構造を理解するための概念図をすでに頭の中に描いていたのです。その概念図を先に作って見せなかったために、初めて見た同僚は、この地図が使い物にならないように見えたのでした。
 編集部は、昨夜、険悪な雰囲気になり、仕事が山ほどあるのに、土日に山へ行こうとするため、余計に仕事が残り、私は精神的にイラッときてしまったのでした。
 そんなときに、s−okさんにメールを打ったものですから、すごく心配をかけてしまって、本当に申し訳ないことをしました。s−okさんは、とても心優しく気遣いが細やかで、窮地に陥ったご自分の体験談(「迷ったら元に戻れ」)をわざわざ教えてくださっての励ましのメールをいただきました。本当にスイマセンでした。
 私も同様に「迷ったら元に還れ」の原則を、いつも心がけようとしています。
編集作業も全く同じで、戻るべき原点のコンセンサスがあれば、チームは大丈夫です。
 躓いた事態よりも、精神的な弱気のほうが、大げさに感じるのです。今回の事態は、それほどたいそうなことではありません。しかし、絶対に言えることは、困難や苦境を乗り越えると、その分、必ず本はよくなります。解決すべき問題が多いと、そのことの工夫が内容をよくしていきます。
 今朝は、解決策を相談して決め、やり直し作業を同僚が始めました。
 国土地理院の2万5千分の一原図は、濃度調節をやめ、原色のままとします。それで原図は差し替えます。コースは色別にし、相番号もコースの色と同じにします。コース線は透明にし、地図の等高線が見えるようにします。地図集の構成概念図を作成し、前後見返し(予定にありませんでした)に掲載します。同時に、例えば、扉裏にコースミニ概念図を付記します。
 以上のようなことは予定で、その通り実現するかどうかはいまのところわかりません。
 それで私の方は、前付け(前書き・目次など)、後付、付き物(カバー・帯など)の作業にかかれます。
2005年11月18日(金)晴れ 「雨降って・・・」
 s−okさんから届いた「まえがき」を読んだ編集部の某が、「s−okさんは文章がうまいですね」と言いました。私は内心、「当たり前だよ。何をいまさら」と思いました。私は、人の文章を読む力は人並み以上にあるのです。
 もし、私の書いている、それからこれから書く文章が、自慢気だったり、偉ぶっていたりしたら、ごめんなさい。私には自慢できることなど、ほとんどないのですが、一つだけ内心に自負しているのが、もしかしたら、ちょっとだけ「人の文章を読む力」があるかもしれないと思うことです。もし、リーダー(読む人)というプロの職業があれば(外国では出版社の社外リーダーという専門職があるそうですが、そういうのではなくて、文章に書いた人のその時の気持ちを読むということです)、私はそれになりたいと思います。たまには、数行のメモ書きでも、その人のそのときの気持ちを想像することができることもあります。
 前にも書きましたように、s−okさんのたんたんとした落ち着いた筆運びは、読む者にとても気持ちのいい時間を与えてくれます。一緒に山歩きをしているような……。
 それで、本書「オビ文」の下書きです。
 <西丹沢は東京から日帰りできる山域でありながら、深山幽谷の世界。インターネットの人気サイト「誰も知らない丹沢」から、「誰でもいけるわけではない」バリエーションルートを含む、10本の山行記を収載。あなたも、本書の中で、s−okさんと一緒に静かな山の世界を歩いてみませんか。>

 表紙カバーの写真は、「地蔵平」の予定で、仮デザインしました。
 地図集は、「雨降って」、スッキリした仕上がりになりました。同僚は偉い。
 同僚Sの申請書手続きも、順調にいきそうです。
 来週は、残り全ページの初校出校と、s−okさんからの校正戻し、及び加筆追加分をいただくことです。

(2005年11月22日、一部改変しました)


