山田宗睦

まち・みち・ひと・とき

少年時代に日本の古典に熱中した、昭和と同い年の著者は、
それからの半世紀、思索の人として日本各地に過ごした。
評論家をやめて十年、
青年の頃の夢を、日本書紀注釈の仕事に傾注して、
いよいよその夢が実ろうとしている。
本書は、ここに至った著者の思索の足跡を、
静かにしるしたエッセイによってたどっている。

 

発行:風人社
仕様:四六判 上製本240頁
定価:本体1900円+税
1996年1月15日発行

装幀:高麗隆彦

 

山田宗睦 まち・みち・ひと・とき


山田宗睦(やまだ・むねむつ)

<略歴>
1925年下関生まれ。幼少期を下関、稚内、金沢、函館で過ごし、水戸高校を経て、京都帝国大学文学部哲学科を卒業。1995年まで関東学院大学教授。 著書、『山田宗睦著作集』『魏志倭人伝の世界』『異志倭人伝』『わたしの日本誌』『道の思想史』『花の文化史』『ヤポネシアへの道』『旅のフォークロア』『神々と天皇』など多数。


<推薦>鶴見俊輔氏(ある同時代人の肖像より)

 山田宗睦は、いばらない人である。そのことに感心する。/彼はながいまわり道をして、中年以後になってから、少年期に好んだものにもどってきた。『道の思想史』以後の仕事が、彼にとっては、打ちかけにしておいた碁の打ちつぎのようなものだろう。/こどものころから彼は日本のちがった土地に住み、その場、その場で出会うものをよく見ていた。この観察の積み重ねが、『水の精神史』『花の文化史』『菊』などによくあらわれている。/それ以前の時期に、彼はマルクス主義の哲学、西田哲学、三木清の哲学、コミュニケーションの理論について研究した。観念の配列を主とするこれらの研究が、その後の仕事、とくに『日本書紀』の解読にどういかされるのか、私に、それを見とどける時間がのこされているかどうか。


 ★本書の目次

序に言う・旅すること・愛そして人生

まち〜あの町 この町 日が暮れる
 ・下関…… かまぼこ/他者の眼
 ・稚内……人生の源/綿菓子/天の
 ・函館……哲学の原風景/青函連絡船/融雪
 ・水戸……ガラッゴロ、ガラッゴロ/銀の匙
 ・辻堂……道祖神/天来の妙音/桜花園通り

みち〜いま来た この道 帰りゃんせ
 ・馴染みの道
 ・人生という旅
 ・ジャランジャランと平和への道
 ・トリアー、哲学の道
 ・雲南植物誌のこと

中程に言う・その日〜透けて見える

ひと〜みんな みんな 優しかったよ
 ・人とのふれあい
 ・永谷良夫さん
 ・坊主の会
 ・安田武よ
 ・この鶴見が好きだ
 ・俊輔の本一つ
 ・竹内良知さんを悼む
 ・戸井田道三さんを偲ぶ
 ・うつむきうつむき信夫さんが来る
 ・ミヒャエル・エンデに

とき〜その雪の 時じきがごと…… 思ひつつぞ来る
 ・ヘリコバクター・ピロリ

 1 眼界今無レ染
   逆耳〜 宮原の道祖神/短歌と日本人/文芸のはじめに歩きがあった
   武蔵路の復元/おようという女

 2 日本紀寸見
   筑紫史益/日本書紀の地名、二つ/現代語訳日本書紀・あとがき

 3 それでもの三論と、書評一つ
   各地に戦争資料館を建てよう/昭和天皇/渡辺清の本一つ/湾岸戦争

 ・ハンカクサイ

あとがき