●2007年3月29日(木)
 
3月24日(土)の「暮しの手帖」発売日に、和田さんのご依頼によって暮しの手帖社から感想文掲載誌が送られて来ました。その前、出社途中に書店に寄ってきました。平積みされたばかりの「暮しの手帖」誌を手にとると、ずっと変わらない美しい誌面に吸い込まれて、独特の雰囲気に包まれます。
 30年以上前に、コラムページ編集の仕事で、囲み罫のデザインを「暮しの手帖」から学んで(真似て)作ったことを思い出しました。また、十数年前、ある文章を書くのに、1冊の「暮しの手帖」を繰り返し熟読して勉強したこともありました。その雑誌は、今も弊社の本棚にあります。
 そんな思いの深い雑誌に、和田さんの『いとしき草花』の感想文が掲載されたことは、勲章もので、とても嬉しく思います。
 『いとしき草花』の「愛読者カード」が、たくさん送られてきています。そのほとんどが60歳以上の女性で、拝読すると、和田さんご本人と共通する雰囲気が感じられます。ところが、「暮しの手帖」の感想文は30歳の方で、ちょっと今までの感想とは違って、私には新鮮な印象でした。それで、若い女性や男性がもしこの本に出会ったら、他にも、どんなふうに読んでいただけるのだろう、と興味がわきました。
 この「暮しの手帖」の感想がそのきっかけになって、若い方にも読んでもらえたらいいな、と祈っています。
 「暮しの手帖」は発売中なので、書店でぜひご覧になってください。(お)
●2007年3月23日(金)
 
3月16日に、予定通り、『いとしき草花 四季の人びと』の増刷2刷と、頒布用「絵はがきセット」が無事、納品になりました。増刷分がそのまま在庫残になることもあり、タイミングも結構難しいものです。ぎりぎりまで、初刷の返品本の押し返しをして、在庫50冊以下での増刷納品と、結果的にまあまあのタイミングでした。
 それに、明日24日発売の「暮しの手帖」に書評紹介が出ることを、「暮しの手帖」編集部からも、改めて著者を通じてご連絡がありました。すごく楽しみです。本書は、ほとんど長野、飯田市周辺での販売でしたので、これで全国区にデビューできたら嬉しいなあ、と期待しています。

 昨日、『ホントに歩く大山街道』の大きな編集会議をやりました。いよいよ大詰めとなっているのに、まだ最終アタック日が決まりませんが、さらに充実した内容になりました。地図や歩くのが好きな人は、街道としてはマイナーな、この大山街道にであってみてください。山登りで大山頂上によく行っている人は、赤坂からのルートを知れば、また新しい印象を持たれると思います。早く、ご案内を出したいのですけど。

 『知られざる科学者 ペッテンコーフェル』が、日本図書館協会選定図書に選定されたとの「速報」が昨日届きました。図書館にはぜひ入ってほいしので、とても幸運です。
 来る3月26〜28日、大阪大学で催される日本衛生学会の招待講演で、ペッテンコーフェルが紹介されるそうで、そのセミナー会場でも本書を頒布できることになりました。多くの人にアナウンスできれば有り難いです。(お)


●2007年3月8日(木)
 
登山を始めてから、いいことはいくらでも挙げられますが、逆に体によくないことも二つありました。
 一つは、小さい頃から目の下にあったホクロが、山に行き始めてから次第に大きくなり、1年後についに破裂して膿が出て、大慌てで皮膚科に行きました。するとすぐに、「アウトドア」を見破られ、すごくきついお叱りを受けました。ずっと室内生活ばかりだったので、日焼けの影響がこれほどまでにてきめんだったのでしょう。
 皮膚ガンをしっかり疑われて、「紫外線に無防備なのは教養がない」みたいなことを、女医さんからきつく言われたました。結局、悪性ではなくて助かって、すぐに処置を受け、きれいになりました。
 けれど、反対側にも小さなそばかすみたいなのがあるので、「それもついでに取ってほしい」と言うと、「美容外科ではない」とでも言わんばかりの雰囲気で無視され、そのままになっています。
 もう一つ、体に生じた悪い変化に苦しめられています。花粉症。3年前の花粉の当たり年の春、杉があたり一面、伐採されていて、杉の葉が絨毯のように積み重なった登山道を歩いていたら、黄色の粉が足元からばんばん立ち上がってくるのです。それまで、「私は花粉症にはならない」と無教養に根拠なく決めていましたのに、その瞬間、山間にこだまする最初のくしゃみをしたとき、花粉症患者としてデビューしたのでした。
 先日の奥多摩の山行はひどかった。歩いている間中、くしゃみ、鼻水、涙目がとまらず、「花粉症」の苦しみの山行になってしまいました。