2005年11月24日(木)晴れども富士は見えず 「“いじわる”というプレゼント」
 11月22日(火)に、やっと仕上がった地図集16ページのカラー出力校正紙をs−okさんに送りました。
 本文初校の著者校正終了のお知らせをs−okさんからメールで受け、続いて、送ったばかりの地図集の校正終了のお知らせもすぐにいただきました。
 弊社からは、今日、まえがき、仮扉、目次、中扉4章分(表裏8ページ分、章リード文)、奥付の初校ゲラを発送しました。
 中扉の写真案は、第1章「椿丸」、第2章「浅瀬ゲート」、第3章「東丸・西丸」、第4章「樹下の二人」で、その扉裏に、その章のリード文が入ります。
 本文ページで残っているのは、目次裏に入れる予定の「○危」注意文とコースタイトルのリード文です。
 そのほかに、書き起こしの新規分としてコラムが入れられるよう検討中です。これはs−okさんが思いを込めた短文エッセーです。
 明日の発送予定は、カバー・オビ案(カンプ)です。できるかどうかは未定です。
 同時に、宣伝用チラシを作成します。

 いよいよ内容の案内をいたします。(私の親しい山の仲間から、「待ち遠しいので余計なことをしてないで早く本を出せ」と催促のメールを今朝いただきましたが)
 まえがきに書かれたs−okさんご本人の校正プロットの転載です。
<第一章では、「西丹沢への憧れ」として、初めて甲相国境尾根を歩いたときの喜びと、地図上の大きな空白域である「世附川源流域の山々」への憧れを紹介します。
 第二章では、「夢実現に向けて」として、かつては東海自然歩道の候補でもあった「富士見峠?織戸峠」を歩き通すまでを紹介します。
 第三章では、「地図読みの楽しさと単独行のリスク」を紹介します。
 第四章では、「出会いの喜び」として、山歩きやネットを通して知る人と人の出会いを紹介します。>

 第一章には4コース、第二章には3コース、第三章は1コース、第四章2コースの合計10コースです。本書には、その本文以外に16ページのカラー印刷の2万5千分の一地図集を巻末に収載し、その地図上にコースと、本文写真の相番号を付しています。
 昨19・20日、私と山の同僚2人の計3人で、本書の第一コース「菰釣山−平野(甲相国境尾根)」を検証山行してきました(余裕ができたら「遅ればせの」に簡単な記録のメモをします)。素晴らしいコースでした。
 ところで、この日誌の読者の中にはすでにお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、今まで弊社の新刊予告には、まえがき全文や少なくとも目次はお知らせしてきましたのに、今回はまだ発表していません。
 「コースを発表したら、HPからすぐにダウンロードして読まれて、本が売れなくなるかもしれない」ことを怖れているのだろう、とお考えですね。
 日誌の最初で、たとえHPと全く同文でも、本書の必要な人には絶対売れると言っておきながら、なんと狭量と思われるかもしれませんが、残念ながら少しだけそのことも頭をかすめました。
 なあんだなんて思わないでください。それは、「少しだけ」であって、本心はあたたかいプレゼントのことを考えているのです。もし、目次のコースを全部先読みして、その上で本を買ったら、結論を予告編で見た推理映画みたいなもので、順に追っていくプロット、構成表現の読みとりに「損」が生じるのです。
 読者の中にそのコースは何度も読んでいると思われても、ゆっくりともう一度本書で、静かな旅を楽しんで下さい。
 それが私どもの「いじわる」というプレゼントです。

