●2005年11月29日(火)「○危版画編」

 版画版「○危」を作成しました。版画を彫る作業はとても楽しかったです。『(s−okの) 誰も知らない丹沢』本書自体の作業もいろいろと滞っているにもかかわらず、こんなことをしていてよいのかどうか。しかも使ってもらえるかどうかもわかりません。(こ)

 11月13日(日)、小田急電鉄が主催?した「のんびりハイク&ウォーク」という企画に応募し、神奈川県伊勢原市にある大山に行ってきました。「大山街道」は、この「未知の道」シリーズに連なる予定で、「大山の研究」と称して参加してまいりました。(大山街道のことはまた別の機会に書きます)
 大雑把ですが、社務所前バス停→下社→大山山頂(阿不利神社)→不動尻→鐘ヶ岳→上谷戸バス停→(バス)→本厚木というコースでした。イベントのゴールは下社で、景品は何がもらえるのかと少し期待をしていたのですが、人工甘味料の試供品と二十日大根の種でした。その後、個人的に山頂以下のコースを回りました。

 下山後、本厚木でバスを降りると、目の前に有隣堂書店があり、がまんしていたトイレのために入店しました。トイレに向かう途中、版画用の版木が目に入り、すっきりしてからゆっくり見させて頂きました。
 版画用の板は木の種類が何種類かあり、また、厚さ、サイズも種類がありました(木の種類はちょっと忘れてしまいました)。ハガキ大の桂2枚とベニヤ1枚(ともに各130円)計3枚を購入しました(別に桂にこだわりや知識があるわけではなく、ただ最低値段だったという理由。ベニヤは中学校の時に使ったような気がしたので、また価格面も)。
 有隣堂には、他にも篆刻用の石や彫刻刀、もちろん木材用のよく彫れそうな彫刻刀も売っていました。

 11月19日(土)夕方、前回の芋版で、手書き文字だとつたなさが強調されることがよくわかったので(味のある方が書き、技術のある方が彫られれば全然違うと思いますが)、今回はMacで下絵を作成しました。しかも、下絵の段階で文字を反対(鏡に映したような感じ)にしました。パソコンの「○危」の文字はきちんとしていて、これをそのまま使ったほうが合理的で美しいことに気がつきました。パソコンのような手段がなかった時代なら、わざわざ彫るということもまだわかるのですが、私が彫る意味というものを画面を見つめながらしばらく考えてしまいました。
 しかし、板も購入してしまったことですし、1時間ぐらいのロスなら許してもらえるだろうと思い、作業を始めました。
 下絵は、ゴチック体と明朝体の2種類を作成。
 まず、桂の板にゴチック体の下絵をカーボン紙で写し、いよいよあこがれの彫り作業です。
 下絵の縁をを印刀(刃が斜めになっているやつ)で縁取りするように切れ目を入れました。それから丸刀(小)で切り込みを入れたところからえぐるように彫りました。桂は芋と比較にならない程堅く、彫り上がるまでに3時間近くかかってしまいました。また、彫刻刀の持ち方に問題があったとも思いますが、熱が入りすぎて力んだこともあり、右手の親指と中指が翌日までしびれていました。

 11月22日(火)、s−okさんに地図の校正をなんとか発送したあと、ベニヤ板で明朝体の「○危」に挑戦しました。今回は2度目ということもあり、1時間ぐらいで終わりました。ベニヤ板は合板なので、上の層が簡単にぱりぱりと剥がれ(勢い余って残すべき部分まで剥がれてしまった)、「彫刻」「版画」という作業を実感できました。桂に比べると木のささくれ立ちが目立ち、ヤスリをかけた方がいいのかもしれないです。

完成!
バックは事務用椅子

 11月24日(木)、いよいよ2点を刷ります。
 絵の具用の筆を会社の近所の99shopで探したのですが、見あたりませんでした。代用できるものとしてタワシかスポンジかで迷い、結局5個入りのスポンジを購入しました。スポンジは細長い短冊状に切り、それを昼食で使用した割箸で挟み、輪ゴムで割箸の上下を固定しました。(洗った割箸を見て不審に思った(S)に、「この割箸は使うのですか」とまた聞かれました)絵の具のパレットは、ペットボトルの底の部分を切り取って代用しました。
 筆とパレットのアイデアに、私はかなり有頂天状態になり(事前に用意しておかないためにこういう顛末になったのに)、社内で自画自賛して回りました。
 朱色の絵の具を割り箸スポンジにしみこませ、版木に塗りました。けっこううまく塗れました。前回同様、半紙に印字、ばれんは彫刻刀に付属のものを使いました。

左多数:芋版
右上:ベニヤ板、明朝
右下:桂、ゴチック体
右の半紙にポチポチゴミのようについているのは、木屑です。

桂・ベニヤ・桂
まず下絵を作成
反対文字に印字した下絵
拙い作業
自作スポンジ筆
印字
明朝体・ベニヤ
ゴチック体・桂

 版画版「○危」は本で使用してもらえそうな感触です。
 長々とすみませんでした。お読み頂きありがとうございます。(こ)


●2005年11月4日(金)「芋判の顛末」

(s−okの) 誰も知らない丹沢で触れている「○危」マークの芋判を作成しました。
 隣のスーパーで芋が99円で売っていたので、「芋版なんてちょろい、ちょろい」という軽い気持ちで購入しましたが、彫刻刀を探したり、下絵は反対に芋版に描くにはどうしたらいいか、など、芋版と聞いて想像していた作業、「彫り」になかなかたどりつけませんでした。でも、ホームページで公にされてしまったし・・。

 先週の土曜日(10/29)に無事、彫刻刀(以前、西友で購入)も見つけ、習字練習用の半紙にマジックで下書きを書き(会社に半紙があるのもよくわかりませんが)、芋の面に合わせてくるんでみました(下写真)。が、これだと判を押したときに文字が反対になることに気がつき、やり直しました。書き直して芋の断面の形に切り抜いたものを裏返して貼り、その上からマジックが芋ににじんでくれることを期待してなぞりました。しかし、芋はインクをはじいてうまくいきません。中学校で木版をやったときはカーボン用紙を使用したと記憶がありますが、芋では無理だろうと思いやめました。
 結局、半紙自体を芋に水で貼り付け、そのまま彫りました。
 芋は、包丁で輪切りにするときは堅いのに、彫刻刀だととても柔らかく、塗り絵をするときに力余ってはみ出すように、余計なところまで刃が進んでしまいます。また、半紙の下絵もよくなく、刃に紙片がまとわりつきました。
 なんとか30分ほどで彫り上がり、押してみることに。イメージとしては墨汁で押したいと思い探したのですが、さすがになく、絵の具(12色入)があったのそちらを使用しました。しかしパレットと絵筆がなく、灰皿に絵の具を溶き、つま楊枝で芋に塗りました。

 半紙に押してみると、かなり汚く(押す前から予測していたことですが)、自分のへたくそさにがっかりしました。

 月曜日、(お)に押した半紙を見せたら、コメントも言葉少なく、またあまり芳しい顔をしませんでした。

隣のスーパーで購入。品種不明
正面
パソコンの文字を参考に下絵を貼付
彫ったかす
残りは味噌汁にすることにしました
まな板がちょっと汚い
11月2日の昼食。弁当¥530
芋の味噌汁

  そして、判にならなかった芋は昼食時のみそ汁になり、(す=S)も食しました。この日は寒かったのですが、とても暖まりました。
  今度は木版に挑戦してみようと思います。(こ)