 和田静子さんの『いとしき草花』の絵はがきを頒布することになったことは、すでにお知らせしました。1セット8枚組が2種あり、各500円(税・送料込み)です。1セットからでも受注しています。
 今日、その印刷見本が届きました。16日出来の予定が1日早まり、15日に、本書『いとしき草花 四季の人びと』2刷本と同時にできあがります。

 まあ、そしてグッドタイミングで、嬉しいニュースが聞こえてきました。来る3月24日全国発売の、雑誌「暮らしの手帖」に書評記事が出るそうです。その記事は拝読していませんので、発売日がとても楽しみです。(お)


●2007年3月2日(金)
 
2月18日の「信州日報」『いとしき草花』が紹介され、そのコピーが著者和田静子さんから送られてきました。「新・裏町文庫閑話」というコーナーで、記事を書いた井原修さんは古書店の方だと思います。井原さんは和田さんのお父様やお義兄様をご存じなこともあり、本書のなかなかいい場所を引用されていて嬉しくなりました。書評のページにアップしましたのでご覧下さい。

 更新の間があいてしまいました。
 2月25日(日)、お茶の水にある東京医科歯科大学で行われた「御茶の水学会 第一回市民セミナー」で『笑顔外来』の著者・船木純三さんが講演をされ、本の会場販売に行って参りました。講演のテーマは「スマイルトレーニングと健康な歯でアンチエイジング」で、まさに『笑顔外来』の本の内容ぴったりです。御茶の水学会は東京医科歯科大学の同窓会が母胎の学会です。船木さんは同大の卒業生です。
 受講者は50名ぐらい。若い方からアンチエイジングに興味があるぐらいの年齢の方まで、幅広くいらしていました。本は、『笑顔外来』『あごのかたち』『口は何のためにあるか』の船木先生の著書3点と、『解剖学者が語る人体の世界』、出たばかりの『知られざる科学者 ペッテンコーフェル』を1冊ずつ持っていきました。(続きはこちら

 2月16日(金)『知られざる科学者 ペッテンコーフェル』を取次に搬入しました。
 2月23日(金)『いとしき草花』の増刷データと葉書(今度販売することになりました。詳しい内容は後日アップします)のデータを印刷所に入稿しました。色校なしで、3月16日に本も葉書も出来上がる予定です。

 「東京造形大学研究報2007」は4分の3の執筆者が校了になり、印刷所入稿の最終準備に入りました。また、「東京造形大学研究報別冊6」は昨日、著者に初校を送りました。(こ)


●2007年2月14日(木)
 
「春一番」ですって! 今日の東京新聞によると、東京都心で初雪観測前に春一番が吹いたのは観測史上初めてだそうです。
 天気図の勉強をしているのですが、昨日の天気図は凄かったです。表層雪崩で死者が出てしまった八甲田山の風力記号につけられた矢羽根の数の多さ。低気圧と前線、見るからに山には行きたくない図でした。今年の暖冬は、不気味です。これからも気象遭難が心配です。
 今日は、明るくて温かい一日の上、昨日の雨上がりで富士山が午後になってもくっきり見えました。先週の連休は、あの7合目まで登り、素晴らしい展望を眺めることができたのでした。
 和田静子さんの『いとしき草花』から、一般にお頒けする絵はがきセットをつくる予定があります。もともと和田さんの私製版を作られたのが、好評であっという間になくなり、お求めの方へ、小社がお世話する計画が立ちました。本書の増刷も決定しています。
 絵はがき、後日、ご案内いたします。(お)

●2007年2月10日(土)
 
2月8日、『知られざる科学者 ペッテンコーフェル ー環境医学の創始者』(目次アップしました)の見本本が届きました。316頁という超大作で、装丁もかっこよく、とても重厚な本に仕上がりました。風人社もずいぶん立派な本を出したものだと思ってしまうほどです。
 訳者の植木先生をはじめ、皆様、どうもありがとうございました。
 2月13日、取次に見本出の予定です。

 2月6日(火)、毎年お手伝いさせてもらっている東京造形大学研究報の初校を全ての先生に送り終わりました。「ペッテンコーフェル」や他のものなどが押していて、例年よりも遅い初校出になってしまいましたが、なんとか出すことができ、ホッとしていたのもつかの間、校閲を終えた初校が4名の先生から戻ってきました。執筆者の先生方の期限厳守には(期限よりもだいぶ早い)、いつもありたがく、また感心しています。(こ)


●2007年1月24日(水)
 