 予約者通信第3号を22日に発信しました。


2005年11月28日(月)「地蔵平のイマジネーション」
 11月11日の日誌の中で、「知られたくない気持ちと知ってほしい気持ち」ということに触れました。
 第一の目的はそこを確認するためだけで、地蔵平へ行ってきました。地蔵平はまさに「知ってほしいのに知られたくない」ほど、じんと心にくる空間でした。
 s−okさんからは、「じんとのあとに続く感動を聞かせて!」とメールをいただきましたが、どうも私の胸を圧したものを文章にすっきり落とすことができなさそうな予感がして、つまり、自己満足できない答案用紙を提出するのがいやで、仕事を急いで感想文のアップは後回しにしようと考えていました。
 でも、思わせぶりに長引かせると、さらに答案の合格点のハードルは高くなってしまいます。こういうときのずるがしこいコツは、間髪おかず、とりあえずの概略を箇条書きにしてしまうことです。
 それで、
1.私が今で来たことのなかった「山奥」という風景。
2.その山奥の山間の空間が、「歴史」の磁場であること。大きな歴史だけでなく、決して裕福でも派手でもない生活を、人がそこで営んでいたという、人々の日常のドラマが、イマジネーションを刺激すること。
3.s−okさんの本書のルート「たとえば、ここから二本杉峠へとか、信玄平へとか」の入り口を確認するために数メートル入ると、本当に「私一人ではとても行けない」ルートだとわかること。だから、もし本書のルートを初めて歩こうと思われたら、私がやったように林道歩きで地蔵平まで来て、その入り口を確認されればいいと思う。それにしても、s−okさんは凄い!

 そして、この地蔵平行きの第一の目的の他にも、実際に素晴らしい紅葉が見られたこともあり、さらに特筆すべきことがたくさんありました。それはいずれゆっくりと記録したいと思います。

 11月24日(木)、「はじめに」「目次」「仮扉」「奥付」「中扉4編(2×4=8ページ)、章頭リード文」の初校紙をs−okさんにお送りしました。
 11月25日(金)、今度はs−okさんから本文初校戻し、カラー地図集初校戻しが届きました。同時にこちらからは、「くるみ表紙カバー(4色)カンプ」「その縮小版ミニ見本」「腰帯カンプ」「ミニチラシ(4色)見本」をお送りしました。
 残りは、「西丹沢地域概念図」「○危注意書き」ですが、s−okさんとの校正のやりとりの中で、空白ページがあれば、コラムとして2本書きたいと申し入れがありました。「地蔵平の思い出」と「世附川の番人」です。
 編集作業は、初校出しをしてから台割整備のため、8ページ分を操作で捻出して、ぎちぎちになっていますので、このコラムが入らなくなったのです。
 しかし、「押してダメなら引いてみる」ことにして、増ページにする案を今朝検討し始めました。
 本の編集も最終コーナーに入ろうとしているのに、本書は基本的な仕様さえもまだまだ進化していきます。どんどん欲が出てきて、これからも自分でも、仕上がりがどうなるか楽しみで仕方ありません。
 しかしそろそろ、宣伝用ちらしのために、書誌データを決定せねばならず、定価を決めるための原価計算も確認しなければなりません。先週末に一応これを決めたのに、今朝、どうしても増ページしたい要素が出たのは、厳しいのに嬉しいことなのです。これに関して、s−okさんからは、とても嬉しいメールを立て続けにいただいています。
 宣伝用チラシについては、増ページを決定しないままの書誌データで、本日とりあえず見切り発車いたします。本の予価は、今まで1500円くらいを頭に置いてきましたが、1600円と、申し訳ありませんが100円高めになりました(詳しい事情は次回の予約者通信第4号に記します)。
 宣伝用チラシ(モノクロ、B5判)も作成しました。下掲。ミニチラシ(縦10センチ×横12.8センチ)も作成しました。また、書誌データ用ページ(当HP内のページ)を別に作成しますので、そちらに徐々に集積していきます。

B5判モノクロちらし
B6半裁判カラーミニチラシ

 早期特別割引(2割引)期限は、2005年12月15日(木)受付までとさせていただきます。以降は、発行発売当日までの第二次予約募集に切り替わります。本書購入ご希望の方は、お早めにご予約ください。


