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本書の紹介

　句会はエキサイティングな発想ゲーム
　きっとあなたも一句つくりたくなる

　「俳句は書いた瞬間もう自分のものじゃない」と小林さんは語る。 選評で人の句をいただくのも句会の妙味。本書は、小学生たちの初めての本格的な句会を実況する。 この楽しいバトルにあなたも参加してみよう。

一句つくろう！

　授業３では、子どもたちが学校の周辺に吟行に出ました。
　住宅街の中に路上八百屋さんがあり、そこで小林さんが買ってくれたサクランボやブドウを裏道でみんなで食べました。そのときにつくった俳句です。一人2句ずつつくりました。

１　 夏の道どろけたふんがおちている
２　 くものすがとつぜんめだつあめしずく
３　 木のこかげ小鳥が鳴くよ夏の風
４　 あめんぼの小さい命すぐ飛び立つ
５　 さくらんぼ俳句作ってすぐ捨てる
６　 ひまわりよ太陽へとさ一直線
７　 くるくるとまかれまきつくヒルガオよ
８　 どろどろだアイスクリーム陽にあびて
９　 かざぐるま小鳥の歌でくるくると
10　カタツムリからがなくなり干からびた
11　水の中夏の太陽見えてくる
12　かざぐるま夏風にゆれおどってる
13　トマトがねひなたぼっこでまっかっか
14　木の中をとかげが走るガサゴソと
15　太陽の光さえぎり日かげへと
16　かたつむりからの中で食べられた
17　木の日かげ風にあわせて動いてる
18　うらみちに一歩入ればいなかかな
19　ヒルガオはひっそりしのぶラッパかな
20　ツタかざりジャングルみたい石のコケ
21　さくらんぼたくさんたべてふとりそう
22　選挙カー説教のようにうっとうしい
23　道ばたの小石をけって歩いてる
24　新緑がゆれてる下で食べる物
25　びわ食べて意しきが飛んで宇宙かな
26　そよ風にふかれて回るダンゴムシ
27　白いちょうひらひら飛んで紙のよう
28　さくらんぼ光る水面の物語
29　夏の空石がころがる暑さかな
30　蚊たちがねあくまみたいにたまってる
31　あじさいに雨のシャワーすずしそう
32　ひるがおが顔を出してき呼んでいる
33　木のこかげふうりんがなる夏の風
34　あめんぼがすいれんのかげかくれんぼ
35　おるすばん暑いひざしに犬たえる
36　夏のかぜ木がユラユラとゆれている
37　働くよ小さな力をはっきする
38　ぶどうの実たくさんあってアリみたい
（本書「授業3」より）

本書の目次

プロフィール

授業前インタビュー

授業１ 「俳句」って何？
　自己紹介・俳句との出会い
　季語を考えよう

授業２　俳句入門
　宿題でつくってきた俳句
　初めての吟行体験
　友だちの句の清記

【給食時間に】子どもたちからの質問

授業３　句会は楽しい
　発表・選句・投票
　結果発表と講評

授業４　句会の団体戦
　西洋の芸術・日本の芸術
　団体戦の説明と俳句づくり
　団体戦でいざ勝負

授業５　二回目の個人戦
　最後の句会
　授業を終えて

　小佐田哲夫先生インタビュー

番組名「夏来たる　五・七・五で　いざ勝負！」　2000年7月9日　NHK総合テレビ放送
授業の場　東京都渋谷区立猿楽小学校

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