今日、『知られざる科学者 ペッテンコーフェル ー環境医学の創始者』を校了しました。
 私たちには、「校了」という言葉は、特別な感情をわき上がらせます。一抹の不安も伴って、大きな達成感・・・。
 けれど、以前は、こういう日の前日はほとんど例外なく会社に泊まり込みの半徹夜作業でした。私自身の歳のせいか、最近徹夜作業はまったくなくなりました。徹夜明けの校了というのは、また格別なハレの日でした。
 この本の発刊の仕掛け人、著者と弊社との仲人の藤田恒夫・新潟大学名誉教授(『鍋のなかの解剖学 』の著者)は、私などが足元にも及ばぬほど、この本の刊行意義を深く認識されていました。私が発行者とはおこがましいほど。それは、ちょっと予想より長引きすぎた編集作業期間の時々にいただく励ましの言葉に込められていました。
 今日、校了のご報告のお電話をさしあげると、喜んでくださるお言葉の一言一言に、出版という営為が本源的に持っている社会的貢献(「貢献」が気になるなら関与でもいいのですが)について評価してくださっていることが伝わり、嬉しいよりも私自身の卑小さ(煩瑣な作業の疲れや、経済的な気がかりやら)に恥じ入ります。
 でも、こんな素晴らしい仕掛け人・仲人のお陰様で刊行できた本書は、幸せだと思います。
 本書制作のゴール間際に、訳者の植木絢子教授からは、次のようなメールをいただきました。
 <・・・5年越しの仕事が陽の目をみると思うと、本当に嬉しいです。あの本は、すばらしい内容の本で、「人間とは、未熟でちいさいものだけれど、上を向いて、目標に向かって歩いてゆくことが大切だ」と、教えてくれる様な感じです。読む人に希望を与えてくれる様です。昔、癌を経験したこともある私にとって、ここまで来た原稿を発刊できないまま死ぬ様なことがあったら、私だけでなく、他の人にとっても惜しいことになると、責任感の様なものまで感じていたものでした。>
 サラリーマンなら定年間近の古老の編集者であるはずの私に、出版の基本的な精神を改めて思い起こさせてくれる言葉です。同時に美しい言葉だと感じました。この言葉にある迫力は、本書を手にしてくれる読者に伝わるにちがいありません。
 私は、本書のコピーに、「学問の力が公に貢献する、その感動」と記しました。ペッテンコーフェルの学問への情熱は、現代の私たちの生活にも恩恵を与えています。そのことが本書によって伝われば、嬉しいです。最初に私が本書の原稿を拝読したときは、いつかの更新記録に記しましたように、マックス(ペッテンコーフェル)の少年時代のいきいきとした好奇心溢れる日々に感動したものでした。(今でもそのくだりは好きです。)
 風人社の多くの本の装丁を手がけてくださった東京造形大学教授の高麗隆彦さんが、今回も本書の装丁を引き受けてくださいました。重厚な本になりました。
 今夜は、乾杯のかわりに、ほろ酔いの長文を書いてしまいました。(お)
●2007年1月22日(月)
 
零細版元にとっては、在庫管理も結構な仕事です。専任がいないので、全部自分たちでします。
 狭いビルの一室では、新刊が出るたびに、在庫の保管場所がなくなります。同じような版元を訪ねると、天井まで本が積み上げてあるのを目にして、「ああ」と自社を思います。そう言えば、零細でなく、ある老舗著名出版社を訪ねたときも、エレベータを使わずに階段を上がったら、階段通路の半分に本が積まれていました。
 あっ、そんな倉庫の話をするのではありませんでした。弊社では、別の場所の倉庫に移しています。

 返品本は、リメイクして再出荷します。そのために、カバーや帯は、印刷時にその分を見越して多く製造してあります。
 返品本でも、取次に納品して一度も書店に並ばす即Uターン(これをソクヘンという)返品されてきたものも、相当数あります。弊社では、これをしばらく積み上げておき、新品の梱包を開いて出荷していきます。
 少し時間が経つと、委託品がどんどん(それはもう、すごい勢いで)返品されてきて、新本と返品がシーソーのように逆転します。これが早いほうがいいのです。新品がそれだけ出荷できているからです。売れないと、新品の梱包が高々と並び、おまけに返品がそれを超える嵩になってしまいます。
 今日、『いとしき草花』の返品リメイクのためにカバー外しをしました。新品の在庫の底が見えて始めてきたからです。嬉しいことです。
 ふつうソクヘンの本は汚れはなく、新品同様なのですが、ようく見ると、帯の角がこすれていたり、カバー表紙のビニル加工に薄い傷がついていたりして、本当によく比較しないと分からないくらいでありながら、なんとなく返品本なのです。昔、これを「活かす」「外す」と判断していました。アルバイトの人は、よく私に「これはどうしますか?」と聞きました。こんな些事に、時間と精力を使います。
 今日は、いっさいの判断無し、検品なしに全部カバーを外して捨てました。新品同様のきれいなカバーをバンバン捨てるのは、なかなか忍びないものです。だから、以前は判断していたのでした。
 そうして、これから、1冊1冊、新しいカバーと帯を装着していきます。新刊本は機械が作業したものですが、リメイク品は手作業です。上辺下辺・小口の埃もラバーで除いて、検品して、「修正本」に生まれ変わるのです。
 春が近づいてきたように、増刷時期が近づいてきた兆候でもあります。(お)