2005年11月30日(水)「見えないすり鉢」
  こんなに詳しい編集日誌は、ずいぶん本を作ってきましたが、初めての経験です。
 12月1日、社内で初校直しを出校し、2日は再校を出校して、それをs−okさんにお送りします。基本的には、この再校戻しが著者校了です。
 再校では、誤字脱字、表記統一、照合関係、組み版デザインの詰め、などが主作業で、それはもう読み直す作業なので、「内容」は出来上がっている状態です。
 お客様を案内するモデルルームの段階が再校正で、その前日は、社内での最終準備です。
 モデルルームを公開すると同時に、現物の建造物は、全容が姿を現し始めています。再校は本づくりのプロセスの二回目の大きな節目です。つまり、ここで「台割」が確定するのです。
 この確定は、例えば、目には見えないすり鉢を想像して、その底に穴があって、ボールを上から転がすと、ルーレットの球のようにくるくる回りながら、最後はぴたっとその穴に収まる、まるでそんな決まり方をするのです。台割の決定が、です。
 実際にはすり鉢の形は目に見えませんので、途中の編集過程で球がどこを走っているのかはわかりません。そのため、チーム内でけんかをしたり、編集者自身が不安でよく眠れぬ夜もあるのです。
 結局、8ページの増ページを決定したことによって、ぴたっと収まりました。
 s−okさんのすごくいいコラムが入りました。「地蔵平の女の子」と「世附川・浅瀬の番人」です。台割上もその位置以外に入れることは困難でした。
 西丹沢山域概念図は、前後見返しに印刷する予定を、本文中に入れました。地図集の前の本文モノクロページに、地図集構成表が入りました。
 マル危の版字は、編集部が、芋版でなく木版で捲土重来して、合格になりました。
 来週は、いよいよ印刷所入稿準備で、この調子で行けば年内発行も可能です。
 いや、しかし、まあまあ、もうちょっと頑張ります。
 毎朝出社して、メールを開くの楽しみです。今朝も気が高ぶるほどのすごく嬉しい励ましのメールを予約者からいただいています。
 もうしばらく、今後とも宜しくお願い申し上げます。

 予約者通信は、第4号を11月28日に発信いたしました。
 予約者で未着の方は、ご面倒ながらご一報ください。
 バックナンバーも、ご遠慮なくお申し付けください。


2005年12月5日(月)近くて大きな富士見日和「頂上間際の急登」
「更新日記」に記しました通り、本書『誰も知らない丹沢』(データページ)の再校という大きな節目を無事通過しました。8合目胸突き八丁ですが、頂上はすぐそこでもあります。
 頂上間際がすごい急登(仕事量の多さと短距離で急高度をかせぐこと)ということはよくありますよね。
 再校は、台割の最終決定(総ページ)に合わせて、全てのページが揃っていなければなりません。扉、扉裏、目次、コラム、参考図……。本文だけでも本は出来上がらず、これらの細部がまとまったときに、書籍の構成力が姿を現します。
 作りながら「いい本になったなあ」とこの段階で自然に思えてくればしめたものです。もう、頂上の素晴らしい展望の直前に来ているので、どんな厳しい急登でも、それは楽しいものです。
 結局、書き下ろしコラム2見開き(4ページ)が入り、章扉の工夫もバージョンアップします。
 再校の校正では、表記、誤字脱字、照合関係、レイアウトデザインと、仕上げのための化粧作業です。再校で一挙に付したルビは、実はなかなか手強く、特に地名は諸説もありますので、判断に苦しむものもあります。
 ところで、奥付の発行日のところは、再校ゲラでは一応2006年1月1日としました。たくさんの本を作ってきて、それも年末年始に発行する場合もほぼ毎年(他社の下請け刊行本も含む)ありながら、1月1日と付けることはほとんどありません。取次が年末年始休業なので、年内配本か新年初荷配本なのかのどちらかになるので、元旦は休業中で付けにくいのです。ふと思ったのは、本書は1月1日にしてみようかということです。
 来年年初の書店配本を予定しています(それでも年始休業のため実際の配本は15日くらいになってしまいます)。本書の現物はもしかしたら年内に仕上がるかもしれないので、その場合は、予約者には発売に先立って年内に発送いたします(そうなるといいナ)。お正月にゆっくり読んでもらうことができるかもしれません。スケジュールの決定は、たぶん今週中ですので、しばらくお待ち下さい。
 予約者通信第5号を送信しました。もし、不着の場合は、お手数ながらご一報下さい。

