●No.57 南草津〜膳所(8.4km)
狼川橋〜下月輪池〜建部大社〜瀬田唐橋〜石山駅〜膳所
[コラム]琵琶湖と瀬田の唐橋
●No.58 膳所〜山科<追分>(7.1km)
膳所〜義仲寺〜石場常夜燈〜大津宿札の辻〜逢坂関〜髭茶屋追分
小関越を収載:札の辻〜小関地蔵〜琵琶湖疏水第一竪坑〜小関越道標
[コラム] 車石、牛車による運搬
●No.59 山科<追分>〜三条大橋(7.3km)
髭茶屋追分〜四宮〜山科駅前〜日ノ岡〜蹴上〜白川橋〜三条大橋
[コラム]京都の近代化と琵琶湖疏水
●No.60 大和大路:三条大橋〜伏見<墨染>(6.8km)
三条大橋〜四条南座〜建仁寺〜方広寺〜東福寺〜伏見稲荷〜墨染
[コラム]祇園祭と歴史の都の迫力
☆第15集のかんたん内容
東海道53次は、いよいよ本集で三条大橋にゴールしました。
草津から京都へ、西へ最短の直線を引くと、第14集の「矢橋の渡し」で琵琶湖を横切りました。第15集では、「急がば回れ」の瀬田の唐橋(コラムNo.57)で琵琶湖最南端、唯一の琵琶湖の水の出口である瀬田川を渡河するため、大きく南下し、今度は京都までの二つの山、逢坂山と東山を越えるために、U字型に北上します。
二つの山越えは、標高はそれほど高くはありませんが、近江米などの物流の運搬では難関でした。牛車の道の痕跡が、車石に見られます(コラムNo.58)。明治初期に琵琶湖の水が山を越えて京都につながり、水運を開いたのが琵琶湖疏水でした(コラムNo.59)。
第15集では、53次目の大津宿を通過します。大津は、東海道53次の中では人口トップの大きな町でした。毎年10月に行われる大津祭は、京都の祇園祭を色濃く継承した祭です。今年、国登録無形文化財に指定されました。琵琶湖の水運、北国街道、東海道が通り、交通の要衝でした。
逢坂の関を越えると間もなく髭茶屋追分で、ここで東海道57次の大坂へ向かう道と三条大橋に向かう道とが分かれます。近くに立場があり、走井餅が名物でした。
逢坂山の通過にはもう一つ道がありました。小関越です。本集では小関越のルートも収載しました。大津宿・札の辻から分かれ、山の中を通って横木町で東海道と合流します。合流点には大きな道標が立っています。
山科からは東山を越え、蹴上浄水場のあたりで下り坂となりますが、都が眼下に広がり、ゴールが間近であることを実感します。このあたりから急に観光客が増えます。
三条大橋に到達して洛中見物を楽しんだら、第15集ではさらに、大和大路を大坂へ向かいます。東大路の知恩院、八坂神社、清水寺、三十三間堂など有名な寺社を通過する観光ロード、修学旅行の道も紹介します。途中、八坂神社のお祭りは、日本一の祭とも言える祇園祭です(コラムNo.60)。大津の髭茶屋追分から分かれた東海道57次・京街道に、伏見・墨染で合流します。
三条大橋から、四条、五条……九条、十条、深草・墨染までの旧街道の1万分の1地形図による紹介は、類書がありません。このマップを、歩かなくてもぜひお手許に。
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