●2007年1月17日(水)
 
「やっと入稿!」という思いです。年初から、入稿間際の分厚い専門書(翻訳伝記本)(『知られざる科学者 ペッテンコーフェル−環境医学の創始者』の仕事に、四苦八苦でした。
 たった今、入稿準備が整い、ほっとしたところです。多くの方のお陰様で、ほんとに立派な本になりました。
 ペッテンコーフェルという人は、現在の日本人にはあまり有名ではありません。翻訳伝記本も本書が初めてだそうです。
 環境衛生学の世界的な創始者で、日本の下水道や、衛生行政にも大きな恩恵を与えてくれたドイツの偉大な科学者なのですが。それで、「知られざる科学者」なのです。
 私も藤田先生の「ミクロスコピア」誌で初めて植木先生の紹介文章を拝読しました。そのときは、弊社の発行で伝記本が出るなどとは思いもよりませんでした。
 「1冊の本を形にするのは、すごいエネルギーを要するもの」とは、最初の『鍋のなかの解剖学』をつくったときの藤田先生の言葉だったと記憶しています。そのとおりですね。「エネルギー」という言葉が、身にしみて実感です。
 2月初にできあがるまで、まだ、最終の校正があります。最後はうまく運びますように。

 翻訳本が終わると、『ホントに歩く大街道山』に、いよいよホントに全力投入です。仕上げ作業に入ります。
 第3弾、s−okさんの大山北尾根も、少しずつ準備してまいります。(お)


●2007年1月10日(水)
 昨日9日、朝、電車が10分以上遅れました。車内放送で、「電車は当駅を定刻発車しましたが、この先で、集中混雑により、新宿着で10分以上の遅れが出ています」とありました。つまり、正月休みが8日(月・祭日)までで、9日から皆さんの仕事始めだったのですね。面白いなあ、と感心しました。一斉に人が出てくると、こうなるのですね。でも、同じ人数が今朝も同じように電車に乗っても、それはもう日常になって、電車は遅れませんでした。
 『知られざる科学者 ペッテンコーフェル』は、今日10日の印刷所入稿を遅らせることにしました。現在の見込みでは、1週間遅れくらいと思っていますが、早期日程にこだわらないことにしました。それにしても重厚な本です。立派になりました。まもなく、ご案内もできると思います。テーマは専門書ですが、伝記本なので、どなたにも読めます。(お)

 今日は、取次に納品に行きました。今日は暖かく感じられ、嬉しかったです。とはいえ、やはり冬場の原付納品(約2時間の乗車)は堪えます。上半身は、半袖シャツ・長袖シャツ・トレーナー・インナーダウン・ジャンパー・マフラー、下半身は、下着・ジーンズです(厳冬期になったら上下もう一枚ずつ増やす予定)。フルフェイスのヘルメットの中は、鼻水、涙まみれになり、誰にも会いたくないといつも思います。今日は、涙だけに留まり、外を走るのは、いいものだと久しぶりに思いました。
 『いとしき草花』が、信濃毎日新聞で紹介されたこともあり、取次の短冊受にも注文短冊がありました。また、書店さんからの電話注文もきて、大変ありがたいことと思っています。
 本年もどうぞよろしくお願いします。(こ)


●2007年1月8日(月)成人の日

 新年、おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 年初から、まったくいわれなき理由で、親戚が弊社のことをひどく誹謗する、びっくりする出来事がありました。他にも、知人のことで「ええっ!」と驚く、あまりいい話でないこともありました。会社は5日が仕事始めでしたが、4日に会社に寄ってみると、少しいやーな予感がしました。
 でも、その日、社に立ち寄ったお陰で、注文の電話を数本、続けて受けることができました。
 本年は暗雲スタートかと怖れていたら、そうでもなさそうです。
 信濃毎日新聞に載った『いとしき草花』書評のおかげです。ご覧ください。
 それから、新刊予定の『知られざる科学者 ペッテンコーフェル』のカバーデザインのダミーが届きました。凄く気に入っています。後日、当HPにアップします。
 昨日7日は、今年発行する、「未知の道」第3弾の「大山北尾根」とその支尾根に立つ送電線群を、丹沢主稜尾根(二ノ塔・三ノ塔)から、一望してきました。
 元気がいっぱいでてきました。
 皆様も元気なスタートをなされましたことを、祈っています。(お)