2005年12月12日(月)「発行日までのスケジュール決定」
 
発売予定日等、今後の日程が先週半ばに印刷所との相談の上、決定しました。
 年内納品発売は、可能な範囲ながら「あえて」新年にしました(「あえて」と言えるこの余裕! けれど、ちょっと調子に乗ると、すぐシッペ返しがくるので用心用心!です)。
 これからの最終到達点(発送)まで、ピークはまだ2つ(到達点を含めると3つ)あります。印刷所入稿と校了です。
 12月15日(木)印刷所入稿、20日出校、21日校了、28日刷了。
 2006年1月6日製本、10日弊社見本本納品。
 予約者への発送日は未定で、18日取次へ搬入予定。20日頃、書店展示販売開始予定。

 早期予約特別割引(2割引+送料無料)は、12月15日付け申し込みまでです。16日以降は、通常の予約割引として、「1割引+送料無料」を予定していますが、その決定は、15日頃にお知らせ致します。この第2次募集受付は、本書の納品日の1月10日までの予定です。  予約者通信第5号を送信しました。もし、不着の場合は、お手数ながらご一報下さい。

2005年12月16日(金)「4度目の乾杯はあるか?」
 
 NHKテレビ放送番組の「ようこそ先輩」「にんげんドキュメント」「わたしはあきらめない」の単行本シリーズを編集下請けしていた頃は、必ず毎月、多いときは2冊以上を印刷所に入稿・校了していました。
 版元の担当編集者や印刷の営業の人が、入稿・校了のたびごとに弊社事務所に集合していました。受け渡しが終わると、銃声が鳴り響いていた戦場がスッと静まりかえるような感じの区切りが訪れます。たいがいぎりぎりの戦場にいるような作業なので、受け渡しは夕方が普通です。それが終わると、スタッフともども「乾杯」となります。
 現在は、この入稿・校了の儀式が数か月間もなかったりするので、近くのヤキトリ屋にも行くことがなくなりました。
 昨夜、無事、本書の入稿データを印刷所に届けに行きました。印刷所の人が来社されて受け渡しすることもありますが、今回は私が行ってきました。次に、出校は持ってきてもらって、校了の時も届けに行こうかと思っています。この二つは、編集者にとっては、重要で大切な儀式だからです。
 入稿で乾杯、校了で乾杯、見本本出来で乾杯です。
 それで、4度目の乾杯は初刷完売で、増刷が決定したときでしょうか。
 その前にもいっぱいの嬉しいことがあって、4度目の乾杯はもっと早いかもしれません(例えば、出版記念パーティとか、書評に出るとか)。
 いずれにせよ、増刷させてくださいね。それを願って、この恥さらしな編集日誌を綴ってきたのですから(ホントは結構楽しかったですよ)。

 さて、昨日(15日)で早期予約特別割引は終了しました。毎朝出社するとメールで予約が届いているのが楽しみだったのに、今朝はきれいに0でした。さびしいなあ。
 本日からは、第2次予約募集の割引になります。期限は、見本本ができる2006年1月10日までです。
 1割引+送料(+郵便振替手数料)無料です。また、10冊以上の一括購入は2割引です。
 
 同時に、刊行記念サービスを行っています。本書と同時発送で弊社刊行本をご購入くださる場合は、一割引。特に、『強くて楽しいキューバ カストロの国の体験記』と『なぜ歩くなぜ祈る 比叡山千日回峰行を撮る!』の2冊は2割引です。この機会をご利用下さい。

 そうそう、本書にちょっとした仕掛け(アイデア)を、入稿の数時間前に思いつきました。お手元に届くまで内緒にしておきますので、もしお気づきになりましたら、メールででもご一報ください。「なあんだそんなこと」と、どうってこともないアイデアで叱られるかもしれませんが、私は気に入っています。
 そうだ、クイズにして最初に当てた方には、私が本書を会社から買ってそれをプレゼントしましょう。秘密保持?のため、著者にも内緒にしておきましょうか。社員はダメです。
2005年12月26日(月)「これからの山歩きをもっと豊かに」
 
グループでにぎやかに山を歩くのも楽しいものだと、知りました。しかし、一人で静かに山を歩くのは、また別次元の豊かな時間を授かるのだと、この本は教えてくれます。
 奥深い山の未知の道を単独山行するのは、知識・技術・経験・モチベーション・・・などが揃わないと実現できません。危険が伴うので、誰もが簡単にできることではないのです。
 「単独行はやらない」という方のほうが多いのは当然です。そういう方にも、きっと本書は価値あるものとなるでしょう。自分は一人では行かないで、本書の中で単独行の妙味を味わうことができる、それが本書の魅力の一つです。
 本書の制作途中に、s−okさんのHP「ようこそ! 山へ!!」(誰も知らない丹沢)を訪れた人の通算カウントが15万ヒットを超えました。その中で、掲示板を訪れるなどの熱烈なリピーターの方は、s−okさんの同志として、本書を読む前からその魅力を知っています。
 けれど、ガイドコースしか行かず、それも誰かにリードしてもらってしか山を歩いたことのない人が、もし人に勧められたり、偶然にでも本書を読まれて、そしてまたもし、本書から何かを感受して下さる受容の域をお持ちだったとしたら、絶対、この本はお得です。
 これからの山歩きが、今までと変わらない集団山行であっても、本書が自分の山歩きをもっと豊かなものにしてくれると、編集子は信じています。
 だから、本書は販売圏が首都圏、特に地元の神奈川県になりますが、実は、丹沢好きの人だけが対象でなくてもいいのです。むしろ、日本全国の山歩きの好きな人が、自分の好きな山を想いながら、見知らぬこの西丹沢山塊の神秘の世界に触れて頂きたいのです。
 そのための詳しい地図です。普段はあまり地図を見ない人も、本書ではしっかりと辿ってみてください。面白いですよ。

 予定どおり、12月21日に本書を無事?校了しました。制作面では、カラー地図集が見事だと自画自賛です。本文の詩的な文章にリアルな正確さという背景を敷くことができて、さらに文章をよく味わっていただけることにお役に立つのではないかと嬉しく思っています。
 なお、本書予約者には「予約者通信」(発行後は「愛読者通信」に移行)をお送りしていますが、もし書店などで本書をお求めになられた方は、本書に挟まれた「愛読者カード」をお送りください。「愛読者通信」をメールにて配信いたします。

 いよいよ12月28日に本印刷が刷了します。そして、1月6日、製本所の仕事始めにこの本は製本されます。もうしばらくお待ちください。

 編集部


2006年1月27日(金)「見本出しから配本まで」
 
今回は、(こ)が記します。

 1月25日、取次の委託配本リストが出来上がり、納品がてら受け取りに行ってもらいました。地方小出版流通センターからはファクスで送ってもらいました。現在、データ入力中です。もう少々お待ち下さい。

 前後しますが、見本本ができてからの経過を記します。
 1月11日(水)、『誰も知らない丹沢』の見本が上がり、翌12日、取次に見本出しに行きました。
 見本出しは、取次の本社にある仕入課という部署に見本本を持っていき、本のジャンルと大まかな特徴を説明し、委託希望部数を述べます。仕入課の担当者は、こちらの話を聞きながら、本のサイズを測ったりページを見て伝票を書きます(日販の場合はコンピュータにその場で入力)。そして翌日の午後、決定した委託数を電話で問い合わせます。
 銀行のように番号札(プラスチック製、担当者ごとに色が違う。日販はソフトケースに入れている)を取り、呼ばれるまで長椅子に座って待ちます。待っている間、前のカウンターを見ていると、他の出版社の方は慣れた様子で、数種類の新刊を前にトーハンの担当者と話しています。
 私は仕入課に行くのは毎回緊張します。風人社は他の出版社に比べると年刊の発行点数が少ないので、仕入課には数えるほどしか行ったことがありません。今でも何階にあるのかよく覚えていないほどです(納品は毎週行っているので全然違和感はありません。今は私ではなく、別の者が担当います)。昨年は3冊新刊を出したので(これでも以前に比べると格段に多いのですが)、3回行きました。
 トーハンは、仕入課の担当者が版元ごとに決まっています。取引のある会社が何社あるのかわかりませんが、6〜7人で分担しているのだと思います。一人あたりの担当社数はかなりだと思うのですが、年数回しか訪れない風人社をトーハンの担当者が覚えていたことにびっくりしました。ある意味(いろいろな)印象深いのでしょうか。

 今回の配本の傾向としては、トーハンは首都圏の書店にまんべんなく1冊ずつ配本している感じです。逆に日販はチェーン店系の配本が中心です。
 笑ってしまったのは、委託をお願いした全ての取次が、紀伊國屋新宿本店に配本していることです。本店は弊社で営業にも行って15冊(!)の新刊注文をもらっています。なので、30冊近く集中していることになります! 反対に、今回に限り、どうしたことか、三省堂神田本店には、どこからも配本がありませんでした。しかも営業に伺ったときに担当者がお休みで新刊注文もないため、1冊も置いてないことになります。三省堂は山の本のコーナーは品揃えも豊富で充実しているので、置いてあればなあと思うと残念です。

 昨日、数軒の書店を見てきました。
 まず、新宿紀伊國屋本店ですが、たくさん配本された本を生かしてくださり、平台に8冊平積、さらに棚に6冊面陳しているそうです。平台には弊社のポップ、面陳は『丹沢の行者道を歩く』(白山書房)と一緒に配置してあり、バリバリに「丹沢」を意識した並べ方です。しかも面陳の方には、紀伊國屋が独自に作成したポップがつけてあり、「売れてます!」と書いてありました! 感激して思わず、自分でも一冊購入しました。
060126紀伊國屋新宿本店7階
2006年1月26日紀伊國屋新宿本店7階
 私の隣で棚を見ていた中年の男性が、私が本を手に取ったら、つられるように『誰も知らない丹沢』を取り、パラパラと見始めました。私は背後から「買ってえ〜」というオーラを送っていたのですがその思いは届かず、その男性は約3分後に本を戻しました。残念でしたが、こんなに長く熱心に自社の本を手にとってくれている人を見ることができ、とても嬉しかったです。今度はレジに持っていく瞬間を是非みたいです。 「丹沢」面陳の2冊
2冊並べて面陳列
紀伊國屋新宿ポップ 「丹沢の行者道を歩く」ポップ
こんなポップ感激です。2点ともアップでのせました

 昨日までに確認確認できた書店の状況です。
 ・新宿は紀伊國屋新宿本店、紀伊國屋新宿南店、ジュンク堂新宿(三越)
 ・渋谷では紀伊國屋渋谷店(東急プラザ、先週確認)、ブックファースト(すみません、未確認です)
 ・神田・神保町では、書泉グランデ(2F)、三省堂(2F)、お茶の水名渓堂
 に本があります。
 ・また、読者の方から有隣堂厚木店に並べられているという情報を頂きました。ありがとうございます。

 本がないはずの三省堂は、平台に2冊ながら平積みになっていて、これも感激しました。名渓堂もリストには上がっていませんが、ちゃんと丹沢の本の群の中にいました。

 みんな頑張って売れてほしいです。リストは早めにアップするよう努力します・・・。
 興奮して長くなってしまいました。すみません(こ)

060126紀伊國屋新宿本店7階
2006年1月26日三省堂神田本店2階

2006年2月10日(金)「配本リスト&状況」

 やっと、配本リストをアップ致しました。遅くなり申し訳ありません。地方小出版流通センターの分ですがせっかく整形したのに、なぜか全て文字化けしていて今回のアップに間に合いませんでした(修正しましたらアップします)。
 毎日売れている書店もあり、補充状況がとても面白と同時に、ありがたいです。

『誰も知らない丹沢』書店リスト